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ファンリーシュな人々vol.4~戸村玲子さん~

ファンリーシュに携わる仲間の想いや取り組みにフォーカスした連載「ファンリーシュな人々」。第4回は、ファンリーシュアカデミアの講師である戸村玲子さんに、ファンリーシュした(=解き放たれた)瞬間をきいてみました!

戸村玲子(とむられいこ)さん
ファンリーシュパートナー/コーチとして、ファンリーシュアカデミアの講師やIXプログラムでコーチを担当

―戸村さんは現在、ファンリーシュアカデミアの講師やIXプログラムでコーチをされていますね。
戸村玲子さん(以下、戸村):ファンリーシュのお客様企業に対するチームコーチングの実施を皮切りに、ファンリーシュIXプログラム(※1)のコーチとしてもお手伝いするようになりました。今はファンリーシュアカデミア4期(※2)で講師も担当しています。
本業では、昨秋まで勤務していた外資系企業を退職し、現在は新卒で入社した会社に20年ぶりに戻って人事戦略策定や組織開発のお手伝いをしています。そして今年4月から別の日系企業に転職をするところです。

―戸村さんのキャリアが気になります。
戸村:新卒で日系の重工メーカーに入社しました。1~3年目までは本社で労務担当、4年目からは工場の人事担当になったのですが、そこでは設計、製造現場、研究開発と様々な部署の様々な職種の人と接点を持つことができました。これをきっかけに、組織をよくするための取り組みや人の意欲を引き出すことの重要さを感じ、人事の仕事の奥深さを実感しました。そして、もっと専門的な勉強をしたい、今後も人事のキャリアを歩んでいきたいと思い、6年目の時に会社を休職して人事管理を学びに海外の大学院に留学しました。

―「社会人の学び」は、まさに昨今のキーワードでもありますね。
戸村:大学院では、学生からそのまま進学してくる人と社会人からくる人半々でした。一度社会人を経験し実務経験があったことで、理論を実践に置き換えて考えられたことがよかったです。また、海外の大学院に通ったことで、日本社会の中の1人でなく、世界の中の1人と感じられたことも大きかった。とても視野が広がりました。

―大学院卒業後はどうなったのでしょうか?
戸村:実は、留学途中で退職をしたのです。当時在籍していた会社は留学後の復帰先についても希望を聞いてくださったり本当によくしていただいたのですが、20代のうちに外の世界を経験してどこでも通用する人事のプロフェッショナルのキャリアを築いておきたいと思っていたこともあり、違う会社で仕事をしてみようと思いました。
留学から戻ってきた後は、GE(ゼネラル・エレクトリック)にリーダーシッププログラム生として入社をし、人事業務の中でも未経験の分野(採用、報酬など)やシックスシグマを使った業務改善を短期間で濃縮して経験することが出来ました。これは、単に知識や経験が増えただけでなく、新しい組織で信頼関係を築いて成果を出す力を身につけることができました。その後はある部門の人事マネージャーとして3年くらい、ほんとがむしゃらに働きましたね。

―その後、カナダに移住したとお聞きました。
戸村:家族の仕事の都合でカナダに行くことになりました。カナダには4年半ほどおり、その間はスポットで仕事をしつつ、出産、育児も経験。そして、日本に戻ることになったタイミングでGEに再入社。それから外資系の会社に転職をしました。

―すごい…。海外移住、そして出産、育児を挟みながらも、順風満帆にキャリアアップしているように感じます。
戸村:先ほど20代のうちにキャリアを築いておこうと思った…とお話ししましたが、特にカナダへ移住するまでをキャリア前半とすると、前半は自分のキャリアアップのことしか考えておらず、なにか常に焦っている感じがしていました。今思えば、それがドライバーになっていたというのはありますが。
キャリア後半、ちょうど日本に戻ってきてGEに再入社したときには、0歳と2歳の子供がいました。育児で思うように働けないもどかしさ、そして企業買収の後の統合の過程で自分がうまく役割を果たせなかった失敗体験もしました。

―失敗体験?
戸村:二つの会社が統合されて、人事制度面と組織面での統合が必要だったのですが、その過程でうまく周りと関係を構築することができず、業務を遂行できない状態になってしまいました。いろいろな自分の言動が、自分の意図に反する形で解釈されてしまってそれはとても辛かったです。その時は相手方が悪いと自己防衛をしていました。しかし時間が経つと、思っていることを直接言えない雰囲気や関係性を築いていた自分にも問題があったのかもしれないと思えるようになっていきました。
この出来事がきっかけとなり、システムコーチングの勉強をしようと思い取り組みました。その中で、「誰もが正しい。ただし、全体からすると一部だけ正しい」を知った時は目から鱗でした。「彼らの視点から見たら、私のやったことはそのように見えたのだ。彼らにとっては真実だったのだな」と思えるようになり、多面的に物事を見るようになりました。

―なるほど。大きな挫折だったけど、まさにターニングポイントでありファンリーシュした(=解き放たれた)きっかけともいえますね。
戸村:はい、この経験がなければ、自分のキャリア形成だけを追い求めていたかもしれません。でも、この経験から、ひとつでも良い組織を増やしたいという想い(ライフワーク)に変わったのです。働く仲間のことにも視点が向き、意識が変わっていきました。
その後、大きな組織変革を担当することになりましたが、辛かった経験もシステムコーチングの勉強もこのためだったんだと、全てがすーっと一本の糸でつながりました。表向きには順風満帆に仕事をしているようにみえるかもしれないけれど、見えない部分…いわゆる氷山の下の部分と言いますか、そこでは大きな失敗もしている。この苦い経験をあえて語ることも、周りのメンバーにとっては信頼につながることも学びましたね。

―最後に、戸村さんがファンリーシュを通じて実現したいことを教えてください!
戸村:一人ひとりがやりたいことを自覚し、その持っている可能性が最大限発揮できる社会をつくっていきたいですね。組織開発、リーダー育成など、私自身もまだまだ学ぶことがたくさんあるなと感じています。会社や組織にとらわれずに、色んな場所で、様々なことにチャレンジしていきたいと思います。

※1 ファンリーシュIXプログラムはこちら
※2 ファンリーシュアカデミアはこちら

(取材・文=久保彬子)

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