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親をセルフ・ネグレクトから抜け出させるために私がしたこと

私の親は2人そろってセルフ・ネグレクトでした。

不健康で不衛生な生活を続けた結果、2人そろって倒れてしまい、入院することになりました。

親の入院は私にとって転機となりました。
それまで見て見ぬふりをしていた数々の問題に、ようやく本腰を入れて取り組み始めたのです。

今日は、親の入院をきっかけに私が取り組んだ、親をセルフ・ネグレクトから抜け出させるためにしたことをご紹介します。


1. 実家の片づけ


長くセルフ・ネグレクトだった両親の住む実家は、それはそれはひどい有り様でした。

入院する前にも何度か片づけをしようと申し出たことはあったのですが、両親は受け入れてくれませんでした。
勝手にものに触られたり、捨てられたりするのを恐れたのでしょう。
子に迷惑をかけたくないという思いもあったのかもしれません。

両親の入院は、ずっと手が付けられずにいた実家の片づけをするまたとないチャンスでした。

  • 明らかにいらないもの・不衛生なものは容赦なく捨てました。
    親の片づけの本には「子から見て不要なものでも、親のものを勝手に捨ててはいけない」と書かれていますが、そんなことは言っていられません。
    私から見て明らかに不要なものや不衛生なものは、心を鬼にして捨てました。

  • 親の思い入れが深そうな置き物や写真などの思い出の品は、部屋に残すのは必要最小限にして、残りは段ボール箱に詰め込みました。

  • 何年も積み重ねられてきた大量の書類・郵便物は、
    ▶ 明らかに不要なもの
    ▶ 必要なもの
    ▶ 必要か不要か判断に迷うもの
    に分けました。
    そして、明らかに不要なものは捨て、必要なものはファイルに整理し、必要か不要か迷うものはとりあえず段ボールに詰め込みました。

  • 尋常じゃない量のホコリがたまっていたので、マスクを二重にして掃除をしました。

  • キッチンの汚れた食器はいちいち洗っていられなかったので容赦なく捨てました。

  • トイレ・洗面・風呂・キッチンのこびりついた汚れは素人の手には負えなかったので、掃除業者に依頼しました。


2. 介護サービスの利用開始


以前にも介護サービスの利用を勧めたことはあったのですが、両親は人に頼るのを嫌がり、話が進められませんでした。
しかし、入院したことで、さすがにこのままでは暮らしていけないと思ったのでしょう。
「ヘルパーさんに手伝ってもらいながら生活を立て直そう」と私が話をすると、素直に受け入れてくれました。

地域包括支援センターに連絡をして要介護認定の申請をし、介護サービスの利用に向けた手続きを勧めました。

申請から2か月後くらいに無事に要介護度が決まり、包括の方に紹介していただいた小規模多機能型居宅介護の事業者にお世話になることになりました。

今はヘルパーさんが毎日訪問介護に来てくれ、週に2回デイサービスに通っています。

それまでできていなかった、
▶ 栄養バランスのとれた食事をとる
▶ 風呂に入って体をきれいにする
▶ しっかりと睡眠をとる
▶ 人と関わる・話す
といったことができるようになり、人間的な生活を取り戻すことができました。

3. 用事をつくって実家に行く


ヘルパーさんが毎日来てくれるとはいえ、すべてを任せきりにするわけにはいきません。
退院後は何かと用事をつくって実家に行くようにしています。

個人的におすすめなのが、無理やりにでも実家に用事をつくることです。

私は実家とそう遠くない距離に住んでいるので、行こうと思えばいつでも行けるのですが、用事がないとなかなかふらっと立ち寄ることができないタイプなんです。

だから、病院への送迎や買い物の付き添い、役所手続きのサポートなど、何かしらの用事をつくって、実家に行かなければならない状況を自らつくるようにしています。

そうすることで、親と話す機会は必然的に増え、おかしな様子に気づくこともできるようになり、対処がしやすくなったように思います。

おわりに


今日のまとめです。

私が両親のセルフ・ネグレクトにとった対応策は下の3つでした。

  • 実家の片づけ

  • 介護サービスの利用開始

  • 用事をつくって実家に行く

入院する前は、荒れ果てた実家をどうすることもできませんでした。
また、両親の乱れた生活スタイルを立て直すことも不可能に思っていました。

でも、できることからコツコツとやっていくことで道が開けました。
両親が再びセルフ・ネグレクトに陥ることのないよう、子としてしっかりと役割を果たしていきたいです。



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