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うらら

【チェンマイ俳句毎日】2024年3月19日

とりどりの花の塵掃く音うらら

今、タイはとても暑いが、そんなことはお構い無しに様々な植物が花を咲かせている。涼しかった季節からひとつ進んで気温が高くなり、花の時期を迎えるという移り変わりは、まるで日本の春のようでもある。(なのでこの時期は春と夏の季語が入り交じってしまう…)

チェンマイもぼんやり曇った煙害の空に向かって、たくさんの花が咲いている。
今はノウゼンカズラ科の街路樹が満開で、ピンクや紫、黄色の花をせっせと咲かせては、潔く花ごとはらりと散っている。歩道に降り積もる花の絨毯もこの時期の風物詩だが、毎日掃除をする人は大変かもしれない。花の塵を一度にたくさん集められるよう、手づくりの工夫を施したちり取りが使われていたりする。朝、行き交う車の騒音に混じる花を掃き集める箒の音は、心なしか軽やかに感じられる。

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