スペシャルドラマと映画の違い
先日、
テレビドラマと映画の違いに触れた記事で、https://note.com/furaidopoteto/n/n4a890ac42552
2時間のスペシャルドラマといった、
単発テレビドラマと、
映画との間においては、
脚本上の違いは存在しない、
と書きましたが、
よく考えると、
細かいところで、
違うなとおもったので、
補足の形となります。
◎スペシャルドラマと映画と違い
スペシャルドラマも映画も、
どちらも長さは大体二時間で、
かつ一話完結の一発勝負であるため、
両者の違いを考えたとき、
劇場で見るか、
テレビで見るか、
それ以外はない、
と先日の記事で書きました。
ただ、
作中にCMが入るかどうか、
その違いがある、
とふと気づきました。
映画と異なり、
スペシャルドラマではCMが挟まりますが、
それによって、
クリフハンガー(を作り出せるチャンス)が発生します。
クリフハンガーとは、
上記の通り、
続きが気になる終わり方のことで、
ヒキと言い換えても構いません。
昔読んだ三谷幸喜の著書で、
印象的だったのが、
テレビドラマの脚本を書くさいは、
どこのタイミングでCMを挟むかまで、
脚本で指定している、
と書いてあったことです。
クリフハンガーの本質は、
ストーリーの中断です。
CMによる中断は、
長くても1分そこらだと思いますが、
しかしその間、
事実ストーリーは中断するため、
仮に15分に1回、
作中にCMが挟まるとすれば、
その回数分だけ、
クリフハンガーチャンスが訪れることを意味し、
それを活かさない手はない、
と三谷さんはいっているのです。
確かに、
同じ内容のストーリーでも、
CMを意識することなく、
テキトーな箇所で中断されたものと、
CMを意識することで、
クリフハンガーを発生させているものとでは、
面白さに差がつくであろうことは、
容易に想像がつきます。
つまり、
スペシャルドラマの場合、
CMをうまく利用できるかどうかで、
ストーリーの面白さが多少左右するため、
その点がCMのない映画と違う、
というのが、
記事の結論になりますが、
もう少し続けますと、
CMのあるなしによって、
ストーリー内容にも、
多少違いが出るような気がしました。
といいますのも、
自分は普段(1時間ものですが)コンクール用脚本を書いており、
そのさい、
ツカミだったり、
展開の求心力だったり、
そうしたことは意識して書きますが、
CMによるヒキまでは想定していません。
しかし、
もしCMを意識して書くとすれば、
CMから逆算して、
15分おきにヒキを作る、
みたいなことになると思うので、
結果、
いつも通り書いたものと比べて、
部分的であるにしろ、
その形は変わる気がします。
つまり、
ストーリーを発表する媒体が、
スペシャルテレビなのか、
映画なのかで、
同一のストーリーであっても、
その形が多少変わる、
と思った次第です。
さらに考えると、
地上波で放送されたスペシャルドラマは、
その後、
配信サイトで公開されます。
有料の配信サイトであれば、
CMはありませんので、
実質、
映画と同じ状況で、
ストーリーが流されることになりますが、
配信されたスペシャルドラマが、
CMを意識して作られたものだった場合、
地上波で見るより、
ちょっとつまらなく感じる、
というのは比較的想像がつきます。
テレビの媒体をフル活用して作られたものである以上、
別の媒体に移せば、
面白さが落ちてしまうのは、
自然だと思うからです。
一方で、
気になるのが、
CMを意識して作られたスペシャルドラマと、
CMを意識せずに作られたスペシャルドラマの、
二つがあるとして、
(二つは同一のストーリーだとする)
地上波では、
前者に軍配があがるでしょうが、
では、
配信サイトでは、
どちらのほうが面白いんだろう、
ということです。
いろいろ考えてみたものの、
よくわからないし、
割とどうでもいいかな、
とも思いましたので、
記事を終えます。
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