見出し画像

【マッチレビュー】Bリーグ 23-24 B1第23節 GAME2 群馬vs大阪


GAME1のマッチレビュー

ロスター

群馬クレインサンダーズ

大阪エヴェッサ

スタメン

群馬クレインサンダーズ

大阪エヴェッサ

試合結果とボックススコア

1Q 群馬21-19大阪

2Q 群馬52-40大阪(群馬31-21大阪)

3Q 群馬78-57大阪(群馬26-17大阪)

4Q 群馬89-80大阪(群馬11-23大阪)

ユニットを色分けした大阪と群馬が打った布石

スタメンは両チーム共にGAME1と同じ。フリッピンが3ptでオープニングの得点を決めると、群馬は初期配置を狭い間隔でセットし、ペリメーターのエリアを起点にオフェンスを組み立てる。先に大阪のディフェンスを収縮させることで、フリッピン、パーカーがコーナースリーを決めるなど、インサイドへの収縮→エンドライン沿いでのオープンショットという理想的なオフェンスのリズムを作っていく。

大阪はスタメンのユニットにおいては橋本のドライブインを軸に、ハマーがセカンドチャンスから得点し、インサイドをメインした攻めを見せる。一方で、セカンドユニットにおいては橋本、田嶋らバックコート陣のボールホルダーに対し、ロングがスクリーンをかけるPnRからハーフコートオフェンスを展開。並行してファストブレークを仕掛けては木下が3ptを決めるなど、ユニットにおける特色を生かしたゲームコントロールを大阪が披露する。

セカンドユニットからは、インサイドにおいて依然存在感を発揮するロングに対し、群馬は1Qはノーファールでのディフェンスを敷き、ファールトラブルに陥ったGAME1からファールマネジメントの面で修正を図る。逆に大阪は1Qからチームファールがかさむ事になり、フリースローと2ビッグのハイローで加点した群馬が2点をリードして2Qへ入ると、2Qは一転して3ptの打ち合いに。大阪は合田、群馬はベンティル、ジョーンズが決め合うことになる。

ロング対策として、ターズースキーとベンティルの2ビッグの時間帯と、1ビッグにパーカー、ジョーンズを加えたオンザコート3の両方の時間帯において、1Qと打って変わりファールも辞さない激しいディフェンスを敷く群馬であったが、インサイドでのロングのパワーは群馬のディフェンスを凌駕する。しかしながら、あくまでもロングという大阪オフェンスの起点への対策を優先した群馬は、自らのポゼッションにおいてはペースを急激に上げて行き、ジョーンズ、ベンティルのペネトレイト、3ptで手を緩めずリードは譲らない。

大阪もカロイアロが3ptを決めて食らいつくが、インサイドにおいては群馬の厳しいディフェンスに対しタフショットが増え、ジョーンズ、ベンティルの攻撃性能を最大に生かす群馬のペースアップに対し、劣勢を強いられる流れとなる。前半から猛攻を仕掛けた群馬が12点をリードして試合を折り返す。

攻勢の手を緩めない3Qの群馬

後半のスタートは両チーム共にスタメンからはメンバーを代え、大阪はロング、カロイアロ、橋本、合田、鈴木でインサイドを重視。群馬はベンティル、パーカー、ジョーンズ、辻、フリッピンの編成を組み、こちらは2Qに引き続き攻撃に重点を置くことになる。フリッピンの3ptで先制すると、後半もオフェンスのギアを落とさなない群馬は、激しいディフェンスからファストブレークを積極的に繰り出しつつ、ハーフコートオフェンスにおいてはベンティル、ジョーンズがリムアタックでロングのファールを誘い、試合の主導権を完全に掌握。3Qのオフィシャルタイムアウトまでに、19点のリードを奪う事になる。

オフィシャルタイムアウト明けにロングを下げた大阪は、ハマー、竹内、カロイアロの3ビッグに加え、飯尾、田嶋を加える。一方、同じメンバーを継続した群馬は引き続き打ち合う構え。田嶋がスクープショットを決めて、大阪のオフェンスを落ち着かせようと試みるも、群馬は直後に辻が3ptを決めるなど、あくまでも殴り合いを継続する。残り3分を切った場面では、ターズースキー、ベンティル、八村、辻、並里のビッグラインナップへ切り替えてインサイドのアドバンテージを取ると、八村の3ptで群馬が21点をリードし4Qへ。

大阪が巻き返したクロージングの攻防

3Q終盤に足を痛めたベンティルがベンチへ下がり、ターズースキー、パーカー、八村、菅原、並里のラインナップで4Q臨んた群馬。対してロング、竹内、ハマー、飯尾、田嶋と3ビッグを形成する大阪が、20点の点差の中でせめぎ合うスタートに。4Qの立ち上がりはオフェンスの精度を欠いた群馬に対し、猛攻を仕掛けた大阪が優勢となる。ショットクロックギリギリに橋本がバンクシュートを沈めれば、木下の3ptを決めるなど、怒涛の追い上げを見せた大阪が、4Qオフィシャルタイムアウトを迎える段階で11点差まで追い上げることになる。

オフィシャルタイムアウト明けにはスタメンへ戻した群馬は、オフェンスにおいて局地戦を選択。橋本とマッチアップするジョーンズの1on1を徹底しながら、エースを起点に確実性の高いオフェンスをセレクトする事で流れを引き戻す。群馬はディフェンスにおいてはマンツーマンを敷きながら、ペイントエリアではダブルチームを仕掛けるが、収縮したディフェンスに対して大阪は木下の3ptで、外から攻略していくことになる。

終盤は3ptが当たり始めた大阪が主導権を握るも、3Qまでのリードを生かし10点差を守りきった群馬がクロージングに成功。バイウィーク前ラストとなる試合で6連勝を達成した。

雑感

前半に耐えて後半にまくる、という直近5連勝の勝ちパターンから一転、群馬が前半から攻勢に出て獲得したリードを終盤守り切る展開に。

3pt:群馬53.6%(15/28) 大阪52.2%(12/23)

前半に63.2%(12/19)と、成功数、確率共に驚異的な数字を叩き出した群馬がゲームを先行。大阪は共に4本ずつ3ptを沈めたカロイアロ、木下を中心に4Qで追い上げを見せ、最終的な3ptのスタッツは群馬に肉薄。だが、2Q、3Qで喫した大量ビハインドが仇となり、リードチェンジには至らずタイムアップとなった。

群馬は、1Qの立ち上がりでペイントエリア付近でコートを狭く使い、慎重にオフェンスを形成。これが布石となり、大阪のディフェンスがペイントに収縮したところで、フリッピンがコーナースリーを決めて先陣を切ると、そこからギアを上げ続け2Qでの殴り合いに打ち勝つことになる。3Qを勝負所と見極め、スタートのメンバーにベンティルを加えたラインナップを継続し、勝負を決め切る見事なゲームコントロールを見せた。

大阪とのタフな連戦を乗り切り、バイウィーク前にクラブ史上初となるB1での6連勝を達成した群馬クレインサンダーズ。シーズン21勝18敗と、一気に勝率5割の壁を突破し、激戦と化しているCS出場のワイルドカード戦線に望みをつなぐことになる。

この記事が参加している募集

Bリーグ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?