【偏愛日記】 Led Zeppelin大先生。
音楽をサブスクで聴きはじめるちょっと前の話。
大学生になり地元を離れ念願の一人暮らし。家にはYAMAHAのデカいスピーカー。ライブ並みの重低音がウリだった。
借りる時には一つのルールがある。当時へヴィメタルに傾倒していた私はどうしてもジャンルが偏りがち。なので必ず一つはあまり知らないジャンル、バンドのCDを借りることにしていた。
そんないわゆる「勉強枠」の中で借りたのがかの有名なLed Zeppelinなのである。
流石にバンド名と『Immigrant Song』くらいは知っていたが、真面目に曲を聴いたことは無かった。
2枚組のアルバム『Mothership』を携帯に落とし込む。
まずは知ってる曲から聴きがち。
ロバート・プラントの「Ah〜〜」のシャウトから始まるかの有名なイントロ。
『Rock And Roll』,『Heartbreaker』。バラードより軽快なロックナンバーが好みなので、この二曲を最初に聴き込んだ。
というよりもツェッペリンに限らずイントロが大人しい曲はすぐにスキップしてしまう悪癖のお陰で他の収録曲を聴くことは滅多に無かった。
音楽の幅が広がらなかったのもこのせいだと思っている。
転機は突然訪れる。
空きコマか授業をサボって大学図書館の映画試聴ブースで何気なしに見た『ARGO』。イラン革命の最中、占拠された米大使館からの脱出を描いた映画だ。
その劇中で流れていたのが紛れもないツェッペリンの
『When the Levee Breaks』だった。
いつもは聴いて数秒でスキップしていたイントロだが、革命で混沌としたイランの情景に恐ろしくマッチしている。エスニックささえ感じる。
長いイントロからのブルージィなロバート・プラントのヴォーカルに鳥肌が立つ。
曲名をエンドロールで確認し、帰り道、早速この七分超の曲を聴く。
全然大人しくない。むしろ情熱的、歌詞の意味は分からないが詩的で一つの物語を聴いてる気分。圧倒された。
そして一番の名曲と言われる『Stairway To Heaven』。
八分超の超大作なのだが、これも長いという理由でスキップしていた。
(何たること)
この曲も同様、後半にかけてガラッと雰囲気が変わる。もはや映画だ。一曲聴くのに体力を使う。
こうしてツェッペリンの世界観に見事にハマり込んだ。
あれから早六年が経とうとしている。
サブスクで世界中の楽曲を縦横無尽に聴くことができるようになった現在。なんとなく聴いているとツェッペリンをサンプリングしたものが多々ある。
良い音楽は世代を超えて受け継がれるというのを身をもって感じた。
ビートルズが義務教育ならツェッペリンは一般教養。
何事もその由来となったものを知ることで見えてくる世界がある。
大学時代のオレ、グッジョブ!
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