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移動日記、薬局の光
咳がひどいから、昔住んでいた街の耳鼻科へ。さらに、10年来敬愛してる美味しいコーヒー屋台にも行く。
引っ越してしまったからちょっと遠いけれども、安心して診てもらえるし、何と言っても美味しいコーヒーも飲めるから!とかって、屋台でコーヒーを淹れてもらいながらお話してたら、
「薬局はどこに行ってる?」
と、Nさんが言った。
Nさんはいつも一人でバンの中に座って、きっちり凄いコーヒーを淹れてくれる。とても敬愛するコーヒー屋台の店主さんだ。
Nさんは「俺は絶対ここに行きます。こういうところが素晴らしいし。」と、丁寧に何気なくオススメを教えてくださる。
そこに行く度、私の人生の困り事がクリア出来たり、インスピレーションをもらったりして来たのです。
そんなわけでオススメの薬局を教わったのでsちゃんも一緒に行く事になった。2人で好物のくるみ餅などを買いつつ、観光客に揉まれつつ、ウキウキと向かった。
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「薬の光」
その小さな薬局には、「えび醤油」とかおすすめインスタントラーメンとか、ラベンダーのスプレー、フラワーレメディとかが、少し気まぐれに、しっかり清潔に売られていた。
「えび醤油、めっちゃ美味しそうじゃない?!」とsちゃんと盛り上がる。
スラーっと背が高く、キリッとした美人のおばあさん先生がカウンターに出ていらした。厳しい眼差しに(ごめんなさい、私は怪しいかもしれないけど悪気はなくて、山のたぬきみたいな者なんです。でもちゃんとお金は持ってきました、すぐに帰りますポン)
と心で勝手に謝りまくる。だけど先生は優しかった!
処方箋の薬を出してくださった後、楽しげにフラワーレメディのいろんなお花の写真カードを、私とsちゃんに一枚づつ引かせてくれた。
そして私のカードをみた瞬間に「ああ。」って消えるほど小さな声が漏れて目を瞑って、ほんとに一瞬だけど、反射的に、祈ってもらったような感じがした。
もともと肌の透き通った美しい先生が、モヤっと発光するかのようにもっと美しくなった。その上言葉にできない柔らかさで優しくなったので、私は子供のようにモジモジしてしまう。
「今イライラの方向だね。でも自分で治そうとしてる。本来のあなたは寛容なのよ」だって。。
このカードのレメディ『インパチェンス』というのをください!とグイグイ言ったら先生は笑って首を振った。
「いらないよ。もう大丈夫。私はいつもカードを出すんじゃないの。あなたは気付けば自分で直せると思ったからカードを出したのよ。だから必要ない。お金をかけずに治しなさいな!」
そして、もう行けというふうに手で追い払いながら
「あなた達が来てくれてすごく嬉しいよ」
って、クシャッと笑って、バイバイ!
たぶん、たぬきの精一杯のお金をもらうわけにはいかないって事なのだ。バレたのだ!(笑)
笑いながら、sちゃんと不思議な気持ちで薬膳スリランカカレーを食べに行った。
こっちの店も不思議で、一口食べたsちゃんが泣いてしまいびっくり!実は私もこのカレーを初めて食べた時になぜか泣いたのよ!なんなの〜?!と言い合う。
全体的に人生の先輩方が凄すぎて、わからない事ばかりだ!でもなんだかとっても嬉しかったなあ。。。今度はもっとお金を稼いで行って、インパチェンスとえび醤油を買わせてほしいと思う(笑)
sちゃんとこの街を冒険するのが大好きだ❤
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