明日の商人 地球温暖化のために小売店ができること
日本各地で猛暑日が連日続きます。かたや、豪雨による土砂災害・水害が頻発。 これら地球温暖化による気候変動は、世界でも深刻な自然災害を起こしています。 その対策として最も重要なのが脱炭素と言われます。 それは、地球温暖化の原因とされる温室効果ガスの排出量を実質ゼロにすること。 国も世界もその対策に大きく動いていますが、小売店も大きく動いていく時です。
2020年10月、政府は2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする「カーボンニュートラル」を宣言しました。 このカーボンニュートラルとは、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの排出量から植林・森林管理などによる吸収量を差し引いて、 合計を実質的にゼロにすることです。脱炭素に比べて、吸収量も加味された言葉となります。
そのために、料理道具の販売店で何ができるのか。 まずは、フライパン倶楽部としては、脱フッ素樹脂を目指して、鉄製フライパンに乗り換えて頂くことを推進して参ります。 鉄製フライパンであれば、末永く使えて、使うほどに使いやすくなります。 ただ、こびり付きやすいなどの誤解もつきまといますので、当店では、こちらのページなどでサポートして参ります。
使い捨てではない、長く使える道具をおすすめしていくのが当店の役割となります。 そのために、フッ素樹脂も含めた樹脂(プラスチック)をできる限り使用しない物作りを推進して参ります。 加えて、リバーライトの極JAPANシリーズのように、木製ハンドルが破損した時でも部品の交換が簡単にできること、 部品の補充体制がとれているものをおすすめして参ります。
さらに、宮崎製作所のジオプロダクトのようにオールステンレスで製造されているものは、末永く使える安心感があります。 ハンドルやフタのつまみに樹脂が使われていたないため、劣化や破損がほぼない、一生モノの領域のお品です。 他にも、オールステンレスはグローバルの包丁となります。 これらは、結果として継ぎ目がなくなるなど、お手入れもしやすくなります。
もう一つは、木製品を推奨して参ります。 それは、二酸化炭素の吸収量を高める植林・森林の保全につながるからです。 木を切っても、二酸化炭素は放出されるものではありません。 かえって、木を切って使い、そこに苗を植えることを通じて、循環が生まれて森林が保全されます。 そのため、先人たちのように日本人は、もっと木製品を使うべきなのです。
ただ、その木の扱いに慣れていないので、その使い方やお手入れ方法をサポートして参ります。 まずは、木製のまな板をおすすめしたいです。 当店の扱いのものであれば、削り直しのサービスを行っているメ―カーがございます。 長野県南木曾市の山一、岐阜市のウッドペッカーです。 道具を長く使うことに手間暇を惜しまないメーカーのものをおすすめして参ります。
これらの鉄製フライパンや木製まな板は、環境省などが推進する3R(リデュース、リユース、リサイクル)にもつながります。 この3Rを道具選びの指標にしたい。さらに、省エネルギー、食品ロス回避、地産地消などにもつなげて行きたい。 そこには、先人たちが育んできた本来の日本人のあり方が潜んでいるように思います。 そんなきっかけを与える小売店でありたいです。