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【マッチレビュー】Bリーグ 23-24 B1第15節 GAME2 SR渋谷vs群馬


ロスター

サンロッカーズ渋谷

群馬クレインサンダーズ

スタメン

サンロッカーズ渋谷

群馬クレインサンダーズ

試合結果とボックススコア

1Q SR渋谷24-18群馬

2Q SR渋谷36-34群馬 (SR渋谷12-16群馬)

3Q SR渋谷64-49群馬 (SR渋谷28-15群馬)

4Q SR渋谷89-60群馬 (SR渋谷25-11群馬)

試合展開

GAME1に引き続き両チーム共に同じスタメンで臨む。立ち上がりは自らのポゼッションで得点を決めきる群馬がリード。ディフェンスにおいては2-3ゾーンを敷く群馬に対し、SR渋谷もインサイドからケリー、アウトサイドからクレモンズ、田中が得点を積み上げ、GAME2も打ち合いの展開となる。

局面によってマンツーマンを併用する群馬に対し、SR渋谷はPnRとキックアウトからオフェンスを動かしてリズムを作ると、リードチェンジに成功。ディフェンスの強度も高めながら群馬のターンオーバーを誘発させ、徐々に主導権を握ることに。田中がジェイルからのリムアタックでバスケットカウント&ワンスローを決めるなど、1Qでのリードを広げていく。

1Q後半の群馬はハイポストのベンティルからオフェンスを展開。ディフェンスを収縮させたところでフリッピンが3ptを沈めると、ベンティル自ら3ptを決める。群馬が追い上げる流れを作りかけるが、終了間際にはSR渋谷は田中がダブルクラッチを沈め、6点のリードを奪い2Qへ。

2Qは引き続きベンティル、パーカー、ジョーンズのオンザコートスリーを敷く群馬に対し、こちらもスタメンのオンザコートスリーへ戻したSR渋谷。群馬はローポストからベンティルの1on1を中心にオフェンスを組み立てる一方、SR渋谷はパス&ランから古巣対決となるチェンバースがカットインするなど、人数をかけたオフェンスを展開し、フル2ポゼッションのリードをキープする。

2Q後半は両チーム共にオフェンスが停滞する中、群馬はペリメーターで勝負した辻が粘り強く得点していく。SR渋谷はローポストからケリーのバンクシュートで応戦するも、辻がファールドローからのフリースローを決めれば、ベンティルとターズースキーがハイローでゴール下を攻め、群馬が同点に追いつくことになる。

2Q終盤は群馬のターンオーバーもあり、SR渋谷が2点リードで折り返し後半に突入。入りから両チーム共に強度の高いディフェンスを見せる展開の中、SR渋谷はホーキンソンのゴール下シュートで先制。群馬は辻の連続3ptで返して同点に追いつくも、田中、ケリーがリムアタックとジャンプシュート、3ptで冷静にポゼッションを生かしきり、群馬に対しリードチェンジは許さない。

3Q後半はPnPからのホーキンソンの3ptが決まり、SR渋谷が10点のリードを奪う。群馬もベンティルがロングツーでやり返すが、同じシチュエーションからホーキンソンが連続で3ptを沈めて、SR渋谷がリードを広げることになる。SR渋谷のゾーンディフェンスに対する有効な策が打てず、オフェンスが停滞した群馬は、ターズースキーのバスケットカウント&ワンスローで返すも、SR渋谷はベンドラメの3ptが決まり、群馬が14点のビハインドを背負って4Qへ。

4Qはベンティル、ジョーンズ、八村、フリッピン、菅原のスモールラインナップで臨んだ群馬。SR渋谷はホーキンソン、ギブス、田中、クレモンズ、ベンドラメを送り出す。マッチアップとなったベンティルとギブスが決め合った所から試合はテンポアップし、SR渋谷はホーキンソンが3pt、群馬はジョーンズのペネトレイト、フリッピンの3ptで打ち合う展開に。

SR渋谷はホーキンソンのペイントアタックを皮切りに、ベンドラメのパスからケリーがダンクを決めれば、アウトサイドからは田中が3ptを沈めるなど、怒涛のオフェンスでリードを広げてオフィシャルタイムアウトへ。4Q後半は20点のリードを奪ったSR渋谷が時間を使いつつ、パスで展開しながらオープンシチュエーションを作り出し、津屋、小島が3ptを決めてリードをさらに広げていくことになる。

互いにベンチメンバー主体となったガベージタイムでは、群馬は野本がフォローアップシュートを決めるも、SR渋谷は津屋が3ptで締めてゲームをクローズ。第15節はホームのSR渋谷が連勝し、勝率5割を達成。群馬は重い重いシーズン15敗目を喫することとなった。

雑感

GAME1に引き続き高い集中力で勝負所を乗りきったSR渋谷に対し、群馬はまたしてもゲームを制御できず。CS出場に向けては黄信号ゾーンに入る15敗目を喫してしまうことに。

群馬のゲームコントロールという観点で言えば、例えば1Qの終盤の残り17秒、ベンティルがギブスからボールを奪取したあとの群馬ポゼッションの局面においては、時間を使い切りながらシュートで終わることが出来れば、少なくともその後のSR渋谷のポゼッションは発生せず、被カウンターから失点することはなかったはずである。

1Qでわずか4点のビハインドというシチュエーションを考えれば、10秒というまとまった時間を相手ポゼッションに残してシュートを打つのではなく、最後にシュートを決めようが決めなかろうが自らのポゼッションで時間を使い切ってクォーターを終えることこそが、あの場面でやるべきコントロールだったのではないだろうか。ディフェンスにおいてタイトにプレッシャーをかけることも大事だが、そもそも相手にポゼッションを与えないマネジメントが、ああいった局面における最大の防御となるだろう。

また、2Q残り1分を切り同点だった群馬ポゼッションの局面においても、サイドライン際のPnRで攻め急がなければ、その後のターンオーバーからのイージーツーによる失点も防げたはずである。3Qはより苦しい展開になり点差が開いてしまったが、上記のような前半の勝負所で群馬が喫したターンオーバーは布石として間違いなくターニングポイントになったと感じたし、こういった細部での精度、練度が上がってこなければ、上を目指すのは率直に言って厳しい。

良い時はハマるが、競った状況、苦しい状況でも土俵際で耐えるためのゲームコントロールの部分は、群馬がチームとして最優先に向上するべき課題であるということを痛感した試合でもあった。

CS出場という観点で言えば、ラインとなるのは

・東地区2位以内のストレートインであれば45勝15敗(勝率.750)
・ワイルドカード残り2枠を争うのであれば40勝20敗(勝率.666)

というのがシーズン前から個人的におぼろげに感じていた目安。ストレートインに関してはA東京、宇都宮がほぼこれに近い勝率で推移していることからも、ここから先の敗戦は重くのしかかってくる。ワイルドカード争いで見れば、想定よりややラインが下がってくる可能性もあるが、まずは勝率5割、そこから先の勝率6割というところを最低限クリア出来なければ、厳しい状況となることに変わりはない。

23-24シーズンのチーム目標は、"CSに出場して、その先の頂に"

状況は率直に言って厳しいが、可能性が残されている限り、掲げた目標へ向かってはチャレンジすべきだと感じているし、精神論のようになってしまうが、諦めずにチャレンジすることは、例え近々にその目標を達成できなかったとしても、必ずその先に繋がると信じている。

2023年はオープンハウスアリーナ太田がオープンし、クラブにとって大きな変革の年を迎え、関係者の皆さま、ブースターの皆さま、1年間本当にお疲れ様でした。来年もファンの端くれとして、また一緒に戦わせてください。来年もよろしくお願いします。

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