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見せつけられたエコー写真

カンガルー親子に続いて、こんな日は、残酷な出来事が続くもので、またしても、私にとっては忘れられない傷口をえぐられる出来事が起こりました。

しばらくして呼び出し機が鳴り、中待ち合い室へ移動し、名前を呼ばれるのを待っていた時です。

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私の目の前の扉から、楽しそうな親子が出てきました。

本当にくねくねとダンスを踊っていて、もう二人だけの世界という感じで。

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そしてすぐにその親子は、私の目の前のソファーに座ると、「私の赤ちゃん!」と言いながら、エコー写真をその場にいる人達全員に見せつけるかのように、高く掲げました。

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あまりに突然のできごとに、驚きもあったけど、瞬時に察して、目を逸らしてしまいました。

でも、そんな私の存在はいっさい見えてもなく、なおもワイワイ騒ぐ親子。

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「見て見てー、ちゃんとくっついてるー」

たかいたかーい、と言いながら、写真を高く高く掲げて。彼女にとってはもうそのエコー写真ですら赤ん坊そのものなのでしょう。

聞きたくなくても、見たくなくても、目の前で繰り広げられたら、もうズタボロの私には、何の罰ゲームなのって感じです。

さっきのカンガルー親子を無視した罰?そもそも不妊治療しても妊娠できない女は罰を受けなきゃいけないの??

こういう出来事があったことを愚痴ると、シロー丸(旦那)は、「でもその人だって不妊治療してやっとできたのかもしれないよ?」と言うけれど、不妊治療して苦しみを知っている人間が、そんなデリケートな場所で、そんなことできるのかなとも思う。


この時、この中待ち合い室を見ながら痛いくらいに感じたことは、この総合病院の仕組みです。

中待ち合いのソファーを挟んで、右は産科、左は婦人科なのです。

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おんなじ子宮を見ると言えども、この2つは凄い世界が違う。

ガンの手術をした時にも感じたけど、片方は天国、片方は地獄にも思えるのです。

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どうせ、ここには本当は見えない高い壁があるのだから、それなら本当に壁でも作ってくれたらいいのに。


こんなことが続けざまに起こり、泣きっ面に蜂とはまさにこのことで、ますます孤独を感じました。

ここで、私だけが妊娠出来ていない気すらしました。

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もうこの後の、婦人科の診察ですら、人と話すのが辛かった。

でも、こんな出来事があり、私は確実に転院へと心が傾いて行きました。

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この日から、色んな病院を調べ始めました。

こんな劣等生でも聞いたことのある病院、初めて聞く病院、わかったのは、不妊治療の病院って、都内ではたくさんあるんだなってこと。

手術のせいで断られるかもしれない私にも、これだけクリニックがあれば、ひとつくらいはきっとOKしてくれるクリニックもあるだろうと、転院を前向きに考え始めたのです。


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