猫の歴史

最古の猫

日本で猫が飼われ始めたのは、平安時代からとされています。当時、猫は高貴な身分の人々によって愛玩動物として飼われていました。特に有名なのは、第59代天皇である宇多天皇が黒猫を飼っていた記録が残っていることです。これは日本最古の飼い猫の記録とされています。

また、弥生時代にはすでに猫が存在していたという説もあります。長崎県壱岐市のカラカミ遺跡から猫の骨が発見されており、猫がネズミの害から穀物を守るために飼われていた可能性が指摘されています。

猫の扱い

古代日本では、猫は主に穀物を食い荒らすネズミから作物を守るために重宝されていました。ネズミを捕る能力を持つ猫は、穀物の倉庫番として役立てられ、人間と共生する関係が築かれました。

平安時代になると、猫は貴族の間で愛玩動物として飼われ始め、「唐猫(からねこ)」と呼ばれる中国から来た猫が特に珍重されました。この時代の猫は紐で繋がれて飼われることが多く、猫に対する愛着や飼育方法が文献に記録されています。

江戸時代には、猫は縁起物としても親しまれ、招き猫が生み出されるなど、守り神としての側面も持ち合わせていました。また、猫は放し飼いにされ、ネズミ駆除のために飼う習慣が広まりました。この時代には、猫を題材にした浮世絵も多く制作され、猫好きな人々によって文化が形成されていきました。

明治時代以降、猫はさらに広く一般の家庭に受け入れられ、ペットとしての地位を確立しました。文学作品や芸術のモチーフとしても猫は多く取り上げられ、人々に愛され続けています。現代では、猫はその自由気ままな性格と愛らしいルックスで、多くの人々に飼われ、日本の家庭における重要な一員となっています。

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