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今日は国際子どもの本の日!図書館司書が注目した海外絵本を紹介します

こんばんは、古河なつみです。
本日4月2日は「国際子どもの本の日」です。児童書への関心をもってもらうために童話作家のアンデルセンの誕生日にちなんで制定されました。

図書館に司書として勤めていた時、この日に併せて児童書の展示を行ったり、絵本の福袋企画(中の見えない袋に図書館の絵本を入れたまま貸し出して、普段とは違った本との出会いを楽しんでもらう企画)を行ったりしていたので私にとってなじみ深い記念日でもあります。

そこで、今回は児童書の中で個人的に印象的だった児童書を紹介します。
いわゆる基礎図書(どんな図書館でも必ず置いてある本)とはちょっと違うラインナップになっているので、何かの参考になれば幸いです!


『セント・キルダの子』ベス・ウォーターズ文・絵

『セント・キルダの子』ベス・ウォーターズ文・絵/原田勝訳/岩波書店
縦が30センチほどあり、絵本の中では大きめのサイズの絵本で、ページいっぱいに広がる「セント・キルダ島」の景色が印象的です。
セント・キルダ島はイギリス領に属する実在する島で、むかし、ここに住んでいた人々は外界との交流がなかったのですが、船の技術が発達したためにイギリス人に発見され、存在を知られるようになりました。それがセント・キルダに住む人々にとって幸せだったのか? 島の歴史や生活様式、文化を辿りながら読んでいくと、セント・キルダ島の住民たちが最後にどうなったのかを知ることになり、日本も「元寇」や「黒船来航」といった事件を経てきた島国なので「海を越えて外から違う文化が入ってくる」という感覚に何となく共感できて、同時に考えさせられる一冊です。文章の難易度は絵本にしては高めなので小学校中~高学年向け&大人でも楽しめる一冊です。

『くらやみこわいよ』レモニー・スニケット作

『くらやみこわいよ』レモニー・スニケット作/ジョン・クラッセン絵/蜂飼耳訳/岩崎書店
くらやみを怖がっているラズロという少年がある日「くらやみ」から話しかけられ、地下室へと歩いていくとそこにあったのは……といったあらすじのお話です。ラズロはくらやみを恐れていますが、この絵本のくらやみはフレンドリーなものとして描かれています。タイトルは『くらやみこわいよ』ですが、内容としては「くらやみこわくないよ」なのでおばけ絵本として期待すると「あれっ?こんな展開なの?」と驚くと思います。また、ジョン・クラッセン氏の素朴で可愛らしく、ユーモアのあるイラストが素敵なのでお話だけでなく絵にも注目してみてください。

今回の紹介はここまでになります。
また、先日下記の記事でご紹介した『ことりのメル おっこちる』も可愛くて面白い「動き」のあるお話なのでおすすめです!

ここまでお読みくださりありがとうございました。
それでは、またの夜に。

古河なつみ

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