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ホイラーの法則と在宅ワークの話。

少し昔の理論だが、ホイラーの法則というものがある。

第一条 ステーキを売るな、シズルを売れ!
第二条 手紙を書くな、電報を打て!
第三条 花を添えて言え!
第四条 もしもと聞くな、どちらと聞け!
第五条 吠え声に気をつけよ!

誤っている部分もあると思うが、私はこれらの一つ一つをこう解釈して、全体としてはこんな理解をしている。

・相手から動くように感覚に訴えかける。
・ダラダラと説明するのではなく簡潔にする。
・言葉だけでなく証拠や根拠を示す。
・説得ではなくその人自身に決めてもらう。
・緩急や強弱をつけて飽きさせない。

⇒気持ちに訴えつつ、シンプルに、あくまで促す形で、明確な根拠と自信を持って、相手とコミュニケーションを取ること。

これは現代においても通ずるはずで、仕事をするうえで非常に重要な考え方だと思う。「シンプルに」「結論から」「客観的に」「全体俯瞰して」とかいうワードも同じ種類のものだと認識している。よくビジネスで聞く「結論ファースト」とかいう言葉も、これらに含まれるものだと考えている。

ただこれは、万能ではない。
仕事外で使うには要注意だ。

在宅ワークの毎日になると、業務中に、何気なく妻から話しかけられることがある。仕事の問題なのか、日常生活の悩みなのか、最初にちょっと聞いた時点では分からなくて、つい、「で、結論は?」とか「その話はどんな用件?」と訊いてしまうことがある。

しかし、これは大きな間違いだ。
少なくとも、我々夫婦間においては。

なぜなら、つい仕事モードの脳みそのためにそう返答してしまうが、よくよく考えると当たり前のことだが、妻は、私の仕事相手ではない。家庭のパートナーだ。仮に、妻が仕事上で難しい課題を抱えていて、そのことについて私と話をしたくて話しかけてきたのだとしても、あくまで「夫」としての私が前提にある。

したがって、「その問題って●●だよね」とか「そもそも、こういう側面は考慮したの?」とか「まず優先順はどうなってるの」とか、「仕事」的な観点は、実は不要だ。
妻は優秀な人なので、きっと彼女の中に大まかな答えの道筋はあって、その上で「単に話を聞いてほしい」「共感してほしい」ということを求めている。ただ、場合によっては、「そうなんだ」「それはたしかに困ったね」と同調があったうえで、「じゃあどうしたらいいかな」「こうするのでいいかな」という方向に話が進むこともある。その方向性は常に感じ取る必要がある。

いずれにせよ、要するに、最初に「結論」を必要としていない。ケースによっては解決策とか打開策、そういった結論を求められたとしても、それはまず最初に出すものではない。それを忘れて、そんなふうにいきなり、「話がよく分からないんだけど、結局何が言いたい?」などと、無機質にザクッと単刀直入に問題を扱うと、夫婦間の空気がギクシャクする可能性が高い。というか十中八九うちの場合はギクシャクする。
「その言い方は無いんじゃない?なんで私が責められているの」と。

なので、仕事中と言えども、家に居ること/家族と一緒に居ること、ということを忘れないようにしないといけない。

そんな、在宅ワークで気を付けなければならないこと、でした。(我が家だけかな・・)

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