【IV】すばらしい新世界
齧られた知恵の実。
文字や人類意識を得たことで神々(自然、宇宙、物理法則)との繋がりが絶たれ、右脳から左脳へと意識の退化が起こり、人類は科学に邁進していった。
フランス革命は活版印刷技術によるペンの力で民衆を動かすペン革命でもあった。
『ペンは剣よりも強し』は『ヒトラー』と密接な関係のある、地底世界ヴリルを描いた『来るべき種族』の著者『エドワード・ブルワー=リットン』の言葉。
『ジャン・ル・ロン・ダランベール』をはじめとした、自然・神秘的な概念から科学的概念への改ざん、『百科全書派』。
『百科全書派』
ジャン・ル・ロン・ダランベール(1717年生)は、『百科全書』編集の中心であった百科全書派の哲学者、数学者、物理学者。
(アイザック・ニュートンは1717年に造幣局長として、金銀複本位制であるニュートン比価および兌換率を定めている。)
そして、『フランシス・ベーコン』の『ニューアトランティス』で描かれた、国家の行政から個人の結婚まで、すべてが中央集権システムによって科学的に決められる、科学主義的ユートピアもまた然り。
1800年に生まれた科学中心の思考は、やがて1930年代のテクノクラシー・ブームを生み出すこととなる。
『テクノクラシー』
技術者、科学者出身の高度な専門的知識を持つ行政官、高級官僚、技術官僚など(テクノクラート)がソーシャルエンジニアリングを駆使して世界を支配、構築しているシステムのことをいう。
このような思想は古くは、古代ギリシアのプラトンの時代から確認でき、プラトンの『国家』で学ぶことができる。
ナチス・ドイツも『IG・ファルベン』というコングロマリット企業にビジネスをさせており、”死の天使” ヨーゼフ・メンゲレなども医学系テクノクラートとして収容所に従事していた。 (G.Sさんが買収し、『IG・ファルベン』が名前を変えたものが『モデルナ』であるという説もある。)
医学や医療と言うのは元々、人を救うために生まれたのではなく、人を効率良く ... するための研究、学問から始まっている、と知ることができれば、今現在起こっているすべての流れにも疑問を抱けるだろう。
教育で教える内容を決めるのは誰?何のために?
『義務教育』はその前から部分的には存在はしていたが、今の義務教育の礎となったのは1938年にナチス政権の元で作られた『強制学校』。
徴兵制と同様の強制力を持っており、戦争に送る軍人を養成する、それに疑問を持たない民を作ることが目的だった。
ナチスのアウシュヴィッツ収容所内には、カイザー・ヴィルヘルム人類学・優生学・人類遺伝学研究所などの研究所があった。
また、ナチス政権は強制...政策や障害者...政策も行っている。
(戦後の日本でも、優生保護法(1948~1996年)という法律のもとに...政策は行われている。)
ナチスの思想的先駆者となっていたのが、オーストリアで1874年に生まれた『アドルフ・ヨーゼフ・ランツ(イェルク・ランツ・フォン・リーベンフェルス)』。
アーリア人の叡智、テンプル騎士団の『聖杯の探求』は神人の育成を意味していたとも考え、『新テンプル騎士団』を結成。1907年に団体の拠点として古城ヴェルフェンシュタイン城を購入している。
『新テンプル騎士団』への入会の条件は、金髪・碧眼という身体的特徴を有していること、ゲルマン人としての血統の正しさで、純血化、人種的調査や美の審査を行い、民族主義を押し進めていた。
金髪同士の夫婦に対して給付される報奨金制度、高等人種の女性を僧院に送り込んで種母とし、出産・育成するためのコロニーの創設、劣等人種対策としての、避妊の徹底や...に加え、強制労働や戦争への動員によってその数を減少させること等が提案されていた。
この『アリオゾフィ(アーリアの叡智)』と言われる思想運動が、ドイツやオーストリアで支持者を増やしていき、ナチズムの源流を形成していった。
そんなナチスの『ヒトラー』には『2039年の終末予言』というものがある。
『ヒトラーの2039年の終末予言』
『人類は二極化する。支配者の中から『超人(ユーベルメンシュ)』が現れる。超人が世界や気候を、人間や戦争を治めることになる。気候異変と環境異変、政治と娯楽と食物、それから起こる突然変異などが、ロボット人間を大量に生み出す。ロボット人間は神人に従って生きるだけである。』
そして、科学技術の発展により彼らのアジェンダに時代が追いつき、テクノクラシーは『トランスヒューマニズム』へと加速して行くこととなる。
なお、ブラヴァツキー夫人も『シークレット・ドクトリン』で同様のことを言っている。
『トランスヒューマニズム』
トランスヒューマニズムの基本原理は1957年に『ジュリアン・ハクスリー』によって初めて明言された。
ハクスリーはイギリス優生学協会の会員であり、1937-44年に副会長、1959-62年に会長を務め、『優生学』がヒトの遺伝子プールから好ましくない変異を取り除くのに重要だと考えた。
World Economic Forum(ダボス会議)の常連、2016年のアメリカ大統領選にもトランスヒューマニスト党候補として立候補した『ゾルタン・イシュトヴァン』は、経済的に不安定な者には子供が持てないライセンス制にし、違法に妊娠した場合は政府が介入する事、デザイナーベビー(受精卵の段階で遺伝子操作を行い優れた能力を獲得した子供)と人工知能、人工心臓、脳インプラント、外骨格スーツなどのサイボーグ化を加速させる役割を狙っている。
ダボス会議で『人間がサイボーグになる時』という討論会が開催された時の司会は日本人の『尾崎優美 (Sputniko!)』であった。
ダボス会議を主催する『クラウス・シュワブ』は『2030年、あなたは何も所有せず幸せになれる』と説く。
何も? 自分の本来の体、健康、思考、欲望、自由意志さえも?
『第四次産業革命』
トランスヒューマニズム推進は単純に『第四次産業革命』でもある。
クラウス・シュワブは、自著『The Fourth Industrial Revolution』で第4次産業革命は、主に技術の発展によって特徴づけられた過去の3度の産業革命とは根本的に異なると説明した。
スイスのダボスで開かれた2016年の世界経済フォーラムの年次会議では『第4次産業革命の理解 (Mastering the Fourth Industrial Revolution)』がテーマとなった。
SNS世界最大手の米『Facebook』は2021年10月28日、社名を『Meta』に変更すると発表した。同社は『メタバース』と呼ばれる仮想空間分野への巨額の投資も発表している。
『Meta』は、逆から読むと『Atem』。アトゥム(Atum)。古代エジプトの創造神。原初に近い『蛇』の姿をして誕生した『両性具有』の神。
Meta社のロゴ『8』『X』『ウロボロス(蛇)』
『メタバース』と言う言葉はSF作家の『ニール・スティーブンソン』が1992年に発表した小説『Snow Crash』に登場する言葉でインターネット上の仮想世界のことだ。
ゲームで言えば、『あつまれ どうぶつの森』や『フォートナイト』の世界。
『フォートナイト』のシーズン『8』はズバリ 『キューブ』 である。
(どんな進んだ文明でも物理法則には逆らう事はできない。どれだけ凄い先進的な技術でも物理法則に従った上で存在している。これが、物理法則や数字が神と言われる所以だが、数字に形を持たせる事自体も偶像崇拝であって、そもそも、数字の形は自然法則、物理法則の理解や計算の便宜上考案されただけで、数字には形などなく、そこにただ『在る』と言う物理法則、神自体なのだと思う。)
そして、アメリカでパスポートの性別欄にも「X」が現れた。
性別も、生物と機械との区別もなくなっていく。
MOONSHOTのロゴにも『X』が。
人間とは何かの概念も次々と塗り替えられていく。
トニー・ペリー率いる研究者は、女性の卵子を必要とせずに子孫を作り出す方法を発見。2016年に卵子を経ずに子孫を誕生させることに成功している。
ユビキタスロボット工学のジョン・ファン・キム博士と彼の研究チームは、世界で初めてのロボット染色体を作り出すことにも成功している。これは、人格を持つことができる人工生物を作るための、コンピュータ化されたDNAコードであり、このDNAをTNT(再生チップ)を通して皮膚細胞に注入すると、その遺伝子を子孫に継承することが可能となる。自己複製は不可能でも、テクノロジーでロボットが子どもを産める技術の誕生も近いと言うことだ。
ヒト型AIロボット『ソフィア』の衝撃発言
(※思った以上にすべては進んでいて、『分子3Dプリンター』技術でAIも自己複製できるようになるみたいです。)
そして、人間方面には、おビルのゲイⅡさんは、最大16年妊娠ができないスマホでコントロールできる避妊チップを開発済み。
先に述べたように、トランスヒューマニズムの基本原理は『優生学協会』の会長も務めたジュリアン・ハクスリーによって初めて明言された。
『優生学』
優生学は1865年に『フランシス・ゴルトン』によって初めて提唱された思想で、ゴルトンは『チャールズ・ダーウィン』の従兄弟。ダーウィンの著作『種の起原』(1858年)に触発されて優生学を考え出した。
『チャールズ・ダーウィンの進化論』
進化生物学の歴史的なルーツは『チャールズ・ダーウィン』と『アルフレッド・ウォレス』の自然選択説の提唱(1858年)にまで遡ることができる。
ダーウィンは、『唯一生き残ることが出来るのは変化できる者である。』とは言っていない。
進化は単なる『結果』にすぎないと。
しかし、『進化とは?』『意識とは?』と教えられてきた事のすべてが真実から程遠い訳であり、
例えば、1880年、カリフォルニアの金鉱で5000万年前の岩の層から現代の人類と同類の骨や石器(すりこぎ)などが見つかっており、カリフォルニア大学の人類学博物館が所有している。
進化論と矛盾するとすべては無視される。
(地球は自転しながらすりこぎ棒のように歳差運動をしており、その中心が北極星。すりこぎ棒とはそんな繋がりがあるのも面白い。)
『ブレインネット研究』
2014年 ブラジル ワールドカップの開会式で1人の男性がボールを蹴って大会の開始を告げた。
この男性は麻痺患者でデューク大学の『ミゲル・ニコレリス』教授が男性の脳にチップを埋め込んでいた。
チップはポータブル・コンピューターに接続されており、男性の外骨格を制御していた。
男性は考えるだけで歩いてボールを蹴ることができた。
しかし、チップを埋め込まれた男性が自発的に行動することができるのならば、間違いなく遠隔操作もできるだろう。
ミゲル・ニコレリスは猿が"念じるだけ"でコンピュータ上のアバターを操作する実験なども行っており、既に成功し、実験はもっと進んだ段階に入っている。
そして、前述した、脳で制御するシステムの名は『エクソスケルトン(外骨格)』。
人類は、マウスの短期記憶を処理する海馬に電極をつけ、海馬に生じるインパルスを記録、記憶の記録に成功した。
この技術を利用すれば複雑な記憶を脳にアップロードできるようになる。
しかし、そこでもまだ終わらない。
『ジャック・アタリ』氏は自身の2006年の書籍で、ナノテクノロジーを用いたものとして『ブレインチップ』について言及している。
自己複製 - Self-Replication -
本来、自己複製こそが生命の土台だ。
ウイルスはヒトの細胞を乗っ取って自分のコピーを作ることで増殖する。
しかし、そんなウイルスやバクテリアを含めた、すべての微生物は宇宙から地球に常に降り注いでおり、人間を含む地球のすべての生物はウイルスがもたらす進化の影響下にある。
ヒトは目に見えないほど小さな1つの受精卵細胞として母親の中で生命を授かる。
ヒトの生命も細胞の増殖、『自己複製』によって始まる。
そして、女性は胎児期に一生分の卵子を形成して生まれてくる。
何世代にも渡った先祖の中にあなたの一部は最初から存在しており、すべて繋がっている、と中村医師は教えてくれた。
自己複製の秘密はDNA分子にある。
この分子を他の分子と隔てるのは、『膨大な情報(意識、自我)を収められる能力』と、『自己複製能力』だ。
AIロボットがムーンショットが打ち出す、2050年目標の(火星などへの)テラフォーミングに必要だとしても、AIロボットは自ら自己複製することはできない。(少なくとも今は。)
何らかの媒体や人間のニューロンとの接続などが必要だ。
『イーロン・マスク』の脳とマシンをつなぐデバイス 『Neuralink』。
磁性を持つ、『磁性ナノ粒子』と呼ばれる微粒子を脳まで到達させ、神経回路を遠隔的に変調させる技術。2019年のネイチャーの論文。
遺伝子操作されたタンパク質『マグニート』で遠隔操作し、生物の脳と行動をコントロールすることに成功したと言う2016年の論文とそのガーディアンの記事。
これらの、実験でのマウスなどは、自分がコントロールされていることに気づくことは永遠にない。
(※思った以上にすべては進んでいて②、もう自己複製できるロボット『Xenobots』誕生してました...)
『ブレインネット(brainet)』
そして、理論物理学者である『ミチオ・カク』氏は次世代のインターネットを『ブレインネット(brainet)』と称している。
『人々は、自分の感情、感覚、知覚、記憶をインターネット上で送信できるようになります。』
インターネットの次の段階として、ブレインネットは感情、感覚、知覚、記憶をまるごと伝送するのである。
で、管理者は?
自分とは?
骨髄移植を受けた人のDNAはドナーのDNAに置き換えられる。時間の経過と共にその人では無くなっていく。血液中の DNA、特に精子は100%がドナーの遺伝子となってしまう。
そして、以前の自分でなくなったことに自分では決して気づくことはできない。
『それでは自分とは?』
『オルダス・ハクスリー』の『すばらしい新世界 』では、バイオテクノロジーを用いて、生まれながらにして社会を導いていく優生種『アルファ』や『ベータ』が世界の実権を握ってすべてを動かしている。
それ以外の受精卵は、酸素が減らされて知能に障害を負わされたり、血液にアルコールを混入され、身体機能を意図的に下げられたりで、ただ『アルファ』に従い、仕える『ガンマ』『デルタ』『エプシロン』として生み出される。
成長中の睡眠教育の段階でも『アルファ』や『ベータ』階級とは違う内容の教育がされ、『エプシロン』階級では、永遠に続く単純な肉体労働に疑問を持たないように教育が行われている。
この世界は、一見、秩序のある理想的なユートピアに見えるが、すべては、底辺で生きるためだけに生み出された人々の犠牲の上に成り立っている。
ようこそ、すばらしい新世界 へ。
『すばらしい新世界』の著者、『オルダス・ハクスリー』と『C.S. ルイス』は『ジョン・F・ケネディ』アメリカ大統領が暗殺された日と全く同じ日、1963年11月22日に亡くなっている。
『すばらしい新世界』の著者、『オルダス・ハクスリー』はジュリアン・ハクスリーの弟である。
P.S. ミチオ・カクさんの本はどれも面白くて大好きなのですが、ミチオ・カクさんは、著作『人類、宇宙に住む』の中で、遠くの惑星をテラフォーミングするにあたって、太陽フレアや宇宙からの太陽風や宇宙線による放射線は非常に有害で、異なる大気や重力に自らを適応させる必要もあるので、遺伝子工学によって放射線に強いDNAに改変したり、トランスヒューマニズムによって紫外線を見る超視覚を手に入れたりするなどの、遺伝的・機械的な強化は不可欠になっていくという趣旨の話もしています。僕も、ここまで世界規模で1つの何かを進めているということは、もうシミュレーションとして、地球、もしくは、この次元を出る必要があるという結論は出ていて、人類を進化させる必要があるんじゃないか、とも個人的には思ったりもしています。