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ひつようとされたいんだもの人間だもの

スーパーのレジが混雑するのはレジのお姉さんの手際が悪いからではない。
財布の負担を軽減するべく、小銭を数えて渡さねば気の済まないめんどくさい客がいるからだ。僕のように。
いっそ小銭を数えて支払える財布など開発してくれたらいい。
ああ、それって電子マネーと呼ぶらしいよ。

団体行動。肉体労働。リモコンだらけのテレビ周り。めんどくさいクレーマー対応。部下の教育。上司のご機嫌うかがい。取引先からの長文メール解読。母からの呼び出し。耳の遠い父親の通訳。両親のけんかの仲裁。この世は面倒なことばっかりじゃないか。これらを全てAIで対応してくれたらありがたい。誰彼かまわず本音を言ったり、プログラム次第では心にもないおべんちゃらを使うことも可能だ。ああ、気持ちいいし楽になる。

この世界で楽をすることは、結構大変だったりもする。

単純作業を「仕事」としてアピールしなければならない。

人手が足りないって言う割に、エクセルでマクロなんか活用しようものならば「怠惰なやつ」の烙印を押されてしまう。

削減しようとしているのは仕事なのか人なのか。

楽は楽しいんである。自分が楽しいは楽なんである。
今日は米にするかパンにするか迷ったり。忘れ物したり。好きな人に会いに行ったり酒飲んだり。うまいもの食べたり。だらだらしたり。酒飲んだり。うまいものたべたり。

そんな些末な事が人間の得意分野なんだから。

だらだらとテレビを見続け、妻の怒号に堪え、飯を食う。そんな重労働を強いられているウチの父親代わりのAIが開発されることを願ってやまない。


(234日)

#エッセイ #コント部 #僕なりの幸福論 #毎日note #人間だもの #楽しよう

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