親の介護を会社の事業にたとえてみる
親の介護を「会社の事業」にたとえると、あなたがやるべきこととプロの力を借りることの違いが分かりやすくなります。
1. あなた=社長の役割
あなたは会社の「社長」として事業の責任を担う立場です。
(1) 経営方針の策定
社長は会社の経営方針を定めます。
つまり、親の介護をどのような方針でやっていくかを決めるということです。
▶ どのような介護体制にするか
▶ 親にどのような生活を送ってもらうか
▶ 仕事と介護をどのように両立していくか
といったことを考えながら、介護の方針を定めます。
(2) 介護体制の構築
介護の方針を決めたら、介護体制の構築に向けて動きます。
▶ 施設に入るか、在宅で介護サービスを利用するか
▶ どの介護事業者と契約するか
▶ 介護サービスの利用頻度はどうするか
といったことを検討し、一つひとつ体制をつくっていきます。
もちろん、介護体制構築にはご両親の希望をしっかりと聞き、包括やケアマネといったプロと相談することが必要不可欠です。
(3) 介護体制の維持
介護の方針・体制は「一度つくったらそれで終わり」というわけではありません。
▶ 親の希望に合った体制になっているか
▶ ケアマネやヘルパーが困ってしまうようなことが起きていないか
▶ 親に悩みごとや困りごとが出てきていないか
など、気にするべきことや考えるべきことは山ほどあります。
介護体制を無理なく継続させるために気を配るのは、社長であるあなたの大切な役割です。
何か問題があれば、ケアマネやヘルパーと相談して一つひとつ解決していきましょう。
ご両親・あなた自身・介護事業者の関係をいかに良好に保っていくかという努力も必要です。
2. ケアマネ=執行役員の役割
ケアマネは社長であるあなたを支え、実務を取り仕切る「執行役員」です。
あなたは社長とはいっても、介護のプロではありません。
介護という「新規事業」に参入するために、介護のプロであるケアマネを執行役員として迎えます。
ケアマネには、実務を担うヘルパーをとりまとめつつ、あなたとご両親の様々な相談に乗ってもらうことになります。
いいケアマネと出会えるかどうかは、運の要素も大きいです。
もしケアマネとの相性がどうしても合わない場合は、包括に相談して変更してもらうことも可能です。
でも一度信頼できるケアマネを見つけたら、そのケアマネを信じることです。
信じて、任せることです。
彼らは介護のプロです。
親にとって最適な介護サービスができているか気になって、社長が現場に口を出したくなる気持ちも分かります。
でもそこはぐっと我慢して、プロのやり方を信じましょう。
3. 地域包括支援センター=コンサルタントの役割
介護方針の検討やケアマネの選定をする際は、「コンサルタント」である地域包括支援センターの力を借ります。
コンサルタントには早め早めの情報共有が大切です。
どんなに優秀なコンサルでも、情報がなければいいアドバイスはできません。
親と自分の置かれた状況や困っていることなどを早めに伝えておくことで、あなたの状況に合ったケアマネを紹介してもらえる可能性が高まります。
また、事前に包括と信頼関係をつくっておけば、包括からケアマネにもあなたのことを情報共有してくれて、ケアマネとの信頼関係をつくりやすくなります。
おわりに
今日のまとめです。
あなたは介護事業の社長になったつもりで動く。
社長の仕事は現場に出て手を動かすことではなく、体制をつくり維持していくこと。
信頼できるケアマネを見つけ、信じて任せることが大切。
あなたが本当にやるべきこと、ケアマネや包括などのプロに任せることを見きわめ、無理のない介護体制をつくっていけるといいですね。
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