へんでふつう わたしたちの10年を話しあう

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展覧会スタッフコラム③:芸術の存在意義

芸術ってなんで存在するんだろうと考えることがあります。 ぶっちゃけなくても生きていけるのに古代から連綿と受け継がれていますし、人が生きる余裕がなかった時代にも確かに存在します。 人は芸術に何を求めているんだろう。 私はこのワークショップに参加して、そして展覧会の開催に携わらせて頂いて、その答えの一部が何となく分かったような気がしました。 それは、せわしない日常で取りこぼされている何かを拾い上げること。 ワークショップでお会いした瀬尾さんは、私たちが見過ごしていること

    • 展覧会スタッフコラム②:部外者の真ん中にたつワタシ

      なかなか、書くことも出てこないものですよね。 実は、どういうわけか事前に開催されていたワークショップに参加している間も、正直言って心は着いていけていないところがありました。 これを人は「気後れしていた」というのでしょうか、自分では足りないと思ってしまう、そしてそんなときに集団の中の他の対象と比較をしてしまうからこそ生まれるあの感情。 そしてそれは企画の開催を目前にした日々の中でも同じくしていました。 特に目前の日々においてはさらに自分に求められているもの、自分が求める

      • 展覧会スタッフコラム①:話してつなぐ

        11月18,19日とワークショップに参加して、私は話すことの大切さを実感しました。普段友人とするお喋りは、学校の話、服の話、食べ物の話とコロコロと話題が変わるため、深く考えて話しをする機会がほとんどありませんでした。そのためワークショップでは、自分の考えをまとめて話すということに苦労しました。しかしいざ話し始めると、頭の中で乱雑に散らばっていたものが、一つの文章として繋がり、自分はこんな風に考えていたのだと驚くことが多くありました。 今回は、コロナや震災といった普段の会話で

        • 展覧会コンテンツ①:語りのワーク

           今回の展覧会で1日に2回、「わたしのふるさと/わたしの大切な場所」というテーマを二人一組で話し、相手の語りを聞いた人が、「わたしのふるさと/大切な場所は……、」という主語を第一人称にしてお互いにテキストに書き起こし、朗読をするという『語りのワーク』を予定していました。  私自身このワークを行うまで「わたしのふるさと」を全く知らない人に話したことがなく、写真などの視覚情報もない中でイメージを共有するにはどう話すと伝わるか苦労しました。しかし、私の話をもとにペアの人がテキスト

        展覧会スタッフコラム③:芸術の存在意義

          はじめに

          奈良県立大学現代アート展船/橋 わたす 2020「へんでふつう わたしたちの10年を話しあう」 本展は、11月にアーティストである瀬尾夏美さんをお呼びして行ったワークショップをもとに、ワークショップ参加者と企画者である櫻井が企画した展覧会です。 瀬尾夏美さんは、地域社会(岩手県陸前高田市)に旅人として介入し、対話の場を市民と協働で行うなど、対面で行うコミュニケーションを多く紡いできました。現在は仙台を拠点に、陸前高田での制作を継続しながら、戦争体験をした人たちや障害を持つ