自分を守るための働き方(ひらいめぐみ『転職ばっかりうまくなる』)
ここ2週間くらい、いや、もっとかもしれないが、ずっと大雨の不安にさいなまれている。いつ雨が降るかわからない。しかも土砂降り、となると、ストレスが大きい。洗濯物は乾かないし、木造の部屋は常にじめじめしている。
そういえば、大きく調子を崩したのも、去年の夏の終わりのことだった。8月末、スーパー肩こりと仁みたいな頭痛(仁のドラマのこと、すごい頭痛がすることしか知らない)に襲われ、楽しみにしていた勉強会に出られなかった。その時はまだ学校に勤めていて、始業式から1週間後には出勤できなくなり、状況を主治医に伝えたら「適応障害ですね、休職しましょう」とかなり雑に診断を受けた。季節の変わり目は大きな谷を迎えることを意味する。
ひらいめぐみ『転職ばっかりうまくなる』を読み返している。
アルバイトから正社員まで、何度も転職を繰り返す。本人は「辞めたくなったら辞める」と、ややお気楽にも聞こえるつづり方をしているが、実際は本当に理不尽でどうしようもない状況に置かれて、辞めるという選択を取っている。
自分を守れるのは自分だけ。彼女はそう言って、自分を守るための働き方を模索してきた。しかし、世の中の「会社」は、はたしてどれだけ自分を守ってくれるのだろうか。
会社ではないものの、大きな組織(いうなれば国の子会社)に勤めて、身も心もぐちゃぐちゃになってしまった経験があるからこそ、「健康に働く」ことの難しさを痛感する。私はその現場から逃げるように辞めた。ひらいさんの姿は自分の姿にとてもよく似ていて、当時の自分を思い出すようでとても辛い。また、茨城出身と同郷なこともあり、シンパシーを感じる。
一方で、自分と似たような境遇にあるひらいさんを見て、安心する自分もいる。ひらいさんほどではないが、学校を2回辞め、休職を繰り返し、アルバイトを掛け持ちする現在の状況は、とても自分からは褒められたものではないが、そんな人が私だけではないというのは、大きな救いになる。
しかし、またまた一方で、こんな不安定な生活をしている人が、私以外にも一定の層あたりまえのように存在することもどうなんだと感じる。幸い、私はパートナーと同居しているため、家賃や生活費の負担を軽減できている(というかほとんど彼に払ってもらっている、申し訳ない)ので、最低限生活はできている。しかし、それでもお金を使うことのストレスはすごく大きい。もし、一人で生活していたらと思うとぞっとする。
こんなことでいいのかと自分に問い続ける日々。ちょっとだけお金が足りない日々。同級生たちが次々に会社で結果を出す日々。不便ない暮らしをしているはずなのに、なぜか不安だけが拭えない。
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