ガトーン * チェンマイ俳句毎日
【チェンマイ俳句毎日】2024年7月14日
果物天国、タイランド。なかでも雨季は、果物の王様ドリアン、女王マンゴスチンに始まり、ライチ、ノイナー(釈迦頭)、北部名物ラムヤイ(龍眼)、ランブータンなど、魅惑のトロピカルフルーツが次々と旬を迎える。
そんな雨季の果物の中で、個人的にちょっと微妙だなと感じているのが、「ガトーン」という果物だ。
我が家のお隣さんの庭にはこのガトーンの木が2本も植わっていて、毎年、実がなるとお裾分けをいただく。
夕方、私の携帯に「いつものように塀に掛けておいたから。完熟だからすぐ食べられるわよ」というメッセージが届いた。お隣さんと接する塀をみれば、伝言通りビニール袋がかけてあり、中に大きなガトーンが3個も入っていた。
去年はガトーンが豊作で、やっと食べきったと思ったら、追加でもう3個いただいた。
マンゴーなら、いくらでも食べられるのだけど…。
いや、味は決して悪くはない。やさしい甘さとほのかな酸味、何より香りが良い。
好き嫌いが分かれるのは、むしろガトーン特有の不思議な食感なのかもしれない。
分厚い皮に覆われた白い果肉はふわふわしていて、まるで甘い水分を含んだ綿を口に入れているかのように、むにゃむにゃと歯にまとわりつく。英語でコットンフルーツというが、まさにぴったりなネーミングである。
そういえば、先日、別の友人宅の庭に植えられたガトーンの木の下に、たくさんの実が落ちたまま放置されているのを目撃した。苦手なのは私だけじゃないのかもしれない。
そんなガトーンだが、ひと手間加えると、とたんにグレードアップする。料理に使ったり、果肉をシロップで煮てスイーツにしたりすれば、ちょっとおしゃれな雨季のスペシャルメニューになるのだ。
ガトーンのシロップ煮に氷を浮かべた冷たいデザート「ガトーン・ローイゲーオ」は、上品なタイ料理レストランなんかで食べられる、季節限定のタイスイーツだ。冷たいシロップと一緒に口に入れるせいか、食感は全く気にならない。
今回はせっかくのお裾分けを心から楽しむために、気合いを入れてローイゲーオを作ってみることにした。
ガトーンの実は、小学生の頃に運動会で母親が作ってくれた玉入れの玉くらいの大きさだ。手触りもどこか布っぽい。
おもしろいことに、ガトーンは皮を叩くと実が柔らかくなっておいしくなるといわれているので、皮を剥く前にさんざん床に叩きつけた。
皮を剥き、大きな種を外す。種の周りが一番甘いので、白い果肉に覆われた種をしゃぶると、あの、もやもやした食感に背筋がぶるっとなった。
一口大に切った果肉は、変色止めとアク抜きののために塩水につけておく。
今日はここまで。砂糖で煮るのは明日の朝だ。
もやもやの歯に衣着せるガトーンかな
コットンフルーツ残照の地に還る
夕焼けの塀を行き交ふお裾分け
✍️
読んでいただいてありがとうございます。
俳句がお粗末過ぎて…前に出しにくかったです🤣
🌿チェンマイ歳時記 ガトーン 雨季7月
ガトーン、グラトーンกระท้อน
英名 Santol fruit サントルフルーツ、コットンフルーツ
いただいたサポートは取材費にあてたいと思います。どうぞよろしくお願いします。