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モバイルeスポーツの健全な発展に向けて

前回の投稿では、私たちFURAIが何者なのかを書きました。そこで、eスポーツのフロンティアは「空白の中間コミュニティ」にあるという話をさせてもらいました。

今回は、私たちがいま取り組んでいる「モバイルeスポーツ」の領域の将来性とともに、その領域がいま抱えている課題についても少し触れたいと思います。

FURAIは、eスポーツの中でもまだ発展段階の初期にあるモバイルeスポーツに短期的にはフォーカスしていきたいと考えています(もちろんパソコンでのeスポーツも並行して取り組んでいます)。海外のeスポーツ市場は、主にゲーミングPCを使って遊ぶPCゲームの領域で盛り上がりを見せています。しかし、ゲーミングPCを持っている人とスマホを持っている人を比べると明らかにスマホを持っている人の多いという事実を見ると、この裾野の広いモバイルeスポーツの市場の発展可能性は計り知れません。特に、日本は世界に誇るモバイルゲーム文化が根付いており、国民のほぼすべてがスマホを保有している今、FURAIとしてはモバイルeスポーツの大きな可能性にも賭けてみたいと思っています。

いま、eスポーツチームとしてのFURAIは「エーペックスレジェンズ モバイル」をメインのプレイタイトルとして採用しています。PC/コンソール版で既に大きなプレイヤーベースを獲得しているこの人気タイトルが2022年5月に日本国内でリリースされ、上記のような思いを持っていた私たちは活動を大きく本格化させるためにはこのタイミングだと思い、正式リリース以降このタイトルに注力しています。

その大きな発展可能性の一方で、モバイルeスポーツには「未成熟な状況」と言わざるを得ないような部分が多々存在します。

いまは小学生ですらスマホを持てる時代で、おのずとモバイルeスポーツのプレイヤー層もPC/コンソールの領域と比較すればかなり若年層に振れていると思います。実際のところ、中学生や高校生が、さまざまなモバイルeスポーツ大会やイベントに出場することはまったく珍しいことではありません。しかし、そういった未成年がたくさん存在する領域であるにもかかわらず、より健全なコミュニティを創り上げていこうとする取り組みが非常に少ないと私たちは考えています。

例えば、モバイルeスポーツ特有の課題としては、以下のようなものが挙げられます。

  • プレイヤーに対する誹謗中傷がSNS上で横行してもそれが当たり前になっている雰囲気

  • 未成年のプレイヤーも多く参加するような公式の大会やイベントが、平日の夜9時以降の開催であることがめずしくない状況

  • 適切な協賛金の運用や賞金の授与をしていないイベントの拡大(国内の現状の法制度では、主催者や参加者が賞金の原資を出すことは違法)

  • ゲーム運営サイドに認められていないアカウントの譲渡や売買の横行

  • 就学中のプレイヤーが、連日の深夜までのプレイや大会/イベント参加により、不登校になったり退学になったりするケースが少なくないこと

  • 法律の知識がほとんどない若いプレイヤーがプロ契約をする際に、法的な理解が不十分なまま締結してしまうことで、不当な待遇やリスキーなキャリア選択を迫られる環境

これらのことは、モバイルeスポーツだけに限らず、eスポーツ全般に言えることが少なくないですが、社会経験がほとんどなく、社会通念の理解や法律な知識も乏しい若年層が多いモバイルeスポーツにおいて、より深刻な課題になっていると思います。私たちは、こうした未成熟、未整備な状況や環境はモバイルeスポーツの健全な発展を阻む「やっかいな問題」だと考えます。

FURAIは、立ち上がったばかりのまだまだ小さい組織ですが、モバイルeスポーツの大いなる可能性や将来の発展に誰よりもワクワクしているメンバーが集まっています。上に書いたような課題は、一朝一夕には解決しない難しい課題ばかりですが、夢と野望は大きく心に抱いて、少しずつでもモバイルeスポーツの健全の発展のために取り組んでいきたいと思っています。



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