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気になる商品名に隠された意図とは?

こんにちは!デザイナーのfurukawaです。

様々な商品が売られている昨今ですが、特にネーミングで気になった商品があり、そこに隠された意味を調べてみたところ、他にもいろいろなオモシロ商品名があったので、紹介していきたいと思います。


ゴリラのひとつかみ

ドウシシャから発売されている、ふくらはぎケアの健康家電のシリーズ
「ゴリラのひとつかみ」
ネーミングを聞いただけだと、一体何の商品なのかが見当がつきませんが、
商品とコンセプトを見て納得しました。

いわゆる美容家電は心をつかむようなかわいらしいデザインが多く、
使う側としても、高価でオシャレなデザインの美容家電を使うことで、
気分も上がるといったところまでがコンセプトになっていますが、
逆のイメージをいく商品名と価格帯です。

使っている女性の本音をリサーチしていくと、
「性能としてもっと強く締め付けられ、痛気持ちいくらいの方がスッキリする」と言った意見が出たことで、方向転換を行い、
機能・コスパ重視方向で考えた商品コンセプトとなっています。

圧力の強さを「ゴリラ」で表現したところも遊び心を感じ、
どんなに強いのかを試してみたくなります。

インドカレー屋の謎ドレッシング

理研ビタミンで発売している「インドカレー屋さんの謎ドレッシング」

ネーミング決定の決め手はSNS上での流行。
多くを語らずとも、ユーザーが商品説明をしてくれることでコンセプトを
理解してもらえるため、答えはユーザーに託した、ユニークなネーミングにしています。

ただ、名前の通り、「中身が謎」という課題はありますが、
インドカレー店に行ったことがある人であれば「あの謎の美味しいドレッシングが売っている」と一定のユーザーには共感してもらえます。
試したくなる、他人にも薦めたくなる=SNSでの拡散。

その後の消費者の動きまで計算に入れた商品です。

ウカンムリクリップ

サンスター文具が発売するブッククリップ、「ウカンムリクリップ」
漢字の部首の“うかんむり”の形をしているのが特徴で、また商品名に入れることで、日本人なら誰でもイメージできます。

実際にブッククリップとして使ってみると、
以前からあるブッククリップでは
挟み加減が弱いと倒れてしまい、逆に強いと本に癖がついてしまうといったデメリット部分があり、それらを解消した機能面も優れた商品です。

キャッチーなネーミングから、イメージがしやすく
購入後も「今まで欲しかった」を具現化しているので
ヒット商品となりました。

ほぼカニ

第三回日本ネーミング大賞にて大賞を受賞したカネテツデリカフーズ株式会社の「ほぼカニ」。

カニ風味かまぼこなので、「ほぼ」というよりも「カニのような」といった表現の方が近い商品ですが、あえて『ん?』と感じさせるニュアンスに変えています。

また、不漁続きのカニの代わりに鱈を用いて再現した商品は、水産資源の保護という時代のテーマにもあっており、ユニークなネーミングと共に、
社会の課題解決にもなっている点が受賞した理由です。


面白いと感じる特徴

ストーリー性がある

「ゴリラのひとつかみ」のように、
「ゴリラに掴まれている」というキャッチーなイメージを作り、
その意味は「圧が強い商品」というコンセプトが乗っかることで、
商品の特徴をより強く感じることができます。
イメージとコンセプトがリンクして成功した事例です。

ターゲットが明確

「インドカレー屋の謎ドレッシング」のように、
あのドレッシングか!と理解できる、ある一定のターゲットには
共感度が非常に高く、購買意欲も高い層です。
食品は、リピートしてもらって成長していくので、
ターゲットを狙って展開していくことが重要です。

意外性がある

紹介にはない商品で、「そよ風エール」というビールが発売されています。

ビールのイメージは脂がのっている男性サラリーマンがグビッと飲んでプハーと言っているシーンが多くみられました。

対して、本商品は真逆で春のような爽やかさを感じます。
多くのビールパッケージは上記のターゲットを象徴するような、
大胆なイメージに対して、情緒的な印象の商品が隣に陳列されていると、
周りと違うイメージから手に取って試してみたくなりますし、
新たな新規顧客の獲得にもつながります。

広告戦略から逆算されている

ユニークなネーミングを採用する時点で、
どの商品も広告戦略まで考えられたものかと思います。
「インドカレー屋の謎ドレッシング」のように、
SNS上での流行を前提に商品設計することで、
情報を全部を語らず、消費者同士も謎解きをして楽しんでもらう。
口コミで広がっていく商品として成功した例です。

まとめ


各社ターゲットや広告戦略の設計に多くの時間を費やしていることがわかりました。売れる商品を作るには、リサーチと戦略が重要だと改めて実感させられました。

人に伝えるための手法・考え方など学べることができたので
今後もネーミングシリーズは続けていきたいと思います!


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