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俺を俺たらしめるもの

大学3年生の夏は、みんなどんな風に過ごすんでしょうか?

旅行行ったり、趣味に勤しんだり、ゼミ合宿があったり、、、、、サマーインターンに行ったり?



将来をよく考える時期かなと思います。

どこで誰と何をして生きていたいか、
自分の心の向く方向を自分でちゃんと知りたいなと思います。

では、過去、自分に嘘つくことなくしたいことをしていた空間はどこだっただろうかと思うと、出てきたのは祖父母の家でした。


ということで、行ってきました、
自分のルーツをたどる帰省旅行。




***




祖父母の家は石川県能登町にあります。自然も文化もある、とっても好きな町です。部活等もなかった小学校の頃は長期休みをほぼすべてそこで過ごしていたので、一年の1/4~1/3は能登町民でした。


今回の帰省でやりたかったことは3つあります。

➀海で泳ぐ
➁山で昆虫を採る
➂「あばれ祭り」に参加する

3つとも物心つく前からやっていたことでした。
それを、大学3年の今やることに何か意味があるはず。
それでは行ってみよう!






➀海で泳ぐ


昔からずっと泳いでいた祖父母の家の近くの海は、海水浴でよくイメージされるような(?)砂浜が広がる海ではありません。岸から少し離れた所まで岩がゴツゴツしている海です。玄人向けの海だと勝手に思っています。


とってもいい天気でした

岩がある海の良さは、なんといっても生き物がたくさんいることだと思います。岩と岩の間を覗けば、ウニや貝類、カラフルなイソギンチャク、ハゼのような小さい魚などなど、種類豊富な生き物に出会えます。昔、タコがいたことがあって、スミをかけられながらも手づかみして捕まえたことがありまます。黄金伝説さながらの胸アツな展開にテンションが上がったのを思い出しました。

岸に近い所からすぐに深くなっていて、下が水深10mくらいになる所も岸からあっという間に泳いで行けます。素潜りで4mくらいは潜れるので、岩に沿って少し深く潜ってみると手のひら大くらいありそうなサザエも見つかりました。サザエは採ったら密漁になるので、そのままリリースですけど…。

午前から昼過ぎまでのんびり泳いで、日焼けで背中の皮が剥けるところまでセットで海を楽しめました。




➁山で昆虫を採る

能登町は、少し車を走らせると、木々が生い茂る山に入ります。

夏の山で狙う昆虫と言えば決まってます。カブトムシとクワガタです。

この日は夜でも30℃近い暑い日で、こんな夜は虫たちも活発に動くだろうと見込んで、いざ探索。


…見つけました。なんとクワガタ5匹

ゼリーを食べるノコギリクワガタ

ノコギリクワガタ4匹と、(おそらく)ミヤマクワガタ1匹です。
カブトムシはまだ時期が早かったのか、見当たりませんでした。残念。
でも、こんなにクワガタが見つかるのは、僕史上まれに見る豊作です。嬉しすぎる。


うちの母が「またこんなにとってきてー、誰が世話すると思っとるん!」って言いながら、1週間くらいしたら愛着がわいて甲斐甲斐しくお世話してくれています。またお盆に帰ったら水やりと土を替えてあげるくらいは僕もしてあげましょう。




➂「あばれ祭り」に参加する


あばれ祭りとは、毎年7月の頭に開催される能登町のお祭りです。

実は、授業期間中にもかかわらず今回帰省した一番の理由は、このお祭りが開催されることにありました。このお祭り、コロナ禍で2020年、2021年と中止になり、今年が3年ぶりの開催だったのです。2019年は受験生だったため行けず、晴れて大学生になったので心置きなく行こうとしていたんですが、例にもれずここでもコロナの足止めでした。そのため、今年の開催を本当に心待ちにしていました。

あばれ祭りは、その名の通りよく暴れる祭りです。

写真は、10mほどある大きな松明の周りを、「キリコ」と呼ばれる巨大な灯籠を担いで回っているところです。キリコは1基で1~2トンほどの重さがあり、約40ある町内それぞれが持っています。祭り当日は、町内の若い人から歳のいった人までみんなでそのキリコを担ぎ、町中を練り歩き、メインイベントとして松明の周りを回ります。


祭りの様子なんかはyoutubeに上がっている動画をぜひ見てみてください。僕は、キリコを担いで歩くときの掛け声と太鼓と鐘の音とが合わさった音を聴くのがすごく好きです。2019年のですが、こちらの動画はとてもきれいに映っていました。


こんな小さい町にこんなに人が集まるものかと、毎度見るたびに思います。普段はおじいちゃん・おばあちゃんしかいないのどかな町なんですが、祭りの日は子供から大人までいろんな年代の人を見ることができます。そんなの一年でもこの日しかありません。

聞けば、祭りに参加する大半の人は能登町の外から来ているそうです。この祭りに参加するために遠方からはるばる来ている人も少なくないらしい。

これだけ人を惹きつけ熱狂させる祭りのエネルギーとは本当にすごいものだと感じました。







さて、こうして自分のルーツにあたるものをいろいろともう一度やってみたわけですが、




俺という人間を構成しているものは…


結局分からないままでした。

これをやったことで、「自分の大事にしていた価値観が見えてきた」、ということはありませんでした。


ただ、今回の帰省を通して、自分の考えに変化した部分はあったと思っています。

僕はこれまでずっと、将来的には地元に永住するつもりでいました。ですが、そこだけに拠点を置くのはどうなのか、むしろ一地域に縛られず別の場所にも拠点を置く生き方もありじゃないかと感じたんです。

今回の帰省で、外から見る視点が欠けていたことに気づきました。
海も山も祭りも、自分がそこで長い時間生活していた時と今とでは見え方が変わっていました。それは単に年齢を重ねたということだけでなく、そこを離れ東京という別の場所で普段過ごしている人の立場で見て聞いて感じたからではないかと思います。地元にいた時は普通だったものが、東京の生活がスタンダードになったときに普通じゃなくなる感覚です。

地元や祖父母の家のある町が自分にとって落ち着ける場所であるということは変わらないんですが、その安心できる内側にいるから見えてこない部分もあるんだろうなと感じます。

もし、他の視点から見ることで、自分なりにその場所の魅力をよりよく切り取ることができるのなら、そういう生き方もしてみたいです。



どこで生きるか、よく考えていきたい問題です。

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