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ダイナマイトのすごさ

ダイナマイトの名前の由来は、ギリシャ語で「力」を意味する δύναμις (dunamis)に由来します。この言葉は、ダイナマイトの発明者であるアルフレッド・ノーベルが選んだものです。ノーベルは、ニトログリセリンという液体爆薬を安定化させる方法を発明し、それをダイナマイトと名付けました。

ノーベルがダイナマイトを発明する前から爆弾は存在していましたが、その多くは火薬を使ったもので、威力や安全性に限界がありました。ノーベルがダイナマイトを発明したことで、爆弾の性能や用途が大きく変わりました。ダイナマイトのすごさは、以下の3つの点にあります。

  • 威力:ダイナマイトの主成分はニトログリセリンという液体爆薬で、火薬よりもはるかに高い爆発力を持ちます。ダイナマイトはニトログリセリンの5倍の威力を発揮し、岩盤や建物などを破壊することができます。また、ダイナマイトは火薬と違って燃焼ではなく爆発するため、酸素がなくても使えます。

  • 安全性:ニトログリセリンは非常に不安定で、振動や衝撃で爆発してしまう危険な物質です。ノーベルはニトログリセリンを珪藻土や木綿などに吸わせて固めることで、安定化させる方法を発明しました。これにより、ダイナマイトは扱いやすくなり、事故のリスクが減りました。さらに、雷管という起爆装置を使うことで、ダイナマイトの点火を遠隔操作できるようになりました。

  • 用途:ダイナマイトは、土木工事や鉱山開発などの民間用途に活用されました。トンネルの掘削や岩盤の破壊などにダイナマイトは欠かせない道具となり、実に手早く安全に工事作業を進められるようになりました。ダイナマイトは、その威力のすごさゆえに、戦争やテロなどの軍事用途にも利用されるようになりました。ダイナマイトは、爆弾の歴史や技術に大きな影響を与えました。

以上のように、ダイナマイトは爆弾の歴史を変え、人類の進歩に貢献しました。しかし、ダイナマイトは同時に戦争やテロにも利用され、多くの人々の命や平和を奪いました。ダイナマイトの発明者であるノーベルは、自分の発明がもたらした悲劇に深く後悔し、ノーベル賞を創設しました。ダイナマイトは、人類の歴史において、善と悪の両面を持つ技術の一つと言えるでしょう。

ニトログリセリンとは

ニトログリセリンとは、グリセリンの硝酸エステルと呼ばれる有機化合物で、爆薬や血管拡張薬として使われます。グリセリンを硝酸と硫酸の混酸で硝酸エステル化するとニトログリセリンになります。以下はその化学反応式です。

グリセリン  硝酸   硫酸  ニトログリセリン  水
C3H5(OH)3 + 3HNO3 →{H2SO4}→ C3H5(ONO2)3 + 3H2O

ニトログリセリンは非常に爆発しやすく、衝撃や摩擦によって簡単に爆発します。そのため、安全に取り扱うためには、アセトンや水などと混ぜて感度を下げたり、珪藻土やニトロセルロースと混ぜて膠化したりします。ニトログリセリンの爆発力は黒色火薬の7倍もあります。

ニトログリセリンには血管拡張作用もあり、狭心症などの治療に用いられます。舌下錠として舌の下に置くと、口腔粘膜から吸収されて血管を広げて血流を改善します。しかし、ニトログリセリンは頭痛やめまいなどの副作用もあるので、注意が必要です。

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