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ある奴隷少女に起こった出来事

こんにちは。
連休初日、図書館でたまたま出会った「ある奴隷少女に起こった出来事(ハリエット・アン・ジェイコブズ著、堀越ゆき訳)を読んでいました。

アメリカの奴隷少女が実際に体験したことを綴った回想録です。

緒方貞子さんの著作を読んでみたいな、と書棚をみていたときに本書のタイトルが目に入ったのがきっかけ。タイトルをみたときに「え、今もまだそんな出来事があるの?!」っと驚いて出版された時期を確認してみたら2013年初版でどんな内容なのかが気になり、借りてきました。

読んでみてまずわかったこと、私は奴隷制のことをまるで理解していなかったのだということ。

人が人を「物」と同じ扱いとして一切の自由や尊厳を奪い、貪りつくすさまは本当に悍ましく、読み進めていてこれは本当にこんなことがあったと信じ難い、信じたくない体験ばかり。人間はこれほどまでに本当に浅ましく、悍ましく、本当に救い難いものなのかと。


奴隷制についてハリエットさんが”わたしはこう証言できる"とあった一節

奴隷制は、黒人だけでなく、白人にとっても災いなのだ。それは白人の父親を残虐で好色にし、その息子を乱暴でみだらにし、それは娘を汚染し、妻をみじめにする。

公正なものとして人に作られた「不公正な法」といものは、搾取するもの、搾取されるもの、双方を不幸にするだけではなくて、どこまでも連綿と続く不幸の連鎖を生み続けてしまう可能性があるのだということ。ハリエットさん自身の実体験からの証言だから、本当に重たい証言で強く私の心に残りました。


ひとは互いに「思いやり」をもって、共生できるようにいつかなれるのか。

「くじらびと」のラマレラ村の人々のように色んな事に感謝して、自分が人より優れていると誇示するでなく、誰が一番かと問われて「みんな上手だよ」っと答えられる、皆で「和」を大切にしていて互いを尊重しあっていてささやかだけど皆が皆、幸せに暮らしていけるのか。

そんな社会にどうすればできるのか、っと、今日はそんなことを午前中、考えていました。


ある奴隷少女に起こった出来事”できるだけ多くの方々の目に留まって欲しい、一冊です。



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