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空飛ぶストレート#ショートショートnote杯

「俺のストレートは空を飛ぶ」

猟師は銃弾を「空飛ぶストレート」と名付け、憎き狐を打倒すべく燃えていた。

猟師は狩りをいつも邪魔されていた。
猟師が獲物に狙っていると狐が音をたてて現れ、そのせいで獲物を取り逃がす。

そんな日々が続くものだから病気の母親に滋養のあるものを食べさせてやることができない。

しかし、いつの頃か、猟師の家の玄関に栗が届くようになった。栗は毎日届き「神様の仕業だ」と猟師はありがっていたところ、家の前に狐が現れた。

あの狐だ。

猟師は猟銃を手にすると狐めがけて発砲した。

仕留めたかを確かめにいくと、そこには栗をくわえた狐がいた。

それで猟師は神様の正体を知った。

「…お前だったのか。毎日栗をくれたのは」

狐は頷く。

「しかし、なぜ無傷なんだ。俺は確かにお前を撃った」

「ショートショート補正だわ」

とやってきた母親はいった。

「結末で撃てば、自慢のストレートもフォークになって地面にオチるってわけ。あんたたち、よかったね」

(おわり)


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