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映画「妹の恋人」

ジョニー・デップがちょっとクラウニングをしてるので一度は見てもらいたいおすすめ映画です。


妹の恋人

原題:Benny & Joon(1993年、アメリカ、MGM 配給)


先ずはあらすじ:

原題のベニーとジューンは兄と妹。アメリカの片田舎の一軒家に暮らしています。10年くらい前、ジューンがまだ幼かった頃に両親を亡くし、それ以来、兄は妹の面倒を見ながら二人で暮らしてきました。
妹のジューンは自閉症で精神科にも通っています。普段は家から出ることはあまりなく絵を描いたりして過ごしていますが、たまに癇癪を起こしたり問題行動をしてしまうため、ヘルパーも居着いてくれる人がいません。
兄ベニーは自動車整備工を営んでいますが、妹のことを大切に思って熱心に世話をしているため、あまり自由に遊んだりせず友達の家でポーカーをするくらい。恋愛にも積極的になれません。

あるときジューンは、勝手にベニーの代わりに賭けに参加して、負けて、その友人のところに居候している従兄弟のサム(ジョニー・デップ)を押しつけられる羽目になります。というのも、サムは読み書きがあまりできないし風変わりだから厄介者だったのです。だけどサムは映画が好きで、特に昔の映画が大好きでとても詳しく、バスター・キートンの本も愛読しているようです。

ジューンのヘルパーが見つからない今、ジューンを日中一人で置いておくよりはマシと思い、ベニーはサムに「妹に何も起きないよう見ていてくれ」と頼んで仕事へ出かけていきました。そんな風にして3人は暮らし始めました。

風変わりなサムは、家でもどこへ行っても奇妙な行動をしますが、それが公園では人目を引くほど面白いパフォーマンスとなって人々を魅了するのでした。
そのうちジューンとサムは惹かれ合うようになり・・・。


ジョニー・デップのクラウニングが可愛い

ベニーが友人からサムを押し付けられるシーンからして、サムはホイールキャップを皿回しのようにして遊んでいます。置いてある道具で音を鳴らしてみたり。

ダイナーに行けば、パンにフォークを刺して踊らせたり、

料理の皿をカスケードしたり、

サムはいつも帽子をかぶっていて、シャツにベスト、ダボダボのズボンを履いています。
おしゃれなタイやスカーフを巻き、杖も持ち歩いています。

家ではパンをアイロンでトーストしたり、マッシュポテトはテニスラケットで潰す、掃除をするときはキャスター付きの椅子に乗ってスーイスーイ、風船の空気を抜きながら音楽にしたりと、ちょっと精神年齢は幼いけど、馬鹿というより、独特の世界を持っている人なのでした。

公園にピクニックに出かけたとき、ベニーが落ち込んでいたのを励まそうとしたのか、サムは帽子のギャグを始めます。

帽子をベニーに払い除けられたことから、道に出てギャグが続きます。

そこから、手が離れなくなる、指先についたゴミを取ろうとする、ハンカチがくっついて離れなくなる、とか続いていきます。
ジョニー・デップ自ら108(ワンオーエイト)もしていて見事です。地面でやるのすごい!
いつしか人だかりができて大道芸状態になっているのでした。大喜びの人々。
どこかロバート・シールズを思い起こさせます。

ジョニー・デップはこの映画のためにパントマイムをダン・カミン(Dan kamin)に学んだそうです。

http://www.dankamin.com/

その後もドラマは続く

ジューンが入院した病院に、ベニーとサムが乗り込んでいくのも忘れがたいシーンです。

今でいう、「バーティカル・ダンス」やないの!www

とても優しいロマンチックコメディ映画。
音楽も良いしセリフの無駄のなさも素晴らしいと思います。
機会があったら是非観てみてください。


(月刊クラウンライフ8月号に寄稿しました)https://clownlife.studio.site/

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