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映画 | ファイター、北からの挑戦者

「ファイター、北からの挑戦者」を観ました。
本作は北から韓国へ亡命した女性がボクシングと出会い、様々なことと闘い続ける物語です。

北からの亡命者は韓国では"脱北者"と言われ、差別があるよう。
冒頭のシーンで支援団体の男性が主人公ジナへ支援団体から提供する住居を案内するシーンで

"あなたは幸運です"
”こんな部屋は韓国人でもなかなか住めない"

(なんだか嫌な感じ)と思いつつみていたらー…やっぱりこの男性、嫌なヤツ。街中で会って心配しているそぶりをしつつ"今度食事でもー"って、(えっ、キモっ、怖っ)と思いました。その後しばらくして、今度は何と!ジナの自宅前で待っていて…無理やり飲みに連れて行こうとする、すごく怖い。このときジナは必死に男性を振り払って事なきを得ましたが、これだけで終わらず…。後日、振り払われたときに"ちょぴり"ケガしただけなのに、わざわざ高額の診断書を用意してきて金を無心、"警察へー"とか言って脅してくる最低な人。

これ以外にも色んなことはありましたが、そんな中でボクシングと、ジナのことを何かと心配したり親身になってくれるトレーナーのテス、ジムの館長と出会います。何度も何度も辛いこと、哀しいことだったり、人としての尊厳を守るためにあきらめないで必死に歯を食いしばる。闘い続ける姿は健気で観ている間"しあわせになってくれー"とずっと心の中で応援していました。

少しづつ、頑なだったジナが心を開いていく。
テスと行った遊園地でみせる笑顔は年相応で可愛らしい。手で顔を覆って恥ずかしそうに、でも、とても楽しそうでした。

わたしが特に好きなシーンはボクシングジムで館長、テス、ジナが三人一緒に、静かにお酒を飲むシーン。会話はほぼないのですけど、とっても良いのです。ジナは多弁ではなく、いつも感情を押し殺しているし、滅多に自身の想いを表さないのですが、館長から"泣いてもいい"と言ってもらって涙がこぼれてしまう、感情が溢れてしまうところは、みていて涙こぼれた。館長とテスの男振り、ジナの女振り、そして三人の関係が素敵。

クライマックスでジナがみせてくれた本音、ぶっきらぼうにボソッっと言う言葉、楽しそうな笑顔をみて、ほっとしました。

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