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【飲食店】FL比率と粗利益と営業利益

大阪で小さいお店をしているふらん(@furafran)です。

こちらのツイートですが、タイムラインに流れてきたのは本日の事。仕事の半分以上、食に関わる事をしているので強く共感しています。

■店を閉める事は一般公開していない
■閉めると決めても平均3か月は営業したり臨時休業したりする
■先行きが分からないので、その時で判断している

今営業していても『潰れていない』と安心するのは違うという事。現在6月で元気に営業していると思いきや、4月中に閉店を決めた所は7月末に閉店という事もあり得ます。5月に判断をした方は8月にどうなるかが一般公開されます。

大阪では結構人気店、インスタでもよく見るお店も閉店しています。時々クラウドファンディングサイトで『前払金』を頂くケースもありますが、多くの飲食店はその方法を取らずに別の方法で何とか凌いでいる様に思います。

業種によっては好調な所もありますが(ケンタッキーとかマクド、吉野家すごい!)苦戦している所も少なくないです。

僕のプライベートアカウントはカフェの投稿ばかりしていますが、元から人気店か地元に密着しているカフェは盛り上がっている様に思います。

で、もう少し具体的に数字で説明するとより良いなと思いました。ご存知の方も多いかもしれませんが、僕は復習がてらまとめてみます。

ほぼカウンター席のみの、そこまで大きくない店舗をイメージして下さい。

FL比率とは?

FLのFは『FOOD』原材料費ですね。Lは『LABOR』人件費です。FL比率とは売上高に対するFLコストの比率です。

式だと『FLコスト(原材料費+人件費)÷売上高=FL比率』となり、これが60%以下、出来れば50%代(理想は55%という声も)が良いと言われています。

ちなみに、このFL比率には固定費の代表的な『家賃』が入っていないです。
100万円の売上があるとしたら、例えば原材料費30万、人件費30万を目指しましょうという事です。

粗利益とは?

売上高から原材料費(売上原価)を引いたのが粗利益です。売上総利益とも呼ばれます。

例えばサムネイルの様な『フライ定食』的なのが1,000円(売上高)だとして原材料費が300円(原材料費)なら700円が粗利益です。

フライ定食が1つ売れると700円の粗利益という事です。

1日10時間営業のお店として、週1定休。1日でフライ定食は40食出る。6×40=240。240×700=168,000の粗利益。26日営業としたら26×168,000=436,800円。フライ定食の他にもメニューはある。

他の粗利益も含めて合計額は1,500,000円とする。

が、これはあくまで粗利益。ここから諸々の経費を忘れてはダメです。

営業利益とは?

粗利益から経費を引いたものが営業利益です。

経費には2種類あって、変動費と固定費です。変動費は売上によって変動する費用。固定費は売上にかかわらず変わらない費用。

今騒がれているのは『売り上げは減っているのに固定費は下がらない』という内容。固定費で代表的なのが『家賃』です。人件費は変動費に入ります。

10時間営業という事で、オープン前に2時間の仕込み、1時間の後片付けで13時間計算と仮定。シンプルにする為に、全員時給制のアルバイトと仮定。2人で1人あたり1,000円としたら、3×1,000×13=39,000円。1日あたり4万円弱の人件費がかかります。

39,000×26=1,014,000円。人件費だけで月に100万円。他の変動費は水道光熱費とか。広告宣伝費はほとんどかかっていないケースもありますので、今回は1万程度で。

家賃は15万円。1,500,000(粗利益)-150,000(固定費)-1,014,000(変動費)-10,000(変動費)=336,000円。これが営業利益です。

シンプルな計算なので、実際はもう少し営業利益は少ないでしょう。減価償却費とか水道光熱費とかを入れていないので。

飲食店の実際の利益率

先ほどの336,000円からざっくりと引き算をして200,000円残ったとします。

200,000(営業利益)÷1,500,000(売上高)=13,33...%です。150万売上があっても、手元に最終的に残るのは20万円。

一般的には10%程度と言われています。100万売上があっても10万円の営業利益。自分の住まいがあって、生活費(飲食店なのでほとんど削れたとしても)だけで無くなるやんと。

実際は自分が入れば人件費は削る事が出来るので、アルバイト2名とかで35~40万ぐらいは手元に残るケースも多々あります。

飲食店は仕込みがあり、買い出しもあり、調理もあり、接客もありのフルコースです。『自分の時給換算なんて出来ない』という知り合いの声も数多く聞きました。

後、飲食店の内部留保は2~3か月分ともいわれています。極端ですが売上がほとんど無い状態が3か月続いたらもう終わりです。

店によって損益分岐点は異なりますが、3~5月度は赤字のお店も多いのではないでしょうか。僕がもし飲食一本だけで3か月連続赤字、資金ショートしたら閉店を考えるでしょう。

撤退は悪い事ではない

『新しい事業を始めたけど失敗した』と言うのではなく『借金までしてアホやな』という人がいるみたいです。

新しく始めた事は上手くいかない事の方が多いです。利益が出る事は続けます。もし一旦は閉店してしまっても、その人に力があればすぐに再起するでしょう。一旦サラリーマン・アルバイト生活に戻って資金を貯めて再度挑戦する姿は格好良いと思います。

FL比率・粗利益・営業利益の事だけ書くつもりでしたが、僕は好きなお店もありますしカフェ業界が好きなので変わらず行っています。








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