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「新たなシステム」 ダボス会議2023の内幕

今年のWEF総会(ダボス会議)では、グローバルエリート達がパンデミック・ナラティブの失敗から何を学ぶことができるかに、焦点が当てられるようだという記事です

要約

・今年のWEFの議題は「新たなシステム」ばかりで、およそ新しい
 ものがない
・「具体的な解決策」は、言葉だけなのか?
・おまけとして、彼らの興味深い行為の紹介

2023.1.15
OffGuardian

訳者注
この記事にはナラティブ(narrative)という言葉が頻繁に出てきます。直訳すると「物語」「説明」になりますが、ここでは「偽りのシナリオ」「都合の良い説明」の意味で使っています。


世界経済フォーラムの年次総会が明日開幕する。政治家、大企業、「慈善家」、その他あらゆるエリート・モンスター達が、いかに自分達が賢いかをお互いに語り合い、世界をより悪くするために週末に集まる。

今年のメニューは何だろう?

WEFのウェブサイトによると、5つの主要な議題がある。そのパターンを見てみよう。

1.エネルギー、気候、自然のための「新たなシステム」の枠組み
 の中で、現在のエネルギーと食糧の危機に対処する

2.現在の高インフレ、低成長、高負債の経済への対応と投資、
 貿易、インフラに関する「新たなシステム」の構築

3.産業界の逆風に対処するため、民間部門の技術革新と復元力(resilience)のためにフロンティア技術を活用する「新たな
 システム」
を構築する

4.労働・技能・介護の「新たなシステム」における、社会的弱者へ
 の対応

5.地政学的リスクへの対応:多極化する世界における対話と協力の
 ための「新たなシステム」の構築

さて、これらはいずれもニュースではない。エネルギーの「新システム」は「グリーン・ニューディール」、国際協力の「新システム」は何らかのグローバルガバナンス、投資・貿易の「新システム」はデジタル通貨など、多くのトピックを扱っている。

このように、何も新しいことはないのだが、それを隠そうともせず、活字で見るのはいつも新鮮である。また、「ニューノーマル」、「グレートリセット」、「ビルド・バック・ベター」というフレーズをページのどこにも使っていないのも面白い。

これは(主流メディアに対する)代替メディアの小さな勝利だ。これらのフレーズは、今や使うにはあまりにも汚染されていると見なされるほど、明らかに(ネガティブな)認識を高めてきたのだ。

実際、数日前のこの記事が強調しているように、WEFのメンバーは明らかにナラティブのコントロールを失うことを懸念している。

世界最大の問題解決者たちは、より良いナラティブを作る必要があります。

https://www.weforum.org/agenda/2023/01/narratives-leaders-climate-change-wef23/

と論じている。

優れたナラティブは情報の加工が容易なため、人はナラティブの中で提示された情報により説得されます。世界で最も差し迫った課題を解決しようとする人々は、このことに注目する必要があります。

この記事は本質的に、「より良いウソをつく必要がある」ということを長々と述べている。

無責任な政治家、買収された科学者、ネット・ゼロへの移行のニーズに応えられない一部の企業など、(WEFに歯向かう)真の敵対者を特定しなければなりません。

また、気候変動の事実をめぐって議論が行われているように思わせることもやめなければなりません。
偽りのバランス(false balance)
とは、ある問題について専門家の間で実際に議論や意見の相違がないにもかかわらず、報道機関やその他のメディアが議論の対象であるかのように紹介するときに起こる現象です。

著者は気候変動についても述べているが、責任転嫁と議論の封じ込めに関する指摘は、あらゆる分野に当てはまる。

今年は、ナラティブの悪役(villains)が交代し、前向きな姿勢と「団結」がより強調されることを期待したい。この「団結」とは、おそらくコロナ・ナラティブにおいて、フリンジ(fringe)の意見によって押しやられたメインストリームの意見を呼び戻す試みを意味すると思われる。(ウクライナでも同様に行われた)


また、6日前のWEFの記事にあるように、検閲、つまり「誤った情報に対抗する」ことについて議論される可能性もある。

デジタル・セーフティ。デジタル世界における人権の適用

https://www.weforum.org/impact/online-digital-safety/

この記事では、WEFの「デジタル・セーフティ世界連合」が直面している「課題」を詳しく説明している。

児童の性的虐待や搾取、テロ、ヘイトスピーチ、誤報、自傷行為や自殺に関連するコンテンツなどです。

「ヘイトスピーチ」と「誤報」が実際の犯罪の中に混じっていることに気付いただろうか?

セサミストリートの言葉を借りれば、「どっちもどっち」なのである。しかしそれは合法だが有害だの時代には当たり前のことなのだ。はっきり言って、この人たちはそんなことは一切気にしていない。まったくだ。

彼らのビジネスは子どもたちを搾取し、彼らの国家機関はテロリズムに資金を提供し、彼らのメディアは1分間に50語のペースで誤った情報を吐き出す。

彼らが本当に気にしているのは、支配することだけである。この場合、それはインターネットをコントロールすること、より具体的には、インターネット上で何を発言し、何を聞くことが許されるかをコントロールすることを意味する。

具体的な解決策

もうひとつの議論の焦点は、いくつかの場所で強調されている、より直接的な行動の推進だろう。彼らは「具体的な解決策」と呼んでいるようだ。

アムネスティ・インターナショナルの代表は、ダボス会議の参加者に対し、次のようなことを呼びかけている。

既存のグローバルな経済システムを何が何でも守ろうとするのではなく、すでに効果があるとわかっている具体的な解決策に焦点を当てよう。

https://www.amnesty.org.uk/press-releases/davos-summit-now-time-action-not-more-empty-gestures

今こそ「空手形」ではなく「行動」の時であることを強調し、同時に「新たなシステム」のメッセージに共鳴している。

「具体的な解決策」というセリフは、先に述べた「ナラティブ」の記事でも、金融コンサルタント大手マーサーのダボス会議についてのページでも、WEFの専門家パネルでも、フォーブスがダボス会議の若いリーダーについて書いた記事でも、繰り返し述べられている。

もちろん、「具体的な解決策」路線は、何十年も前から企業で言われてきたことであり、「今こそ行動を」というのは、あらゆるミーティング、サミット、カンファレンスで使われる決まり文句である。

歴史上、「今は行動を起こす時ではない、ジェスチャーの時だ」と言った人はいない。だから、もちろん、この言葉は、発言者(とその会議)が重要であると感じるように作られた空虚なものである可能性もある。

しかし、それ以外の何か、つまり、「グレート・リセット」のプロパガンダの段階が終わり、次の段階へ移行することを示すサインである可能性も捨てきれない。受動的な操作や心理学に基づく支配のメカニズムから、より直接的な強制への移行を示すものかもしれない。あとは見守るしかないだろう。

4つのテーマ

いずれにせよ、ダボス会議のアジェンダは、大きく分けて4つのテーマで定義することができる。

・「新しいシステム」とは
  政治と金融のグローバルなシステム改革
・「ナラティブをコントロールする」とは
  より信憑性の高いウソをつき、公開討論を制限する
・「誤った情報に対抗する」とは
  インターネットを中心とした検閲
・「具体的な解決策」とは
  強制と政策による、より直接的な行動をとること

今年のダボス会議の論点は、彼らの「パンデミック・ナラティブ」の失敗から何を学ぶことができるかに焦点を当てた回顧録になるようだ。


最後に、(未確認の)話があるのだが、もし本当なら、滑稽であり、また、示唆に富んでいる。

どうやら、ダボス会議参加者たちは、ワクチン未接種のパイロットを意図的に探しているようだ。どう考えてもおかしい。(了)


考察

今回はたくさん英単語の勉強をさせてもらいました。

narrativeは以前から知っていたのですが、resiliencefringevillainsなどがどんな概念で、日本語のイメージとして正しく理解するのに、けっこう悩みました。しかも、その単語をWEF側が使う時は、我々にとって正反対の意味として解釈しなければなりません。そうしなければ文章として意味不明になってしまうからです。

しかし、奴らの言い分は、過去に自分たちがやってきたことを全部棚に上げて、なんと厚顔無恥で、鉄面皮で、いけしゃあしゃあで、ゴブリン・モードgoblin mode)なのでしょうか。

愚痴はこれくらいにして考察に入ります。


結論から言うと、今年のダボス会議で新しいテーマを打ち出せないのは、要するに、金が無いのだろうと推測します。

ですから、何かアイデアがあるとしても、それを強く打ち出して新規の商売を始めるだけの余裕がなくなっていて、結局、過去の金儲けを継続することくらいしかできなくなっていると見ます。

理由の一つ目は、ESG投資が低調であることです。
ブラックロックは、ESG投資に踏み込み過ぎて株価を下げてしまいまいました。撤退する自治体も出てきています。ヴァンガードも撤退を決めています。結局、まやかしのグリーンエネルギーで儲けるよりも、化石燃料によるエネルギーの安定供給を選ぶ方が投資家にとって現実的であったということです。WEFが進めるステークホールダー資本主義は、尻つぼみに終わりそうです。


次の理由は、各国の政府・中央銀行が相当ヤバくなってきていることです。
アメリカは政府債務上限問題、ヨーロッパは対ロシア制裁のブーメラン、中国は不動産バブル崩壊、日本も国債の格付けが投資不適格になりそうです。そしてすべての国が、これから巨額のコロナ対策費の後始末で金を回す余裕はありません。背に腹は代えられないと言ったところでしょうか。

ウクライナで戦争中という体の良い言い訳もあり、各国のトップは欠席しています。プーチンは当然として、バイデン、マクロン、スナック、習近平、岸田さんも。

これは、どの国のトップも、税金を使ったお土産を持ってダボス会議に行かなくなった(行けなくなった)ことを表しているのです。
(デマ太郎やスンズ郎じゃ、金の話はできません)

そして、ジョージ・ソロスも欠席です。


もう一つ大きい理由は、マフィアの摘発です。
ここに来て、カジノ・武器密輸・麻薬密売などの大物の逮捕が続いています。アジア最大のカジノ王がマカオで、イタリアのマフィアのボスがシチリアで、中米最大の親分(の息子)がメキシコでお縄になりました。

韓国では、過去最大規模の覚醒剤の摘発があったと警察が発表しています。

これは、大麻栽培の中心であるミャンマーやアフガニスタンが、政権交代によって生産量を大幅に減らしたことが大きいと思います。そして、ヨーロッパへの密輸ルートのハブであったウクライナは戦争中です。

そして、ちょうど2年前から、アメリカで人身売買組織逮捕のニュースが続々と流れ始めました。(司法取引をしたマックスウェルは、どれだけの犯罪を歌ったのでしょうか?)

非常に勘ぐったことを言うと、世界中からウクライナへ武器支援をすることで、大量廃棄をさせるとともに、密売組織やテロ組織のおとり捜査をやっていることも考えられます。

これらの摘発で、彼らの裏家業による金儲けがやり難くなっていることは間違いありません。


金の力で世界をリードしてきた連中は、金が流れなくなれば力を行使する手段も無くなります。WEFの中心にいる連中がいくらアジェンダを叫ぼうとも、甘い汁を吸おうと彼らに群がってきた手下共は、「金の切れ目が、縁の切れ目」と逃げ出し始めるでしょう。

残るのは、非人道的な犯罪を犯し、一蓮托生となった者達だけかもしれません。

(私は、楽観的過ぎるでしょうか?)