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仕事しているふりをする。

「◎◎が言っていた」と出典を書くとたぶん、ちょっと不名誉なことになるのだと思うので書けないのだけど、ある日◎◎が「あ〜あ、仕事しているふりをしに、××(職場)に遊びに行ってくるか〜」と言って家を出て行くのを見て、心底「すげーな」と思った。「仕事しているふりをしに」というキラーフレーズにしびれた。私にとってはちょっと忘れられない事件になった。「仕事しているふり」をするという発想が、それまで皆無だったからだ。

そしてその出来事の数年前、◎◎の父親が「あ〜あ、明日から仕事に行きたくないなあ、△子さん(奥さん)俺の代わりに仕事してきてくれないかな〜」と日曜の晩に言い出すのを聞いて「すげーな、大人の男の人がそんなこと言うの初めて聞いたわ」とびっくりしたのを芋づる式に思い出した。

◎◎とその父親は全く折り合いがよくないのに言っていることが同じなところに親子を感じざるをえないのも、すごいと思った。こんな感想を本人(◎◎)に言ったらすごく怒られる気もするので、ぜってぇ言わないけれど正直にいうと「血だな」と思った。「血、やべえな」と思った。

まあ◎◎が不名誉なことになる気がする程度に勤労…タツルちんが言うところの「オーバーアチーブ」ぎみに…働くのんじゃない態度というのは「あんまりよろしくない」「人様にどうどうというべきじゃない」という価値観にオレもちゃんとやられている。根が生真面目なので致し方ない。あっすいませんサラリと嘘をつきました。真面目なんじゃないね「小心者」だからdeath!

ところで、この話のポイントは「仕事しているふりをしに」「職場に遊びに行く」「仕事したくない」と明言する◎◎父子の言動に「びっくり&引くわー」となった私よりも◎◎父子の方が一億倍真面目な勤労者であるという点にある。客観的実際的現実的に。

そして「仕事しているふり」という修辞のビリビリ感は未だ解かれず。消化不良感も解消せずである。ビリビリだけに…(みなまで言うな)。

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