見出し画像

両親が私の提案を受け入れなかった理由

私の両親は2人そろってセルフ・ネグレクトでした。

不健康で不衛生な生活を何年も続けた結果、2人そろって倒れてしまい、入院することになりました。
退院後は介護サービスを利用しはじめ、ようやく生活を立て直しつつあります。

とはいえ、入院する前から私もまったく何もしなかったわけではありません。
なんとか両親の状況を改善できるよう試みたことはありました。

でも、両親は私の言うことをまったく受け入れてくれませんでした。

今日は、「なぜ私の提案を両親が受け入れてくれなかったのか」を改めて振り返りたいと思います。


1. たまにしか実家に行かなかった


今でこそ週に1、2回は実家に行くようにしていますが、以前の私が実家に行く頻度は数か月に1回程度のものでした。

荒れ果てた家や不衛生な両親の姿を見るのがつらかったのです。
見るたびに「なんとかしなきゃ」と思うものの、その衝撃が強すぎて、だんだん実家に足が向かなくなっていきました。

たまに実家に行っても、思いついたかのように
「生活リズムをなんとかしろ」
「介護サービスを受けないと生活していけないんじゃない?」
などと、親に対して小言みたいなことを言うだけでした。

両親はそんな私をまったく信頼していなかったのでしょう。
私の言うことなど、何ひとつ受け入れませんでした。

・・・

今から考えると、それはそうだろうなと思います。
両親が「数か月に1回しか顔を見せないやつに、そんなこと言われたくない」という気持ちだったのも無理はありません。

私には、両親の生活を立て直そうという気持ちが、圧倒的に不足していました。


2. 具体的なアクションまでサポートできていなかった


コンビニ弁当や冷凍食品ばかり食べていた親の食生活を改善するために、宅配弁当のチラシを持っていったことがありました。
でも、ただ単にチラシを渡しただけで、申し込みまでサポートすることをしませんでした。

また、介護サービスを利用するために、地域包括支援センターに相談してみたらどうかと提案したこともありました。
その時も、ただ提案するだけで、実際に両親が包括に連絡する手助けをすることはありませんでした。

・・・

私のかかわり方は明らかに不十分でした。
放っておいたら面倒くさがり屋の両親が何もしないのは、私にもわかっていたはずです。
でも、私はただ口を出すだけで、具体的なアクションのサポートを何もしていませんでした。


3. 「困ったことがあったら言って」と言うだけだった


両親の生活は、それはそれはすさんだものでした。
どうやったら改善できるのか、そもそも何から手をつければいいのか、まったく分かりませんでした。

両親も同じ状況だったのでしょう。
「このままではだめだ」とは分かりつつも、どうしていいか分からなかったのだろうと思います。

そんな両親に、私は「困ったことがあったら言って」と言うだけでした。

・・・

両親が困っていたのは明らかでしたが、どのように手助けを求めればいいかも分からない状態だったのでしょう。
もっと踏み込んで、具体的に何をどうするか、何からはじめるかを、両親と一緒になって考えるべきでした。

両親への思いやりが完全に不足していました。


おわりに

今から考えると恥ずかしくなるくらい、私の対応は不十分でした。
「両親の生活を改善するんだ」という根本的な覚悟が足りていませんでした。

過去の自分をしっかりと反省し、両親と正面から向き合って、今後も介護を続けていきたいと思います。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?