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自身の起源と葛藤

今日はアマプラで「サーミの血(原題:Sameblod)」を観ました。

色んな予定があるなか、時間を作って、時に睡眠時間を削り、締め切り間近の予定は置いておいて(あかんヤツ)、自分が知らない監督、俳優、種類の作品と出会えるような気がしていて、アマプラでまもなく見放題が終了する作品のなかから、選び出して観ています。

北欧スウェーデンは差別、迫害とか一切ない印象だったのですが、「サーミ」と呼ばれる先住民族のことをスウェーデン人より劣った民族だとして迫害していた時代があったことを本作で初めて知りました。

主人公のエレ・マリャは進学を希望していて、教師へ推薦状を書いて欲しいと頼むのですが、力になれないと断られます。どうしても進学したいエレ・マリャは理由を教師へ尋ねると「あなたたちの脳は文明に適応できない」っと信じられない返答。

寄宿生活をしている学校での屈辱的な出来事、近隣に住むスウェーデン人たちからの謂れのない言葉での侮辱や暴力など、強い憤りを感じます。エレ・マリャ自身も自身の起源にやり場のない憤りを感じていて、スウェーデン人を装っている自分へ話しかけてきた妹に対し、侮辱的な強い言葉を浴びせかけてしまう場面は衝撃で、いたたまれなかったー。

観ていて感じたのは何の根拠があって一方的に相手のことをよく知りもしないで見下してしまうのか。エレ・マリャは高校生くらいで、多感な時期だからか色んな事に興味を持ち、悪いこと・許されないこと・時に自分自身が傷つくであろうことも承知しつつ、とにかく何でも行動しちゃう。

それで凄く自分も傷ついて、自分だけじゃなくて大事に思っている妹や母親をも傷つけてしまう。悪いな、申し訳ないなと心の奥底で思っているのですけど、でも抑えられない自由になりたいという気持ち。

色んなことを感じながら、考えながら観ていて、終わったあとも悶々としつつ。色んなレビューをみたり、監督インタビューを観たりして振り返っていました。最後のほうでエレ・マリャは妹に対してある言葉を吐き出すのですが、涙をみせなかったこと、タフな女性だったことに監督インタビューを読んでいて初めて気づきました。

ギリギリ観ることができて、本作に出会うことができてよかった。


映画は何を観ようか悩んでいるところから、観る、観終わったあと振り返ったり、毎回色んなことを知ることができたり、感動したり、怒ったり、泣いたり、体感できるから好き。


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