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【Y2K】ドロップ、リテイク、エクストラクレジット

前回、私が留学したFIDMで得たものが「人脈」だったと言う話しをした

ところで、私はFIDMで米国の大学生になったこと知った仕組みがいくつかある。

一つ目は履修科目は「交渉できる」こと。

FIDMで、私が在籍したMerchandise Marketingのプロフェッショナルコースは、1ターム5〜6科目で、合計17科目取得で卒業できる仕組みになっていて、15クラスの専門課程を履修すれば良い形だった。

FIDMに入学して、最初のタームで、ELS(英語の補講クラス)を履修したため、私は必修科目が1科目履修することが許されなかった。1週間の授業のコマは合計で、6つのクラスで、科目で言うと5科目だった。(ELSが2コマあった)

私は当初のプランとして、いわゆる最短コースの9ヶ月で卒業する計画していたので、しょっぱないきなり履修科目が少ない状況で始まった時は、正直非常に焦った。しかし留学したての私は、「交渉する」と言うマインドもなく、言われた通り履修をするだけに留まった。

逆に2ターム目、私はどうしても予定の履修スケジュールにキャッチアップしたかった。この時はすでに渡米して約半年、「交渉術」と言うか、それ以上に「交渉してやるぞ」というマインドが身につけていたので、履修担当の先生に、「何がなんでも絶対6科目履修する」と宣言し、無事に6科目を履修した。

ちなみ、母校である慶應義塾の法学部時代、特に1年生、2年生では、必修科目が多く、選択科目も履修していた私は多い学期は「11教科」くらい、授業を履修していた。

中にはテストではなく、課題提出というクラスもあったと思うが、2週間くらいの間に、11科目の勉強を卒なくこなす必要があったので、私にとっていくら英語のギャップはあったとしても、バイトもできず、「勉強するしか時間の使いようがない留学生」にとって、6教科は正直「朝飯前」モードだったのだ。(もちろん、日本にいた時よりずっと勉強に時間を費やした)

ちなみに留学生は、1タームの履修クラスを3つや4つにして、9ヶ月ではなく、卒業まで4ター(1年間)とスケジュールを変えている人も多かった。だがそれはつまり、在籍時間が長い=私の生活費はそれだけ膨らむと言うことだ。私は親にいろいろ援助してもらっていたこともあって、出来るだけ卒業までのタイミングはずらしたくなかった。

さらにFIDMの公式卒業式は年1回で、もしタイミングがずれると、入学時に仲良くなった同級生と一緒に卒業できないと言うマイナスもあった。

二つ目は履修科目を「Drop&Retake(故意的に落として再履修すること)」できること。

何よりも驚いたのが、授業を履修していても途中で「ドロップ」して、再履修する、というやり方だ。これはいわゆる「悪い成績を避けるための方法」と言い直しいてもいい。

前回、途中で授業に出なくなる子がいたり、学校からいなくなる子がいた、という話しを書いたが、遊びやバイトや家庭の都合など、理由は色々あるけれど、とにかく勉強をしなかったせいで「このままでは落第点を取りそう」と言う生徒は、授業をほぼ丸々履修していても、確か最後の試験を受ける前に担当教員に「ドロップする」と報告に行くと、次のタームに同じ科目を再履修できる仕組みになっていた。

落第点をとってしまうと、それは記録に残るだけでなく、授業を履修したことにもあるため、費用が発生する。途中でドロップした場合は、確か費用かからず、翌タームに同じ授業が履修できる仕組みだったはずだ(この費用の部分、自分が利用していなかったので詳しくないのだが、そのように言われたと記憶している)

これはある意味、急な怪我や体調不良、家族の不幸など、色々な都合がある人にとっては本当に助かる仕組みだ。一方で、勉強しない学生をどんどん甘やかす。実際に、パーティーガールズたちが、彼氏ができて全然学校に来なくなる姿も結構目にした(10代でキャピキャピだなぁ〜と眺めていた)。

また、卒業まで時間がかかっても、いわゆる「オールA」を狙っているで、もし思ったように成績が取れないと思った時は、次のタームに別の講師のクラスを履修すると言うワザをやっている子もいた。これは私的にはすごく驚いたことなのだが、卒業するまでの時間以上に、最終的に結果として残る成績へのこだわりを垣間見た。

三つ目は成績へのこだわりとエクストラクレジット

この成績に対するこだわりについては、私にとってのバイブルで、LAガールの象徴みたいな90s映画「クルーレス」の中でも、主人公シェールが、自分の成績表を父親に見せる前に、「先生とネゴしているから待って」と言うセリフに面食らった記憶がある。記録として残る成績に対するこだわりを持つ印象が私の脳裏に焼き付いた。

そして、実際に「エクストラクレジット」のために、先生が用意した課題に対する反応は、面白いくらいクルーレスな世界だった。

日本贔屓のMS Dianaの「Merchandise Strategies」のクラスで、本当にいわゆる「優等生」って言うタイプの女の子がいて、彼女は授業態度はもとより、授業前後での先生とのコミュニケーションにもすごく積極的にだった。彼女の取り巻きも2、3人いた記憶がある。

たまたま先生が長く日本の電通と仕事していたこともあって、日本人で、日本のアパレルで仕事をしてきた私に関心を持ってくれたことで、私は無理をしなくても目立った状態だったのだが、その優等生ガールから、勝手に「ライバル視」されてしまい、気づくと2人でエクストラクレジット稼ぎ合う、みたいな状況になっていた。

今考えると、あんなに真面目なんだから、せっかくだったらもっと積極的にコミュニケーションをとって友達になればよかったなぁと思うが、当時年齢的にもずっと年下のクラスメイトたちと、なぜか距離を感じてしまっていて、私が仲良くしていた子たちは、みな短大や大卒を出てFIDMに来た子たちばかりだったのだ。 

でもそのくらい、真面目な学生たちの成績へのこだわりは半端ない。さらにこの「エクストラクレジット」の仕組みは、成績が悪いや出席率の悪い子たちの救世主でもある。テストで点数取れない子が、真面目に提出すれば必ず10点くれるレポートで、点数を稼ぐことができるのだ。もちろん成績がいいこがExceptionalになるためのものでもあるんだけど。

仕事の話しがすっかり学校の話しなのだが、この先米国で働く上で、この FIDMでの経験値が大いに役立つのだった。

#FIDM
#米国ファッション業界
#クルーレス
#成績へのこだわり

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