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2023.09.23『美術館と写真』

広島の中心部にある
3つの美術館に弾丸で行ってきた。

「広島県立美術館」
「ひろしま美術館」
「広島現代美術館」
の3箇所。

わりとコンパクトにまとまっていて
立地的にもめぐりやすかった。

(でもこちらの集中力が切れるので、
余裕を持ったスケジュールは不可欠!)

広島県立美術館は、
スタンダードに素敵。
ダリを初めてこの目で見た。
シュルレアリスムという言葉も
はじめて知ったけれど、
とち狂ってて結構すきだった。

ひろしま美術館は、
ミュシャ展がやっていて、もう最高。
かつ、常設展も 有名な画家の作品から
あまり知らないけどなんか素敵な作品まで
幅広く見ることが出来る。 良すぎた。

ミュシャ展。写真を撮ることが可能。

広島現代美術館では、
アルフレド・ジャー展が開催していた。
私としては、前情報なしで気軽に行ったので
重たすぎてめちゃくちゃ疲れた。
世界の理不尽で嫌なニュースを、
永遠に見せられているような不快感だった。
とはいえ、これも醍醐味だし
そんなに強い感情やエネルギーを表現出来る
そのこと自体 すごい。

常設展も、「ヒロシマ」であることを意識した
作品が多く展示されていて、重ため。

現代美術館というと気軽に行けて、
美術に詳しくなくても「なんか素敵ね〜」と
観れるイメージがあったので、ぶん殴られた。

のほほんとした人生の中に、
たまにはこんな日があるべきなのかも。

現代美術館のコインロッカー。フォントがおしゃれ。

ところで、タイトルにある「美術と写真」に
ついてだが、最近 美術館で写真可のところが
増えているように感じる。

来場する側としては、
チケット料金の対価として
今までは「体験」のみだったものが
手元に写真が残るようになり、
SNSにも掲載出来るし嬉しい。

美術館側としても、
SNSなどで知名度が上がれば
ウィンウィンなんだろう。

最初は私も、わーい!と
手放しで喜んでいた勢なんだけど
段々それに慣れてくると
「作品を観る」という「体験」ではなく
「写真を残す」という所をゴールに
してしまうような気がして、
少し勿体ない気持ちもしている。

私にとって美術館は
実際に観て、感動したり 嫌悪したり
どちらにせよ心を動かすことで
刺激を貰ったり
フラットな自分に戻れたりする場所。
館内も清潔な感じがして
建物全部と対峙している感覚だ。

作品と向き合ったとき、
心の揺れに合わせて
作品を見つめる時間が変わったりする。
長く見つめるものもあれば、
目を背けたり 興味が湧かなかったり。

ところが、写真を撮ることのできる展示では
「わー、すてき!」パシャ
この2つのプロセスで完結してしまう。

作品を長く観ることが素晴らしきかな、と
言っている訳ではなく
自分が満足することをゴールにすべき所を
写真を撮ることをゴールにしてしまっているな、
と今回の美術館めぐりで ふと思った。

しっかり満足した後に、気に入った作品や
残しておきたい作品の写真を撮れるなら
それがBESTな気もするけど、
集中力が落ちてくると 目的と手段が
簡単に逆転してしまうんだよなぁ。


もちろん、美術館の楽しみ方は人それぞれ。
その選択肢が増えていることについては
素敵な事だと思う。

自分の心地よい過ごし方を見つめ直して
みたいと思う。

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