子供はわかってあげない / 田島列島
だれかになにかをしてあげること、してもらうこと。そのつながりの愛おしさに気づくことのできる期間なのかもしれない。(反面教師的にも)
6月に劇場公開が決定し、話題になっている田島列島さんの『子供はわかってあげない』。田島列島さんといえば先日、手塚治虫文化賞を受賞したことでも話題で、まさに「来ている」漫画家の一人です。
ただ、こういう世への出方をするときにはたいてい作品に「偏見」がかかりがちだと思います。まーた資本主義社会で記号的に消費されていくタイプの作品が出てきたかと。
そんなことを若干僕自身考えながらも、設定や絵柄が「好み」だったこともあって軽い気持ちで読んでみました。一回目読み終えた時は
ああ、いい作品読んだな…。
というくらいの感想でした。満足度はもちろん相当高かったです。上下巻だったこともあったので、すぐそのあとに二回目の読みに入りました。読み終えた途端、
これは素晴らしいよ!名作だよ!!
という気持ちに変わりました。なにげなく、なんにも考えずに読んでも「面白い」し、2回目じっくり考えながら読んでもまた違う「面白さ」に気づけちゃうんです!
この作品の面白さはいわゆる「マンガ的な面白さ」だと思います。
テーマは重い・深い。
絵柄(文章でいうところの「文体」みたいなイメージを持っています)は柔らかい。
ことばはシンプルでユーモアにあふれる。
量・構成は練りに練られている。
諸々違うのは重々承知の上で、『3月のライオン』好きな方にはハマるかもしれません。
悪い意味だけでなく良い意味でも「偏見」は持ってほしくないので深くは触れられません。(くちをし!)
その代わり、心に残った言葉をいくつか紹介して結びにさせていただきます!(文脈から切り離されると意味不明な言葉もあります。それを含めて大好きです。ネタバレにはならないよう最大限配慮してカットしたものも多々ありますので…)
人は教わったことは教えられるんだよ。
ああ~~…いい…!!少年が男になる瞬間…!
とにかく先手を打つことだからな 人生は お前がもし今なんか苦しいって思ってるんだったらそれは後手に回ってるからだ 一回引いてまたやりなさい
だめだこりゃ
わくわくするようなこと!
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