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ECやWebに駆り出された販売員が気をつけるべき音「よ」「ね」

販売員の皆さん、小売業の皆さん、こんばんは。読まれる頃にはおはようございます、でしょうか。

丑三つ時ですが、明日から新しい契約先の仕事が始まる緊張のせいか、全然眠くないので書きはじめてしまいました。

緊急事態宣言で前代未聞のGWとなった5月も終わり、明日6月1日からは通常出勤の方が増えそうですね。

決してコロナが終わったわけではないので、対策はしっかりとって、健康に活動していきたいものです。

さて、この営業自粛期間中に小売業の中では、店頭の販売員のスキルをオンライン接客やECの原稿書きに使おうという提案がちらほら出ていました。

実際動いているところはそんなに多くないようですが、コロナが無くてもそういったスキルの活用はあって良いと思います。コロナ前から個店別でインスタを始めたり、ローテーションで商品紹介の文章を書く取り組みは着々と増えていましたし、流れがきていると感じます。

店頭の販売員の強みは、お客様のリアルに最前線でたくさん触れている分、その経験からお客様が買い物をするときに気にされることやお考になることを想像しやすい点です。これによって、商品を紹介するとき、お客様の着眼点に寄り添ったコメントが書けるというわけです。

しかし、そんな販売員にもEC&Webデビューに於いて気をつけるべきことがあります。それは言葉遣い、特に「語尾」です。

Instagramや各社ブログを読み漁っていて気がつきましたが、Instagramはけっこう酷いものがあります。公式HPのブログより、社内校閲が甘く行き届いていないからでしょうか。

例えば、Instagramのコメント欄でこんなやり取りがありました(要点要素以外は少々省略&置き換えあり)。

お客様「欲しかったのですがオンラインは完売ですね…お店にはなかなか行かれないので残念です。」
中の人「コメントありがとうございます!ちなみに何色ですか?教えていただいたら、在庫を確認しますよ
お客様「えっ、黒です!ありますか?」
中の人「問い合わせたら在庫がひとつあったので、オンラインに追加しておきました!ぜひご覧ください」
お客様「ありがとうございます!ずっと欲しかったのでうれしいです!しかもお得に買えるなんて!大事に使わせていただきます!」

見える部分でのやり取りはこれで終わっています。お分かりいただけますでしょうか。

活字になったものを通しで見ると、お客様の方が下手(したて)に出ている印象です。

口頭の会話なら、そんなに気にならないかもしれませんし、かしこまりすぎていなくて気さくだ、フレンドリーだと感じる人もいるかもしれません。

でも、こういったやり取りはWeb上にずっと残ります。そして世界に発信し続けてしまいます。皆さんは、オンライン上で誰が見ても、好印象なやり取りを心がけていますか?

引用したやり取りで最もネックな点は「確認しますよ」の「よ」です。

いいよ、やるよ、などの語尾と同じで、相手に許可を与えたり、本意ではないけれど言う通りにするときなどに使います。

したがって、印象としては「ぜひ私に在庫を確認させてください」というよりは「確認しますよ?」という感じです。しかもこのケースでは「〜〜たら、確認しますよ」という文のため、お客様の行動次第でやりますけど?というニュアンスがほのかに香ります。「しますよ」ではなく「しますよ!✨」くらいの勢いがあれば、やる気が漲る感じでまた印象も違うのですが。

そしてさらに、「しておきました」が後半に登場します。中の人としては「良いことをしたし、きっと喜んでくれるだろうけど、ここはちょっと照れ隠し」くらいの気持ちであろうことと察します。これに対してお客様は本当に喜ばれているのですが、文字だけ見てしまうと「しておきました」は、恩着せがましい言葉です。もっと言ってしまえば、ありがとうと喜んで見せざるを得ない、お約束の展開に持ち込んでいるやり取りとも言えます。

当のお客様ご本人は、「本当にラッキー!やったー、インスタってすごい!言ってみるものだな」くらいにお感じかもしれません。しかし、そこに残された文章を私のような人間がはたから見ると、販売員さんの普段の会話の癖が出過ぎているやり取りで、その色を通してブランドを見てしまうので、この場合はマイナスイメージになります。

このように、語尾や言葉のチョイスひとつで、一見素敵なエピソードもマイナスプロモーションになることがあります。

対面接客は、目の前とその近くのお客様に通用していてその方々に最適であれば、型破りでも構わないのですが、Webはとにかく消すまで(消しても)残りますから、見えないところの取り巻きからの印象も考えつつ行動する方が賢明です。

「確認しますよ」の「よ」と同じように、例えば「しますね」「しましょうね」の「ね」も、恩着せがましさや指示・言い聞かせの印象を含むので、使う場面と文章のテンションに注意が必要な語尾です。私がこの文章の書き出し3文目で「増えそうですね」と書いた文末に使った「ね」は、同意を求める「ね」です。念押しや指示の類ではありませんが、店頭では「可愛いですよねー」などで使われることがあって、「え、そうかな?」と内心突っ込まれることがあります。見えない相手にはそれを覚悟で使うべき、または突っ込みを受けても気にしないハートを持つべきではないかと、書き散らしてしまいましたが、以上で終わります。

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