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イーロンマスクが、ウクライナのスターリンクをカットしたらどうなる?

衛星接続の欠如は、情報収集やドローン制御に重大な支障をきたすと、ウクライナ軍関係者が警告している、という記事です

2023.2.17 REMIX NEWS
by Die Welt誌

スターリンクの重要性

イーロン・マスクは先日、現在ウクライナ向けに提供している同社の衛星ネットワーク「スターリンク」が、利用規約違反によりウクライナ軍へのアクセスを厳しく制限すると発表したが、実際にはどうなのだろうか。

スターリンクの端末は、ロシア軍によってインフラの大部分が爆撃されたチャシブ・ヤールのような場所でも、ウクライナ兵が安定した高速インターネット接続を確保できるようにするものだ。

ウクライナ軍第24大隊のBogdan Borodai氏は、「スターリンクは、この戦争で最も重要なツールの1つだ」と語る。「今、それがなくなれば、顔面を殴られるようなものだ」と。

この兵士の懸念には、最近の背景がある。2月上旬、SpaceX社はウクライナ軍がドローンを制御するためのスターリンクの使用を制限すると発表した。SpaceX社のGwynne Shotwell社長は記者団に対し、この通信システムは「決して武器になることを意図したものではなく」、あくまで人道的な通信支援を行うためのものであると語った。現在、ウクライナには合計で2万台以上のスターリンク端末があると言われており、そのほぼ5分の1は同社が無償で提供したものだ。

シドニー大学でデジタル文化を教えるOlga Boichak氏は、スターリンクが制限された場合、ウクライナに壊滅的な影響が及ぶことを懸念している。「SpaceX社がウクライナのユーザーにとって最も必要な時にサービスを停止するという決定は、破滅的な人的被害をもたらす可能性が高い」と、彼女はドイツDie Welt紙に語っている。

ウクライナ軍は、航空写真の送信など作戦の調整に高速インターネットを必要としている、と彼女は述べてる。このため、スターリンクは現在、ウクライナの通信インフラの中心的存在となっている。

「この機器を使えなくすることは、ウクライナの防衛努力を直接的に妨害し、同国の国民がロシアの残虐行為に対してより無防備になる。もはやウクライナの人々が、民間のテクノロジー企業に自分たちの運命を決めさせてはならない」と彼女は言った。

スターリンク接続の問題点

バフムートの現場でのDie Welt紙の調査によると、現在、端末の使用はすでに障害が増加しているとのことである。

第93旅団の部隊長であるOleksiy氏は、「1週間ほど前からスターリンクに大規模な問題が発生している」と述べている。彼によると、速度が低下したようだ。携帯端末に依存していた司令部との前線通信が一部途絶えたという。バフムートとチャシブ・ヤールでスターリンクを使っている他の2人の兵士は、Die Weltに問題点を語った。現在、接続を確立するのにとても時間がかかっている。

Boichak氏は、ウクライナでの端末を制限するSpaceX社の根拠を偽善的なものだと考えている。「SpaceX社は民間向けの技術として位置づけているが、同社は最近、アメリカ国防総省との共同研究開発協定に関与していた。」 これは、戦場でのスターリンクのアプリケーションの研究とテストに関わるものであった。(了)


スターリンクの軍事利用について、元宇宙飛行士  スコット・ケリーとイーロン・マスクのやり取り

ウクライナはあなたの継続的な支援を切実に必要としています。
スターリンク衛星の完全な機能を復元してください。虐殺的侵略からの防御は攻撃能力ではありません。それはサバイバルです。
罪のない命が失われます。君にも手伝える。ありがとう。

あなたは、メディアやその他のプロパガンダBullShitを鵜呑みにしないほど賢いはずです。
スターリンクはウクライナの通信バックボーンであり、特に最前線では、他のほとんどすべてのインターネット接続が破壊されています。
しかし、第三次世界大戦につながる可能性のある、紛争の拡大を許すことはできません。

2020年:トランプは第三次世界大戦を始めようとしている!
2022年:第三次世界大戦を始めることが必要だ!

リベラルの矛盾を風刺したミーム
by 財津一郎


考察

戦争における通信手段の確立は、兵士の投入や兵站の確保と同様に大切であることはご承知でしょう。特に現代の戦闘では、迅速な命令伝達はもちろん、ドローンやミサイルによるピンポイント攻撃は、高速通信ができなければ不可能です。ローカルな範囲での会話程度ならばトランシーバーなどでも可能かもしれませんが、大量のデータ通信には適しません。

インターネット自体が、戦争時に通信を分断されないように考えられた分散型システムです。ですから本来は、インフラ攻撃に対し脆弱ではありません。地上の中継局が一部破壊されても通信そのものは可能でしょう。しかし、通信速度は被害の程度に応じて下げざるおえません。

現代のハイテク兵器の使用にあたっては、リアルタイム通信での運用が前提になっており、通信速度と安定性の確保が重要です。それができない場合、兵器の能力を十分に発揮することができません。

それなのに、ロシア軍によるインフラ攻撃が激しくなると、ウクライナ軍が頼りにできる高速通信回線が、スターリンクしか残されていなかった訳です。

今後、軍事目的でのスターリンクの使用に制限を加えられたら、ハイテク兵器の利点を生かす手段が無くなってしまいます。そうなれば、戦車や大砲、機関銃のようなクラシカルな兵器による地上戦で勝敗を決めるしか手段が無くなります。現在、世界で最も地上戦に強い軍隊はどこでしょう?

可能性として、最新AIによる自動索敵能力を備えた、打ちっぱなし型巡行ミサイルも開発されているのかもしれませんが、寡聞にして知りません。コストと信頼性の点で実戦配備ができないのかもしれません。
1発1億円のミサイルが、間違えて味方の戦車に向かって行く?

もう一つ気になるのがGPSです。元々GPSも軍事目的でアメリカが構築した測位システムで、こちらも現在は宇宙軍が管理していますそれを民間にも利用させているだけで、いざとなれば暗号化して、アメリカ軍以外には使用できないようすることが可能です。しかし、それはやっていません。少なくとも私は、この1年間でウクライナで(そしてロシアで)カーナビが使えなくなったというニュースを目にしていません。

このように、アメリカ軍は(ポンコツ)兵器はジャンジャン出すものの、兵士は送らずGPSも遮断せずという、中途半端な態度を取り続けています。

ここからは私の推測を述べさせていただきます。

それは、アメリカ軍がマスクのことを守っているのではないかということです。

皆さんもご存じのように、マスクは共和党支持を表明しています。しかも、ツイッターファイルの公開で、民主党のやってきた大統領選での悪事をバラしています。さらにウクライナに対し支援はしているものの、和平を求める発言で物議を醸しました。

戦争に突き進むネオコンに異を唱え、ウクライナ軍の要求を、これだけ突っぱねることができるのは、バックに軍が付いていなければできるものではありません。いくら大金持ちのマスクであっても、個人の判断で、バイデン政権が後押しするウクライナ軍への、スターリンクの使用を制限することは不可能だと考えます。

この推論を裏付ける理由として、スターリンクに関連する他の記事を見ても、アメリカ軍からの公式なコメントがないことです。国務省のブリンケンやFAA(連邦航空局)は、マスクの行為を変えさせようとしていますが、アメリカ軍関係者からのアプローチは報道されていません。

以前、マスクはスターリンクの赤字について、ペンタゴンに支援を要請しましたが、その後にお金が支払われたといったニュースはありません。ですから、ペンタゴンは金も払わずに要求だけすることはできないでしょう。

では、誰かが援助しているのでしょうか? 援助する理由は何でしょうか? 援助はお金だけでしょうか? どこかは判りませんが、もし資金と安全を援助しているところがあれば、マスクはそちらの言うことを聞くはずです。

過去の例で言えば、マスクのようにネオコン(民主党)に協力しない人物は、よくてスキャンダルによる失脚、悪ければ暗殺されていました。しかし、彼にそのような気配は感じられません。ですから私は、彼の身辺を強力な誰かがガッチリ守っているのではないかと想像します。

実を言うと、この考えは私のオリジナルではなく、藤原直哉氏の発言をもとに、根拠をまとめたものです。


さらに考えを進めてみましょう。マスクのスターリンクをウクライナ軍が使用することを認めていながら兵器での使用を拒否するといった矛盾した行動から、アメリカ軍内部に戦争拡大を抑止したい反ネオコン軍のグループがあるという推測です。

アメリカ宇宙軍はトランプが作りました。そして、アメリカ軍の衛星通信の大部分は民間衛星でまかなっています。その点から、陸軍・海軍・海兵隊などがどちら側であるか判りませんが、少なくとも宇宙軍は反ネオコンなのだと判断します。

また仮に、空軍がネオコン側であったとしても、通信を押さえられれば従わざるおえない立場です。

以上のことから私は、イーロン・マスクが反ネオコン軍の一員なのだという結論に至りました。


アメリカは大量の武器や資金を送ってきましたが、モノと金の話だけならば、ホワイトハウスや国務省の役人だけでも実行可能です。また、金を払って民間軍事会社の傭兵を戦場に送り込むこともできます。

しかし、アメリカ正規軍の兵士を戦わせることはできません。

それができるのは、21発の礼砲と「Hail to the Chief」の演奏、17本のゴールドフリンジフラッグによって就任した、アメリカ軍最高司令官(Commander in Chief)だけです。

大統領≠最高司令官

このことを指摘していた人は以前からいて、それをDerek Johnson氏のサイトでは、軍のプロトコル(外交儀礼)の点から詳しく解説しています。

ここのサイトは長文のPDFファイルなので面倒ですが、一読の価値は絶対にあります。

また、しろの氏も同様の記事を挙げていてくれました。

2年前のことですが、皆さんは覚えていますでしょうか?
最高司令官の振りをした人物に、背を向けた兵士たちのことを。

マスコミは、バイデン政権があれだけ大量の資金と兵器を送りながら正規軍を送らないのを、「ロシアとの全面戦争に拡大することを回避するため」というカバーストーリーを流していますが、私は、送らないのではなく、送れないのだと考えます。(これは核兵器使用についても同様です)

ウクライナ支援を行うバイデン(ネオコン)政権中枢部の目的が「ロシアに勝つ」ことではなく、「西側諸国をも巻き込んだ金儲け」「生物兵器開発の隠蔽」「代々続くロシア憎しの感情」と見れば、軍事的に見て不可解なアメリカ軍の動きが説明できると考えます。



以上、仮定をもとに私の考えを述べてみましたが、これが絶対に正しいと言うつもりはありません。軍事行動は機密漏洩を避けることが要求されますので、すべてが終わった後、さらに何年(何十年)も経ってからでないと真相は明かされないでしょう。

何事も、現在報道されていることだけで全てを判断しようとすることは危険であると私は考えています。表面に現れないこともイメージし、いくつもある可能性を排除せず、シナリオを作っておくことが、想定外による思考停止に陥らない一つの方法だと思っています。