ああ、懐かしのコロナ禍日本帰国
2021年、日本帰国を敢行することにした。
2020年は、ヨーロッパから帰国した日本人に非難の目を向けられると聞き、恐ろしくて帰国を断念したのだった。
「あそこのお嬢さん、このご時世にわざわざ帰国されたんですって。」とか陰口を叩かれてしまった人を知っている。
2021年夏、ドイツでは感染者が減っていたため、日本入国時の3日間の強制隔離は無くなっていた。
あれだけ検査しまくっていたのに、感染者数は日本よりずっと少なかったのだ。
陰性証明を獲得し、いざ日本へ。
羽田空港は、オリンピック関係者でごった返していた。
一般客とオリンピック関係者は、完全に別のルートを通って接触しない、という触れ込みだったが、何のことはない、ベルトパーテーションで仕切ってあるだけだった。
ベルトで仕切られただけの通路を、オリンピック関係者と並んでゾロゾロ歩く。
陰性証明を持っていても、着陸時にもう一度簡易テストを受けねばならない。
普通、テストを受ける➡️その場で結果を待つ➡️結果次第で隔離か入国か、だと思うでしょう?
実際には、テストを受ける➡️ゾロゾロ移動➡️入国者監視アプリを無理矢理携帯に入れさせられる(係員が入国者に接触)➡️さらに紐の通路をゾロゾロ歩く➡️通路の最後の待合室で検査結果を聞く➡️入国 だった。
もし、感染者がいたとして、何100メートルの移動時にそれこそ無数の人との接触がある。
ずいぶんテキトーである。
係員に、「こんなに長いこと歩かされたら、陽性が出た場合、誰が濃厚接触者扱いになるのか?」
と聞いてみたが、キョトンとしていた。
この後、14日間の自宅隔離が始まった。
携帯には、厚生省御用達の my sos というアプリを強制的に入れられている。
ここに毎日、不定期に連絡が来る。
生きているかどうか、国が確かめてくれる、
と言えば聞こえがいいが、うろつかずにおとなしくしているか監視する目的がある。
相手はAIのこともあれば、生身の人間のこともある。外人ぽいアクセントのオペレーターのこと
も、日本人のこともある。
ビデオで今居る場所を映して見せろ、という人権侵害まがいの要求も平気でして来る。
夫はオペレーターが連絡して来たとき、思いっきり不機嫌を装って、「名を名乗れ。普通、電話して来たら名を名乗るのが礼儀だろう。」と言ってみた。
相手は、「あ、すみません。⚪️⚪️ですう。」と答える。
きっとアルバイトなんだろう、可哀想に。
毎日位置情報を送り、こちらからは見えない誰かに家の中を見られの14日間。厳しい措置と思われるかもしれないが、日用品や食料の買い出しには出かけても良いのであった。
スーパーにも近所のラーメン屋の自家製餃子を買いにも出かける。
完璧な水際対策をうたっていたが、実際はかなりフワッフワな対策ではあった。
my sos で数回続けて連絡がつかない場合、「名前を晒す。」という脅しもあった。
どこに晒すのか興味があったけど、どなたかご存知ですか?官報?
この国による入国者監視の話は面白いので、ドイツでさんざん話して回った。
ドイツ人は皆驚く。
「え?それ、北朝鮮の話じゃないの?」
全員同じ反応でした。
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