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アメリカ経済が減速しない3つの理由

いずれ下がると言われ続けながら、いまだに強いアメリカ経済、インフレ率。その理由・背景について考察しました。主に3-4つ理由があると思います。


❏ なぜアメリカ経済が止まらないのか?

2022年3月に利上げが開始され、2022年夏からインフレ率の鈍化が始まり、早々にアメリカ経済はリセッションに陥り、早ければ2023年初頭にも利下げが始まる。

そのような予測がかつてありました。しかし、2024年5月になっても利下げが始まる見込みは低く、FRBは利下げの可能性を示唆しつつも、年内に始められるかどうか?という雰囲気です。

アメリカ経済が減速することについて、そしてFRBが利下げへ舵を切る時期について考察することは、FXトレードで不可欠です。ここで考えて参りましょう。


❏ ベージュブック(地区連銀景況報告)

▶ベージュブックとは?

米国にある12の地区の連邦準備銀行が、それぞれ管轄する地区の経済状況をまとめた「地区連銀経済報告」を指します。表紙の色がベージュ色であることから、こう呼ばれています。全米の経済情勢についての総合判断の他、消費支出、製造、金融サービス、不動産、雇用などの各項目の状況について説明されています。年8回開催されるFOMC(連邦公開市場委員会)の2週間前の水曜日に発表され、金融政策を変更するかどうかの判断材料に用いられます。(引用:SMBC日興証券)


▶2024年5月29日発表 ベージュブック要旨

ベージュブックを要約したマインドマップ

現在のアメリカ景況感をレポートする、タイムリー&最重要の経済レポートがベージュブックで、それによると「アメリカ経済は微増」ということです。そのうえで「米消費者は価格に敏感になった」とも示唆されています。つまりインフレ鈍化の示唆されました。
とはいえ、アメリカ景気は依然として強く、今すぐ利下げがおこなわれることはないでしょう。

本項では、依然として強いアメリカ経済は、3つの理由で支えられているという話をします。


❏ アメリカ経済を支える3つの理由

①移民問題

1つは「南米などから流入を続ける米移民(不法移民含む)」です。2022年の合法的移民は260万人。2023年の不法移民を試みた数は720万人になるそうで、毎年数百万人も人口増がつづきます。
不足する住宅供給が発生して不動産バブル(高騰)が発生しており。現在でもケース&シラー住宅価格指数(3月)は「+7.4%」と、CPIの2倍のペースで価格上昇しています。

②若者の消費傾向

パンデミックで受けた心傷や高騰するインフレ率から、アメリカの若者は「今を愉しむこと」に価値を置きはじめています。ゆえに貯蓄や将来への備えでなく、目先の消費を優先するため消費データが強さを保っているという分析がでています。
ただこれは、彼らの財布が尽きたとき恐ろしい現象を読み起こすというリスクもはらむのですが。

③AI革命

AI(人工知能)の活用が進み、社会の生産性が激増しています。たとえば生成AIでは「漫画家が1時間かけて描く絵」を数秒で書けます。OpenAIをつかえば「時間がかかる調べもの」を数秒で終えることができます。
今まで組織がマンパワーを使ってしていた仕事を、個人でもこなせるようになってきました。AIインフラ導入も盛んで、これが経済の底上げになっているようです。


もちろん、他国でも同じ事は起こっていますが、AIを社会構造に組み入れるのはアメリカが最も進んでおり、恩恵を受けています。


❏ まとめ

アメリカの景気はたしかに減速しつつあります。しかし5.25%という抑圧的な政策金利であると踏まえれば、極めて強い状態を保っていると言えるでしょう。

その理由としてこの3つが代表的であると考えられます。
もしかすると、「中国の製造業の多くを排除したこと」も4つめの理由として挙げてよいかも知れません。

これらがアメリカの強さを支えたとすると、これらが崩れたときにアメリカの強さも崩れることになるでしょう。投資をする際のポイントになりそうです。


記事は以上です
Fundalia financial

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