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家族のライフサイクルについて考えてみた話。

今は比較的落ち着いている時期だと思う。
何の話か?それは親がまだ元気な時だということ。

ごく平均的な家族のライフサイクルを考えてみる。これは単に、平均的なデータに基づいた話。
現代の日本では、平均結婚年齢は男が31歳、女が29歳、とどこかで見た。そして少し調べると、どうやら第一子出産時の母親の年齢も大体30歳前後のようだ。

ということは、ざっくりと30年で次の世代が生まれてくることになる。
なお、もちろん今は多様な人生の過ごし方が認められつつあるので、必ずしもこのパターンが当たり前ということではないことを断っておく。上でも書いたが、あくまで平均的なデータの話。

また、突然の事故や病気はあり得るにせよ、人はいつか死ぬ。
寿命に関しては、どうやら日本では年々平均寿命は伸びているらしく、最も新しそうなデータでは男は87歳、女は81歳らしい。
ちょっと古いがこんなデータがあったので載せる。

これによると、健康寿命というのが、寝たきりなどにならずに自分で自立した生活が送れる上での寿命だそうなので、ざっくり言ってしまえば、80歳手前くらいまでは元気で普通に問題なく日常生活を送る人が多いように見える。80歳を超えてくる辺りで寿命を迎える可能性が高い。

それを踏まえると、こんなモデルを仮定できる。

1.Aさん(30歳)は結婚し、Bさん(0歳)を産んだ。

2.Bさん(30歳)は結婚し、Cさん(0歳)を産んだ。
 この時、Aさんは60歳。

3.Aさんは80歳で寿命を迎える。
 この時、Bさんは50歳、Cさんは20歳。

3.Cさん(30歳)は結婚し、Dさん(0歳)を産んだ。
 この時、Bさんは60歳。

4.Bさんは80歳で寿命を迎える。
 この時、Cさんは50歳、Dさんは20歳。

上で言ったように、単なるデータとしてこのような世代があったとして、Aさんが寿命を迎える80歳の数年前から(n 年間、n=2 と仮定)、仮に78歳(80-n 歳)から寝たきりやそれに近い状態になっていたとしたら、Bさんは48歳(50-n 歳)、Cさんは18歳(20-n 歳)で介護をしているかもしれない。
直接的な介護というよりは、老人ホームや介護施設に入っていたり、病院に入院していたりする親を、時々様子を見たりする程度かもしれない。実家にいる親世代のところに、子供世代が定期的に訪れて身の回りを世話するのかもしれない。

そう考えると、親世代が元気な状態で、一緒に食事や観光に行って過ごせる時間は、案外少ないのだと思う。
上の例で言えば、Bさんが結婚して親元を離れたとしたら、親世代のAさんに介護が必要になるまでの18年間。Cさんは物心がついて、色んな思い出ができ始めるのを小学生に上がった頃(6歳)だとすると、残りは12年間。
長いようで短く感じる。

私の話をすると、私の親は、父親はもう亡くなってしまったが、母親は60ちょっと過ぎ。私の父方の祖父母は健在で、90前後。まだ介護は必要としていないが、近所に住む母が定期的に顔を出して身の回りの世話をしている。時々ヘルパーさんなども利用して日常生活をサポートしてもらったりしているようだ。私の母方の祖父母は既に他界。
妻の両親は健在だが、60後半。妻の母方、父方、ともに祖父母は他界している。
私の子供は上が小1、下が4歳。
実は上で挙げたモデルとほとんど似たようなライフサイクルというか、年代の構成になっている。実際、私も30前後で結婚して子供を授かった。
仮に私たちの親世代が介護が必要になったり寿命を迎えるまでの時間を考えると、残りは10年ちょっとといったところだろう。あくまで平均的に考えた場合の話なので、これより元気な時間が長い場合もあるし、その逆の可能性もある。

ちょっと昔の話をすると、私の親類は親戚付き合いが深くて、優しい親戚のおばちゃん、おじちゃんが多かった。私が幼い頃は本当に可愛がってくれて愛情をたくさんもらったし、思い出もたくさんある。
しかし、今はもう全員亡くなってしまった。私が大学生から社会人になって数年の頃にかけて、寿命だったり病気だったりで、立て続けに逝ってしまった。親戚のおばちゃんおじちゃんはみんな、歳が近かったし仲も良かったこともあって、誰かが亡くなるとそれが伝播して、だんだんと彼らの元気も無くなっていくように見えた。その頃は、帰省すれば、親戚のおばちゃんが入院してる病院に見舞いに行ったりだとかで過ごしていた。だから、お葬式などもたくさん経験した。

そういうことを思い出すと、冒頭で言った、今は落ち着いているということを、切に感じる。それは、親世代が、まだ今は元気な時間が多いということだ。
ただ、私の祖父母はそろそろ難しくなってきている。まだ元気は元気だが、祖父はボーッとする時間が増えて、祖母も年々老いを感じることが多い。

残りの時間を考えるというのは辛いことだけれど、居なくなってから「ああもっとこうしておけばよかった」と思う方が何倍も辛い。それを私は、父親の時に痛感した。
だから、この落ち着いている時に、もっともっとたくさん思い出を作りたい。私も子供も、そして親にも。

この頃は、国内では現時点では、コロナも比較的落ち着いてきて(新たな変異株もあるけれど…)、私や妻の実家に行く機会も増えてきたので、そんなことをふと思った。

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