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桂花醤 金木犀の百花蜜漬け

一昨日あたりから、庭の金木犀がちらほら咲き始めました。
家中、もとい店中が良い香りに包まれています。

これまで毎年のように、金木犀のシロップや塩漬け等、色々と作ってきましたが、今年は大森町産の百花蜜があるので、思い切って蜂蜜につけてみました。
作ってから調べたら、中国では金木犀を蜜漬けにしたものを桂花醤と呼ぶらしいですね。とういうことは、シロップ漬もジャムも蜂蜜漬けも全部蜜漬けなので、これからは何を作ってもまとめて桂花醤と呼ぼうと思います。


そして、これについては作り方も何も、金木犀の花を蜂蜜に漬けるだけなので特に言う事もないのですが、2つだけ大事なポイントがあるのでお伝えします。
基本的な作り方は、次のとおりです。


●金木犀の花  適量
●お好みの蜂蜜   適量
煮沸消毒した瓶に蜂蜜と花を入れる。以上。

今回は蜂蜜と花をだいたい同じくらいの体積で作ってみました。
2、3日で全体が馴染んできて花の体積が3分の1くらいになって良い香りがしてきます。保存は蜂蜜にならって常温の冷暗所で。

摘んできたばっかりの金木犀。

さて、ポイント①ですが、まずば花を摘むタイミングです。
何よりもこれが一番重要。
金木犀の花は長いものだと1週間くらい咲いていて、良い香りを漂わせていますが、花を摘む時期は、咲いてしまってからではちょっと遅いのです。
写真にあるような開きかけの状態が一番香りが強いので、摘むならここ、この状態の花です。
ちなみに、これは12日の朝に摘みました。11日の夕方の時点では、花が開く直前だったので良い香りはしているけれどまだ早い。そして、12日の夕方見てみると完全に花が開いていて、これではもう遅い。追加でシロップも作りたかったので今朝(13日の朝)もちょっと摘みましたが、やっぱり香りは昨日より弱っていました。

そう。花を摘むのに適した時期がめちゃくちゃ短いのです。
毎日よく木を観察して、ベストな1日、いや実際にはきっと数時間を狙って一気に摘むのが質の良い桂花醤を作る上での大切なポイントです。今年は成功しました。
ただ、多少摘むのが遅れたからといって失敗なわけではなく、香りが少し弱いかなという程度なので、作って見たいと思った方は「もう遅いから」と諦めてしまわず、ぜひ今すぐ摘んでください。そこまで神経質にならなくても大丈夫です。

ポイント②は、根気よく花の掃除をする、です。
余計なものは全て取り除いてきれいにします。花柄はもちろん、ガク、ちょっと萎れた花、虫、ゴミ、もろもろ。ザルに入れてふるって小さなゴミを落としたり、1つずつ花を見て余計なものを取り除いていきます。
香り優先なので、私は水洗いはしません。さらに長期間熟成する予定なので、不純物はできるだけ取り除いておきたい、ということで丁寧に掃除していきます。

私は細かい作業が好きなので全く苦痛にはなりませんが、花の掃除の様子を見ていたパートナー氏によると「拷問のような作業だ」とのことなので、向き不向きがあるかもしれません。頑張れ。
こちらも、多少のゴミが気にならない性格ならそこまで神経質になる必要はないと思います。香りにもそこまで影響するわけではないだろうし。きっと。


秋の一瞬を閉じ込めて保存できる、桂花醤。
バニラアイスにかけたり、フレッシュチーズにかけたり、お湯で割って飲んだり、炭酸割りも良いですね。トーストに塗るのも良さそう。
少し手間がかかりますが、小さな瓶1つ分でも作っておくと、心がちょっと豊かになる気がします。ぜひお試しくださいね。


蛇足ですが、私は重度の蜂蜜アレルギー(産後、急に発症)なのでこれを作っても自分では食べられません。だから自分用には砂糖と白ワインで金木犀シロップを作っています。蜂蜜は大好きなのに、味見をしてもすぐ吐き出さないと家の人に救急車を呼ばれるレベルでアレルギーが起きるので、うっかり飲み込まないようにいつも気をつけています。でも作る。楽しいから。


もしよろしければ、こちらも。 少しでも興味を持っていただけたなら幸いです。