見出し画像

【マッチレビュー】第99回天皇杯 決勝 2024 3/16 琉球vs千葉J


ロスター

琉球ゴールデンキングス

千葉ジェッツ

スタメン

琉球ゴールデンキングス

千葉ジェッツ
※ボックススコアを参照ください

マッチプレビュー

琉球ゴールデンキングス
■B1西地区1位(30勝12敗)
■OFFRTG(100ポゼッションでの平均得点)
 …115.6(B1全体4位)
■DFFRTG(100ポゼッションでの平均失点)
 …108.4(B1全体12位)
■備考
 直近のリーグ戦は、地区首位同士の対決でもあった三遠戦の連勝を含む7連勝。
 カークの帰化後はダーラム、ローとの強力オンスリーでスタメンを形成。クーリー、今村がセカンドユニットに回るという、とてつもない質の高さを持つタイムシェアを完成し、終盤へ向けてスパートをかけている。
 レーティング上では攻撃型だが、平均ディフェンスリバウンドはB1全体7位と強さを見せる。

千葉ジェッツ
■B1東地区3位(27勝15敗)
■OFFRTG(100ポゼッションでの平均得点)
 …114.7(B1全体5位)
■DFFRTG(100ポゼッションでの平均失点)
 …109.8(B1全体15位)
■備考
 今週初めにEASLを制覇。リーグ戦は直近で群馬に連勝を止められたものの、年明けは14勝2敗と破竹の勢い。
 天皇杯準決勝でも宇都宮に大逆転勝利を収めており、トーナメントの実戦を勝ち抜きながら、琉球共々シーズン終盤へ向けて急速に練度を高めている印象。
 サイズはそれほどでもないがムーニー、クックスを中心に平均リバウンドはB1全体7位と、こちらも強さを見せる。

昨シーズンの決勝と同一カードになりました。レビューも書いてます↓

試合結果とボックスコア

1Q 琉球 21-25 千葉J

2Q 琉球 32-48 千葉J (琉球 11-23 千葉J)

3Q 琉球 49-85 千葉J (琉球 17-37 千葉J)

4Q 琉球 69-117 千葉J (琉球 20-32 千葉J)

シンプルisベストなDF

琉球はSGに小野寺を起用し、岸本、ロー、ダーラム、カークのスタメン。千葉Jはスミスがスタメンに抜擢され、富樫、原、ブラウン、ムーニーというラインナップで迎え撃つ。

立ち上がりからゾーンを敷く千葉J。琉球のポゼッションを止めつつ、3ptとFTで連続得点を決めるスミスの活躍により、5-0のランに成功。琉球も岸本の3ptを皮切りに、8点のランでやり返すことに。1Qは拮抗しながらも千葉Jは原の3pt、琉球はセカンドユニットから入って来たクーリーがインサイドからやり合い、ハイペースな試合展開へ。

琉球の保持局面における千葉Jは、スクリーンに対してはミスマッチもいとわず、オールスイッチのディフェンスで対応。サイドライン沿いにボールが入った際には、ダブルチームでブリッツを仕掛ける。ハーフコートディフェンスの決め事はこのようにシンプルながら、シーズン後半へ向けて磨き上げた練度と機動力の高さで、琉球のオフェンスをシャットアウトすることになる。

圧倒的なディフェンスで琉球を押さえた千葉Jは、富樫の3ptで外から射抜けば、クックスもリムアタックを仕掛けるなど、持ち前のオフェンス力が火を吹き、2Qで琉球を圧倒。千葉Jが16点をリードして試合を折り返す。

スペーシングの魔法

3Qで巻き返したい琉球は、クーリー、ダーラム、今村、松脇、岸本という、昨シーズンから継続したメンバーをコートに送る。千葉Jはスミス→クックスと、こちらはスタメンから一枚替えで臨むことに。富樫がバックドアカットからレイアップを決めて千葉Jが先制し、琉球は即座に岸本のフローターでやり返してスタートする。

3Qの千葉Jは、オフェンスにおいてトップオブザキーでのハイピックを徹底。ムーニー、ブラウンらビッグマンがハイピックを仕掛けることで、5outの形からペイントエリアにスペースを作ると、空いたペイントエリアへPnRでムーニーが侵入すれば、スミスがペネトレイトで突いてバスケットカウントを沈めるなど、魔法のようなスペーシングの妙を見せた千葉Jが、琉球を突き放していく。

苦しい時間が続いた琉球は、千葉Jのシンプルながら機動力の高いハーフコートの攻略に苦戦し、大きなビハインドを背負ってしまう。前がかりな千葉Jのディフェンスに対し、ロー、クーリーがリムアタックを仕掛けにいくが、オフェンスの連続性を欠き、タフショットからのディフェンスリバウンドを千葉Jに回収されることになる。

スタイルを貫きタイトルを防衛

千葉Jが36点をリードして4Qへ入ると、ローの3pt、渡邉のフリースローでオフェンスを立て直す琉球。だが千葉Jもペースは落ちず、ハイピックは継続しながら、金近、富樫、ブラウンが3ptを決めていくなど、巧みなスペーシングを軸にしたオフェンスのスタイルを、最終クォーターも貫くことになる。

昨季のリベンジに懸ける琉球は、岸本のフローター、ダーラム、田代のアタックで意地を見せるが、千葉Jは小川の3pt、ムーニーのバスケットカウント、スミスのファストブレーク、金近の3ptでその都度やり返しながら、打ち合う事を止めず。

最後までスタイルを貫いた千葉Jが、ライバル琉球との大一番に勝利し、第99回天皇杯優勝に輝いた。

あとがき

試合を見ての感想は、兎にも角にも"千葉J強かった"が先に立つ。

プレビューにも書いた通り、琉球はオフェンシブレーティングにおいても、B1で4位とリーグ屈指の攻撃力を持つチーム。琉球の強力なオフェンスを抑え込んだ千葉Jのディフェンスは、前述の通り、シンプルでありながらベストと言える。

試合開始からのオールスイッチによって、琉球に対して"あれ、今日はマークが振り切れないな…?"と思わせる程の強烈な先制パンチを叩き込むことで、試合の主導権を手繰り寄せた千葉J。ポゼッションにおいては魔法のようなスペーシングで畳みかけ、見事な勝利を掴むことになった。

敗れた琉球としては、リベンジに懸けた中で非常に苦しい試合に。

千葉Jのディフェンスに対する有効的な攻略の糸口を掴むことが出来ず、狂った歯車はディフェンスにも影響。昨季から続く天皇杯のリベンジはリーグ戦、そしてその先のチャンピオンシップに持ち越すことになる。昨季もこの天皇杯決勝で千葉Jに敗れた琉球は、チャンピオンシップファイナルの大舞台で千葉Jに逆襲。今シーズンも終盤戦に向け、巻き返しに期待がかかる。

国内最高峰の大会である天皇杯の決勝。激闘を見せた琉球ゴールデンキングス、千葉ジェッツの両チームに対し、改めて拍手を贈るとともに、厳しい日程の中、EASLとの2冠を達成した千葉ジェッツの偉業を称えたいと思う。

千葉ジェッツ優勝おめでとうございます。

お読みいただきありがとうございました!よろしければ、記事の↓スキ❤️とnoteのフォローをよろしくお願い致します!

この記事が参加している募集

Bリーグ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?