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潰瘍性大腸炎(内視鏡検査)

(表現注意⚠︎食事中は読まないでください)

再燃したらしい。

土曜日、午前中から内視鏡検査の為の下剤を飲んでいた。

ビニールでできたデキャンタのような容器に、薬を溶かした1800mlの水を用意する。それを、少しずつのんでいく。スポーツドリンクを大量に飲む感じだ。

腸の中を空っぽにしなければならない。8時から10時までの間、飲んではトイレに行き、を繰り返す。

潰瘍性大腸炎と診断されてから、なるべく年に一回は内視鏡検査をしているが、検査前のこの時間にもやもや考えるクセがついている。

(もしかしたらガンではないか)

(ずっと薬を飲んでいくんだよなぁ)

(ガンなら、腸なくなるんだよねー・・)

腸の中が空っぽになっていくのに反して、脳みそ内部は考えの塵が積もりパンク寸前の状態になっていく。

少しずつコップに注ぎながら、下剤を体に注ぎ込む。出す。

注ぐ。

出す。


10時すぎには腸は空になり、1800mlの液体を飲みきっていた。病院から渡された用紙に印字された時間と様子のメモ欄が埋まった。一年で一番トイレに行った記念日だ。ビニール・デキャンタはリサイクルできる燃えないゴミとなった。

ちょうど、病院から電話があり、詳細な検査時間を知らされる。

「13時」

お昼は食べられないので、黒飴を少しずつ舐めた。

約束の13時より15分前に病院につくと、受付の方がトイレに行くか聞いてくれた。待合室のトイレに行く気でいたのだが、早速、検査準備の部屋に案内された。

「終わったら流さないで見せてくださいね」

自分の中で、少し恥じらう瞬間。キレイにはなっているが、トイレの後を人に見られる場面はなかなかない。

職員さんにとっては仕事なので、変に気にされる方が気まずいものかな。

「検査できますねーキレイです」

恐縮です。

不織布の検査着に着替え、血圧をはかる。

点滴を打つ。自分の血管は見えにくいらしく、毎回違う場所に針をいれる傾向があるが、今回は左手の手首にわりと近めなところだった。

落ち着いた声で、内視鏡検査何回めくらいですかーと聞いてくれたり、穏やかな職員さんでよかった。いつも、安心させてくれるように対応してくれる方ばかりで、感謝している。

前準備もすんで、座って待機。点滴が少しずつおちる様子をみていると、なんだか落ち着いた。

しばらくして、検査室へ。横向きになり、もし検査中姿勢を変えてと言われたときのレクチャーを受ける。点滴部分から麻酔。

今まで5回は検査を受けているが、2回目の内視鏡検査から、麻酔をお願いしている。

病気が判明した最初の麻酔なし内視鏡検査が、とてつもない痛みで悶絶してしまったからだ。今思い出しても恥ずかしいほど、歯をくいしばって耐えていた。炎症が起きているのだから、そりゃあ痛い。

麻酔をかけることにリスクはあるかもしれないが、もう麻酔なしでの検査は今のところ考えられない。

検査開始。

ぼうっとした頭のまま、ぼうっと画面を見ていた。自分の大腸の中が見れる機会はそうそうないので、液晶画面が見える位置にあればつい見てしまう。目をあけてたから、不気味だったかな。検査後に麻酔したけど起きてたね、、とお二方に聞かれた。意識はあった。自分の大腸の中を探検している感じの画面だった。

検査後、別室で一時間ほど眠らせていただき、起きてから説明をうけた。




飲んでる薬の量を増やすことに。

お財布にきびしい...


しょうがない。この病気とは、もう付き合うしかない。

会計を終え、病院を出た頃には、脳みそを支配していた塵のようなもやもやは、抜けたようだった。一時間の意識がない睡眠が、起きたとき点滴が残ってないなぁと眺めた時間が、そうしてくれたのかもしれない。


ぼうっとした頭のまま

薬局にいき、家に帰り、

消化によいものを食べることにした。



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