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畦焼

【チェンマイ俳句毎日】2024年5月14日

畦を焼く翁に在りし異国の日

周囲の田んぼがどんどん減っていく。北部タイでも農業に従事する若者が減っていて、農地を手放す農家が増えている。隣国からの労働力が大きな頼りという現状だ。

かろうじて残っている近所の小さな田んぼは、ささやかな私の心のオアシスになっていて、遠回りになってもこの田んぼの脇を通り、景色に癒やされてから町に出る。

そのオアシスの片隅で枯れ葉を焼いているお爺さんがいた。話を聞いたら、田んぼの持ち主とのこと。福耳の小柄なお爺さんは81歳、という年齢よりはお元気そうだが、流石に田んぼは人に貸しているらしい。若かりし頃はお子さんの学費を稼ぐために、サウジアラビアに7年間も出稼ぎに出ていたことがあり、現場では監督を任されていつも英語で話していたのだと、もうもうと立ち上る煙を背に武勇伝を語った。
私は日本人(コン・イープン)なんです、と自己紹介をすると、得意そうに、「チャイナーだね」と英語で返ってきた。違います、日本人です。「チャイナだろっ?!」ううん、日本。「チャ、、、あっ。ジャパーン!」

ジャパンが出たと同時に、ビッグスマイル。私も、心のオアシスのオーナーであるお爺さんのニューロンをひとつ繋ぐお手伝いができて良かった。


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