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ハゲてますがそれが何か?

「地肌見えてんじゃん(笑)」


高校時代のクラスメイトが私の頭に顔を寄せてそう言い放った。
「そんなことないだろう。まだ10代だぞ!」
と言い返してはみたものの家に帰って風呂場の鏡で髪を持ち上げ地肌を見てみると。。。確かに髪が少ないかもな。。。
と思った。
(おいおい。俺、まだ17歳だぞ。いくらなんでも早いだろ
 。10代でハゲるなんてことないだろう。。ないよね神
 さま?)
高校3年生になると髪の毛の薄さをいじられることが増えて
きた。

海外でも薄毛をいじられる(笑)

「師匠(私の大学時代のあだ名)ヤバいんじゃね~」
「何がだよ」
「地肌、見えてるよ。まだ大学生なのに。。。このままいく
 と30歳でツルッパゲ。毛があるうちに結婚しちゃった方
 がよくね?」
なんてことを言われたり
当時通っていた床屋のおじさんからは
「髪の毛がちょっと少ないね。良かったら使ってみる?」
と当時髪の毛が生えると話題になった育毛剤を貰った
こともあった。(使ってみたけど効果は全くなかった)

仕事で訪れた台湾で取引先の人に
「あれ?あなた。。。髪の毛少なくないですか?まだ20代
 でしたよね。。。可哀そうに」と言われたこともあった。
私の行く末を思い浮かべていたからなのか私に対して憐れむような表情を浮かべていたのを今でも覚えています。

なぜ髪が薄いのか?

その理由を考えたりもした。
父とその親類縁者にはハゲている人はいなかったけど母方の家系は。。。お正月になると母の実家で過ごすのが毎年恒例だったのですが幾つものハゲ頭が挨拶にやってきていました。
男には母方のDNAが反映されやすいなんて話を聞いたことがあり(原因は母方か!)なんて思ったりもしました。

ハゲ=格好悪いのか?

少しずつ髪が薄くなる20代。
一般的に若い頃は髪型を気にしたり格好付けてみたりするのでしょうけど私は元々不器用で細かいことに気が向かない性格。
服装なども適当でした。

高校時代はチェッカーズの髪型を真似る人がいたりその後も時代時代に流行る髪型がありましたが(流行ってるんだなぁ)と思う程度で同じ髪型にしようとは思いませんでした。
同じ髪型にしたところで芸能人とは顔が違うので同じ髪型にする意味が分からない!なんてことを思ったりもしてましたが髪質、そして何より本数が少ない私には真似のしようがなたったんですよね~(笑)

髪型と言えば大学4年の終わりに坊主頭にしたらたくさんのクラスメイトから「どうしたの!」と驚かれました。
特に理由はなかったのですが「プロレスの道場に入門することになったんだ」と答えたところその噂が一気に広まってしまったことも(笑)
(オイオイ、俺の身長は164センチだぞ。なれるわけない
 しならないよ~)

ハゲは格好悪いのか?


大学時代3年間。
ある企業でバイトさせていただいてました。
たくさんの人が働く会社だったので様々な大人を見る機会、実際に接する場でした。

格好良いハゲもいる

社員さんの中にはとても格好良い人がいました。
ある課を取り仕切っている課長さんで仕事が出来、人の面倒もよくみる。いつも笑顔でハツラツ颯爽としている。
上層部からも評価は高く若い社員や女性社員からも人気でした。
アフター5には会社が契約しているジムに行き身体を鍛えていたので夏に半袖のシャツで仕事をしていると格好良さが数倍跳ね上がる感じでした。
顔も二枚目髪はフサフサ。
誰が見ても格好良い方でした。

(格好良い課長さんだなぁ。まるで漫画の主人公じゃないか。あんな人が実際にいるとは。。。でも俺のキャラ的にはあの人ではない。俺の取るべき道は。。。)

同じ職場にはもう一人目立つ課長さんがいました。

上層部の方とよく大きな商談の場に出かけていたので仕事はかなり出来る方だったのでしょう。
外見は背が低くやや太っちょ。
目は細くてどう見た目は年相応なおじさん。
そして頭は。。ハゲでした。

口数は少なく私は仕事の話以外に会話をした記憶はありません。ちょっととっつき難い印象でしたが社員さんに聞いた話では怖い人ではなくむしろ話すと面白い人。
話題が広く美味しい店の情報などにも詳しいようで女性社員の間でも人気が高く、また信頼感もある感じでした。

ハゲ頭を隠すことなくむしろピカピカテカテカ堂々と光らせている。
仕事で実績を積み上げてきた自信がそうさせるのかいつも胸を張り力強く歩く姿が印象的。
2枚目課長さんとは違った意味で存在感がありました。

(あの人と同じにはなれないけど俺はあっちを目指した方が
 良いだろう。一番やってはいけないのは流行りに流された
 り世間の目を気にして生きることだ)
強がり混じりにそんなことを思ったこともありました。

その後

現在に至るまで完全に禿げてしまったわけではありませんが
世の中的にはハゲに分類されるカテゴリーで生きています。
毛があるころより薄毛ハゲ時代の方が長くなってきましたが、過去を振り返ってみてそれほど損をしたようには思えないし私のとしてはこの外見をフル稼働させて楽しく生きてこれています。

仕事してても取引先の方にすぐに覚えてもらえます。
格好付ける必要がないのでどこへ行ってもこのまんま。
とても話しやすいと言われますし私自身もお気楽極楽。

仕事でタイへ行けば街で「一休さん!」と声をかけられたりもします。
時々面倒臭く感じますけど嫌われるより良いですよね。

通っているヨガスタジオでは会員さんや先生からも「師匠」と呼ばれてます。
「お坊さんですか?」と聞かれることが多いのである先生からは「もうお坊さんキャラでいいんじゃない?」と言われました。
(それも悪くないな!)と思ったりもしています。

残っている毛で地肌を隠すようなことはしません。
その他大勢と同化してしまうことで失われる利益の方が大きいですからね。

結論

もしハゲなかった自分がいたとしたらなんて考えられないくらいハゲてる自分が好きだしこの外見で良かったと思っています。

コンプレックスって抱え込んだままだと深い傷になってしまう場合もあるのでしょうけど、今あるものに感謝して授かった才能(敢えて才能と言わせてもらいます)をどう活かすのかを考えてみると結構クリエィティブな人生を歩めたりもする。

無いものに目を向け追いかけてしまうのは疲れます。
だって永遠に走り続けないといけないから。

周囲の評価なんて気にしても仕方がない。
人気の芸能人や流行っている店や食べ物。
次々と新しいものが登場しては忘れ去られていく世の中。
格好良いとかイケてるなんて追いかけている間に人生は終わりを迎えてしまうものなのではないか?
それに他人の評価を追い求めて生きるってことは自分の人生を放棄するにも等しい悲しい生き方。

今あるもの(私の場合毛がないのにあるもの=ハゲという現実)を天からの授かりものとして大切に扱っていく。
ハゲだから得られるものや楽しめる人生が今ここにあるのです。追いかける必要はないのでずっと快適な毎日なのです。

今の自分に胸張って活き活きワクワク生きていきましょう。
人生をどう生きるのかを決めるのは私たち自身なのですから!
かけがえのない命と身体を授かったことに感謝して人生を素晴らしいものにしていきましょう。

ありがとうございました。




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