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ウェブマーケティング不要論は半分正しくて半分間違っている。必要なウェブコンサルタントを見つけ出すには

こんにちは。名古屋を中心にウェブ制作、マーケティング、商品開発、企画、釣り事業マーケターなどなんやかんややっているUtility-arts.comの大林と申します。記事の最後にリンクなどまとめておりますので良かったらそちらもご覧ください。

怪しいよね、ウェブマーケティングって(共感とブーメラン)

先日公開した記事「中小企業支援のウェブマーケティングは結局なんでもぶつける総力戦に至るし、コンサル側が連鎖的な周辺業務に対応できなければ成果が遠のく」は実際のクライアント、仕事仲間の面々には好評だった。反面、note上ではそれほど、という感じだったのは、単純に話が長いことと、内容がストイックなのと、一部業界から反感を持たれそうな内容だったのと、こいつなんか気持ち悪いな感がにじみ出ていた可能性が否定できない。

しかし、あれは率直な意見であり、自らの仕事上の基本指針である。今回も結局濃厚になってしまった。

ところで、表題のとおり、巷ではウェブマーケティング不要論がとなえられている。一方で、ウェブマーケティングの重要性を唱える人もいる。

色々見ていて思うのは、「関わったり知っているウェブマーケター、コンサルタントの人間性とパフォーマンスと知識量」によって全く逆の印象に繋がっているのだろうな、ということ。なので、半分合ってて半分間違っている、というタイトルにした。

「オンラインスクールで副業ウェブコンサルタント」という危ういスキームと、マジで何やってるかわからないウェブコンサルタント

ウェブコンサルタントというのは国家資格でもないし、いつでも名乗ることは自由である。ウェブ解析士のような民間資格もあるし、Googleの各種認定資格はそのコンサルタントの知識を推し量る上で参考にはなるが、必須でもない。

正直に告白するとウェブ解析士持ちではない私が言うのも何だが、特に資格を保有しているいないにかかわらず、ウェブコンサルタントというのは玉石混交。例の記事でも書いたように、ウェブマーケティングを成功に導くためには、ウェブ上の施策(ボタンの色を変えるとかミクロなSEO施策をやるとか)だけでどうにかできるようなものではない。しかしミクロ施策しか提案できないウェブコンサルタントはうじゃうじゃ存在するようだ。

ウェブだけにとどまらず、経営企画、販売戦略といった通常の定義におけるマーケティングや関係者との信頼関係構築、意識発揚などにも積極的に関わっていかなければ本当の成長路線を手に入れることは難しい。

クライアントの事業内容やビジョンに深く理解しようという気持ちがないウェブコンサルタントはGA4のアクセス権限をクライアントに開示せず、あーだこーだとデータをこねくり回す。「お問合せフォームのページを”表示”したらCV」ってどんな設定だよwwwwwやめろwwwwwそんなことあるんかwwwwと思ったが、あるんだな、これが。ホラーだ。

このように、雨後の筍のように湧いてくるウェブコンサルタントが不要論をぶつけられても仕方ないようなことをやっていたりする。

結果の自己評価がザルなウェブコンサルタントと共依存に陥る情弱クライアント

やっぱり止められなかった、辛口w

施策の結果なんて、よっぽどこれまで何もしてこなかった事例でもなければ目覚ましいほどよいことは早々起こらない。大体、横ばいか、微々たるプラマイ。その中から仮説を立てられる要素を見つけ出し、問題提起、施策の見直し、とPDCAを回していくサポートがウェブコンサルタントの本質だと思うので、成果が出たという話はかなりあとの話になる。だから、クライアントとの信頼関係構築が必須。都合の悪いデータも含めてありのままに診断して提案することができなければならない。

ところがそこの認識が甘く、クライアントとも共有できていないとインスタントな誤差範囲の変動を褒め称え合ったりする。+200%ですね!やった!お問い合わせページの閲覧数の月間1が3になった!みたいな。でも売上変わってないよね?みたいな。
母数のスケールによって比率の大きさなんて変わるんだから、そこが開示されて、同様な事例と比較しない限りはあてにならない指標だ。

で、クライアントも勢いに押されて、お、おう、すごいな、となったりしていないだろうか。いやいやそんなことあるわけないやろ!と言いたくもなるが、友人筋などから聞く話によると、あるらしい。マジか。

一般的にコンサルティングが信頼されない理由として、「結果責任を負わない」という例が多い。当事務所でも契約書には結果責任を負わない点は明記している。助言や提案はするけど採用するかどうかはクライアント様の判断ですよ、と。これは釣りのガイドや釣り船業とも似ている。サポートはするけどやるのはあなただし、その結果はあなた次第ですよ、ということだ。

(うちの場合は、あえて「確信しているのでやらせてください」と責任を負う宣言をすることも例外的にはある。その場合コンサルではなく、実務の個別契約なのでコンサルティングが結果責任を負うかどうか、という話とは別の個別契約に対する責任となる)

説明責任はあるんですよ、間違いなく

結果責任を負わないにしても、説明責任はある。お客様に「なぜ?」と聞かれたら極力即答できるように準備する責任があるし、調べてでも回答する責任がある。なので、ウェブコンサルタントにはどんどん質問しましょう。クライアント側も鋭い質問ができるようになっていったほうが間違いなく良いです。

できれば初回ヒアリングのうちに、ウェブコンサルタントに色々質問していくことをおすすめしたい。つまりクライアント側もわからないなりにわからない点を色々調べて整理してリスト化しておくのが望ましい。それはそのまま今後の改善目標になるかもしれないし、まともなウェブコンサルタントなら明確な目標を与えられたと理解するはずである。

「なんでGoogle Analyticsの見方を教えてくれないんですか?」
「なんでグーグル広告のクリック単価を安くできないんですか?」
「なんで通販BtoBなのにMEOにそんなにお金をかけないといけないんですか?」
「なんで社長がTikTokで踊らないといけないんですか?」

みたいな感じがおすすめである。「なぜなに法」はマーケティング戦術においても有効なので、言語化しておくことは一石二鳥だ。できれば「それによって現状の数値がどう変化することが予測できますか?」という二の矢を放ちたい。三の矢はもちろん、「推定されるKPIへの影響は?」だ。

過去実績の「数」で勝負する、というのはちょっと危険信号。内容とストーリーをよく聞き出そう

あとは、過去実績についてその解説(問題設定から一通りのPDCAを説明してもらう)を求めるのが良い。やけに大きな数字が出てきたら、「その数字って目標(KPI)にどの程度貢献しましたか?費用対効果はどうでしたか?」と質問するのをおすすめしたい。守秘義務もあるが、可能な範囲でその妥当性を説明できているかをチェックしよう。

ただし、20~30代のコンサルタントが過去何百社、何千社もやっているというのは、それだけ1社あたりにかけた時間が短いということでもあるので注意したい。どれだけ効率化しても「中小企業のウェブマーケティング」で一人ががっちりコミットする前提で同時に抱えられる案件は10件くらいが天井じゃないでしょうかね。よそのことはよくわからんけど、うちはそんな感じです。コンサル業務だけではなくサイト制作や講義とかもあるので実際はその半分くらいが天井だけども。

そもそも何を質問していいか、分からない!(わかる)

とはいえ、少なからず現実はこうだ。

ただ、わからないことは恥ずかしいことではなくて、今後わかっていけばいいことだし、分からないから質問のしようがない、という結論に至っているのは誠実に考えている証拠でもある。それをそのままウェブコンサルタントにぶつけてみて、言語化、具体化をちゃんとできるか、煙に巻こうとしていないか、をよく観察するといいだろう。

ここまでのチェック内容について来られないウェブコンサルタントはちょっと怪しいぞ

というのが本音だ。
提言内容の妥当性と過去実績の説明責任を果たそうとしているか、一次データの開示が当然と考えているか、費用対効果について信頼に足る評価をできるか。そしてクライアント側の事業についての理解を深めている、あるいはしっかり取材しに来ているか。

今後長くお付き合いする相手であるから、人間的な相性もよく観察しておきたい。いくら凄腕でも毎月会うのがしんどい、では続かないだろうし。

情弱ビジネスとしてのウェブマーケティングという害悪

ここまでの内容をクリアできるウェブコンサルタントは私より優秀なので多分引っ張りだこである。少なくともテレアポなどはしてこないというか、テレアポという時間とコストを掛ける方法での集客をやるメリットが薄い。実際、あるクライアント企業にテレアポからの訪問でやってきたウェブコンサルタントに対してクライアント側の人間として対応したことがあるが、詳しく内容を聞こうとしたら逃げ帰ってしまった(このような例は結構あって、それからウェブ用心棒、と名乗っている)。

このような営業にうんざりしていてウェブ業界への印象は悪いし、ウェブマーケティングはその不可視性ゆえに、ブラックハットSEO屋の新たな「シノギ」として悪用されている実態がある。

それでウェブマーケティング不要論が出てくるのは致し方ない。イメージが悪すぎる。ただし、そうした悪印象で本来のウェブマーケティングの可能性に蓋をしてしまうのはもったいない、と言いたい。

専門家集団を組織し使いこなそう

私としては、中小企業側が情弱ビジネスから自己防衛できるようになって欲しいと強く願っているし、信頼できるウェブの専門家を抱えておくことでその防衛体制を作り、かつウェブマーケティングの効果によって事業の発展を目指していくことができればきっと役立つと思ってこの分野の仕事をしている。

正直言って、数ヶ月だけ見てもらって終わり、という関係性で十分な成果が期待できるかというと、なかなか難しい。そうしたレイヤーでの関わり方しか求めないのであればウェブ上の数値だけ見るコンサルタントに意見を仰ぐのも良いが、企業の目線と顧客の目線に立って本質的に業務の成長に貢献するウェブコンサルタントと出会うことができたら、かかりつけ医のような持続的な関係性を求めたくなるのではないだろうか。

コンサルのゴールは「卒業させること」だけども

そのとおりである。出口戦略を持たなければ誠実なコンサルタントとは言えない。いわゆる経営コンサルタントはそのとおりだと思う。しかし、ウェブコンサルタントの実態として、長期的に企業の準スタッフとしての役割を期待されることも少なくない。「じゃあそろそろ…」というと、「いやちょっとまってくれ」と言われることがある。

これが一種の落とし穴で、なあなあと共依存に陥りやすいのだが、だからこそ「定期的な戦略の評価と成長に伴う次の仕事への展開」を繰り返していく関係性をもちたいもの。伴走型支援とは聞こえがいいが、ステージの変化が伴わないと腐れ縁になってしまう。

集客→チームづくり→業績拡張→評価→別事業スタートアップ→集客(以下略

のように、ステージが変化していくよう動いていきたい。

必要なんだけど不必要なものが溢れかえっている、ということ

ウェブコンサル業界も人材不足であることは間違いないが、ウェブコンサルを名乗るなにかが業界イメージを毀損している。このミスフィットは続くだろう。

どうか、本来の定義におけるウェブマーケティングの基礎に目を向け、その可能性と必要性を学んでいただき、その意識を身に着けた賢明な貴社の目標達成をサポートできる人材と出会ってほしいと思う。

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