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向日葵 * チェンマイ俳句毎日

【チェンマイ俳句毎日】2024年6月16日


向日葵や看板娘のはや二十歳


    バイクで街を走っていたら、前を行くトゥクトゥクの看板に見覚えがあって、思わず目で追ってしまった。チェンマイで展開しているリモコン式オートロック門扉の会社「ナーネー」の宣伝看板である。
    今から10年以上前、情報誌の仕事と日本語教師を掛け持ちしていた私は、私立の幼稚園でも教えていたのだが、「ナーネー」はその時の教え子の一人の保護者の会社である。女の子は現役幼稚園児の頃から、親の会社の看板娘として活躍していた。

女の子の顔がレイアウトされた看板は、町角やトゥクトゥクの後ろなどに掲示されていて、数年ごとに新しくリニューアルされていた。その度に女の子は大きくなっているのだった。

ヤマザキパンのトラックでパンをパクついている外国人の子供(今もあるかな?)はいつまでも子供のままだが、ナーネーの看板からは、愛娘の成長を喜ぶ親心が伝わってきて何ともいえずかわいい。
私も「わあ、大きくなったなー」と嬉しくて、見かけたらつい写真に撮って元同僚の先生たちに送っていた。でも、今回は、さすがに走行中のトゥクトゥクの看板を、バイクを運転しながら撮るのは難しいので諦めた。

それにしても、久しぶりに見た女の子がすっかり娘さんになっていて驚いた。漫才師の博多大吉華丸さんのネタに、《オクラと他所の子は育つのが早い》という台詞がある。華丸さん扮する酔っ払いのおじさんが目を剥いてこの台詞を言うのが面白いのだが、ぴったり17文字で、もうこれ以上の表現は思い浮かばない(笑)。

その後、カフェに入ろうとしてバイクを停めたら、すぐ向かいに路駐していたトゥクトゥクの後ろの看板に、ナーネーの娘さんがにっこりと笑っていた。ほんとにきれいになったなあ。いつか、彼女が結婚して家族が増えたら、今度は看板にお孫さんが登場する日がくるかもしれない。


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