第2回スクプロ講座(Google Meet編)

第2回スクプロ講座(Google Meet編)

SmartHRのプログレッシブデザイングループでアクセシビリティテスターをしている柳瀬と言います。
今回は6月19日にプログレッシブデザイングループ所属で私の上司でもある辻勝利(つじかつとし)さんのもとで行われた第2回スクリーン・リーダープロフェッショナル養成講座(スクプロ講座)について報告していこうと思います。
辻さんは弊社のアクセシビリティスペシャリストであり、またNVDA日本語チームの代表でもあるスクリーン・リーダーの第一人者になります。
このスクプロ講座は私だけでなく色々な方にも有意義な情報になると思い、前回に引き続き会話形式で記事にしてみました。

※今回も主にNVDAを使用しています。

目次

  • はじめに

  • Google Meetの使い方 (ショートカットキー)

  • フォームをいじってみよう(導入編)

  • フォームをいじってみよう(本番)

  • これからいろんなページをみていくなかで

  • 最後に

  • まとめ

はじめに

辻:今日もよろしくお願いします。

柳瀬:よろしくお願いします。

辻:リーダープロフェッショナル養成講座では、ティンカー・ベルとかですね、テプラコーンとかを育てていきたいと思ってるんですよ。

柳瀬:ティンカー・ベルですか?

辻:何を言ってるかわかんないでしょう。どっちも妖精(養成)なんですよ(笑)

柳瀬:なるほど、そういう意味ですか(笑)

辻:まぁ、養成講座ということで(笑)それではフォームの話をしていこうと思います。

Google Meetの使い方(ショートカットキー)

辻:フォームの話をする前に、このプロフェッショナル養成講座はGoogle Meetで行ってますよね。ちょっとだけGoogle Meetの使い方を説明したいと思います。Google Meet中によくチャット見てくださいみたいなこと言うじゃないですか。

柳瀬:はい。

辻:そうだ、その前にGoogle Meetの画面でNVDAをブラウズモードにしてもらえますか?

柳瀬:ブラウズモードですか?

辻:「ぷっ」という音がするのがブラウズモードです。

ぷっと音がする(NVDAキー+space)

辻:ブラウズモードに出来たら、僕がまずチャットメッセージを一つ投げます。

チャットが一つ届く

柳瀬:届きました。

辻:チャットメッセージが届いたら素早くアクセスしたいじゃないですか。その時にCtrl+Altを押しながらC、チャットのC押してもらえますか?

チャットの文字入力の欄に移動する 

辻:そうすると、たぶんメッセージを書くとこにいるんじゃないかな?Shift+Tabで届いたメッセージの場所に移動できると思います。はい、ちょっと見てくださいと言われたときに便利かもしれない。

柳瀬:確かに、すぐメッセージに行けるのは便利ですね。

辻:そしてTabを押すと先ほどのメッセージを書くところに戻るって感じですね。

柳瀬:なるほど。

辻:他にもCtrl+E、エコーのEでカメラのON/OFFが出来たり、Ctrl+D、デルタのDでマイクのON/OFFが出来ます。この3つぐらいを覚えておくとGoogle Meetで会議をする時に迷いなく動けるかもしれません。

柳瀬:ありがとうございます。

フォームをいじってみよう(導入編)

辻:はい、それではフォームをいじってもらおうと思うんですが、チャットメッセージに練習用のリンクを送ったので開いてみてもらえますか?

Ctrl+Alt+Cでリンクを確認し、開く

辻:そうすると、アクセシビリティ研修参加者アンケートのフォームがあります。これに答えることでまずはフォームに触ってみてもらおうと思います。では、少しアンケートに答えていってもらえますか?

柳瀬:はい、わかりました。

本文を読んでいく

柳瀬:アンケートの記入欄でラジオボタンの所に着きました。

辻:はい。普通に下移動で選択もできるのですが、ラジオボタンのRでも選択・移動が出来ます。このアンケートは主にラジオボタンとエディットボックスしかなかったと思います。あとは送信ボタンを探してもらえますか?

柳瀬:ボタンってことはBですかね?

辻:そうそう。

Bを押して送信ボタンに移動する

柳瀬:送信ボタンに移動しましたね。というか送信ボタンしかボタンがない。

辻:そうですね。このページは見出し(H)とラジオボタン(R)とエディットボックス、そうエディットボックスはEを押すと移動できます。こんな感じでフォームをいじることが出来ます。

フォームをいじってみよう(本番)

辻:それでは今日の本番はですね。まず[JBICT.net](https://jbict.net/)日本視覚障害者ICTネットワークを開いてもらって、支援技術利用状況調査をやってもらおうと思うんですが、yanaさんはこのアンケートはもう回答してますか?

柳瀬:そうですね。もう回答しました。

辻:もう回答してくださったんですね。なるほど、じゃあ復習もかねて行いましょう。まずはJBICT.netのページ内でアンケートを探して回答し始めるところまで行きましょうか。

アンケート回答ページに移動する

辻:まず、チェックボックスがあるか確認してください。

柳瀬:はい、チェックボックスはCでしたっけ?

辻:チェックボックスはXですね。

柳瀬:そうだ。Cはコンボボックスだ。

辻:これが中々紛らわしいんですよね。

Xを押すと次のチェックボックスがありませんと言う

辻:なるほど。そういう時はページの先頭にCtrl+Homeで移動してみてください。

Xでチェックボックスを読みだす

辻:ということは先ほどいた場所はアンケートを回答するところよりも下のほうにいたっていうことになりますね。こんな感じで回答してもらう感じになると思います。フォームの使い方はこれで大丈夫そうですかね?

柳瀬:そうですね。

辻:チェックボックス、コンボボックス、ラジオボタン、エディットボックスくらいあれば大丈夫だと思います。それでは次に行こうと思います。さっき見ていたページの中に第2回の支援技術利用状況調査があったと思います。そこを開いてみてください。

第2回支援技術利用状況調査を開く

辻:はい、ではこの調査結果の中で50代の人が何人回答してくれたか調べてもらえますか?

柳瀬:もちろん検索はなしですよね?

辻:はい、内容を確認しながら調べてみてください。

ランドマークでページ内を移動する

辻:このサイトは少しいやらしくてですね。メインナビゲーションランドマークとメインランドマークがあって少しややこしいんですよね。教材としては良いんですけども。メインナビゲーションランドマークはほかのページに行ったり、ページの本文に移動したり、リンク類がおいてあることが多いランドマークです。メインランドマークは本文そのものですね。

柳瀬:なるほど。では、普通に動いていきます。

ページ内を移動する。

柳瀬:たどり着きました。これはテーブルというやつですね。

辻:そうですね、普通に読んでいってもらって大丈夫です。ですが、Ctrl+Altと上下左右キーでテーブル内を自由に動くことができます。そして、Tを押すことでテーブル間を移動することが出来ます。

柳瀬:なるほど、50代の方が何人回答してくれたか分かりました。

辻:でしたら次は、パソコンで一番利用されているスクリーンリーダーは何か調べてもらえますか?

柳瀬:分かりました。あぁ、でもTで移動しようとしても次がテーブルかどうかはわからないですもんね?

辻:そうですね、なのでやはり内容はしっかりと読む必要があります。ですが、見出し移動でほしい情報の所まで移動するのは大丈夫ですよ。

ページ内を移動する

柳瀬:見つけました。

辻:ありがとうございます。テーブル内はCtrl+Altと上下左右キーで自由に移動でき、 Googleスプレッドシートやエクセルのシートの表を見るのと同じように動くことができます。このページではテーブルが多いのでT移動も便利なのが一つのポイントですね。

辻:それでは30代のスクリーンリーダーの使用利用状況を調べてもらえますか?今度は検索を利用してもいいです。

柳瀬:はい、わかりました。

30代で検索をかけて移動し、テーブル内を移動する。

辻:内容を確認できましたね。今回は練習のためにページの上から行きましたけど、本来は検索をもっと活用してもらった方が簡単に目的にたどり着けると思います。そうしないと、途中で力づきてしまうかもしれない。

柳瀬:確かに、諦めちゃうかもしれませんね。

辻:そうそう。もう見つからないから今日はいいやってなっちゃうかもしれない。はい、こんな感じでフォームを使ったりしてもらったんですけど、フォームの操作を覚えておくとスクリーンリーダーを操作していくうえでとても便利です。チェックボックス、コンボボックス、ラジオボタン、エディットボックスとあとはボタンかな。テーブルの中の移動も使いこなしてもらうといいなと思うところです。

辻:ただ、こういうちゃんとした表ばっかりじゃないんですよ。そういう時にちゃんとテーブル移動を行うときは行見出し、列見出しを意識して聞いてもらうといいと思います。

柳瀬:はい、分かりました。

これからいろんなページをみていくなかで

辻:今まではどちらかというとよくできたページばっかり見てきましたが、問題が起きた時にこれはどっちに原因があるんだろうと難しい問題が出てきます。例えば、SmartHRの入社手続きを使用してうまく読み上げない問題が出た時に原因がどちらにあるかという判断をするのはスクリーンリーダープロフェッショナルとしては必要な知識だったりするわけです。

柳瀬:なるほど

辻:例えばスクリーンリーダーが悪くてこれを読み上げないから出来ないのか、それともSmartHRの出している情報が悪いから読まないのか。

柳瀬:確かに難しいですね。

辻:その判断が出来るようになっていけばいいなと思っていて。簡単な例で言うと画像がページの中に貼ってあるのに代替テキストが付いてなかったらスクリーンリーダーユーザーからしたら何の画像が貼ってあるかわかりませんよね。その時はサイトが悪いといえるんですよ。

柳瀬:なるほど。

辻:でもNVDAなら読めるのにPCトーカーでは読めない場合または逆の場合でも、その場合はどっちが悪いのかという判断は難しくなっていきます。今のはサイトか支援技術側に問題がある場合なんですがもう一つあります。それが自分がうまく操作できないから読み上げが出来ないという場合があります。これは僕でもいまだにある事ですので、この3つの中から判断して報告することがすごく大事です。

辻:例えばSmartHRのテストをしている時にボタンが読まれなくて先に進めない場合、大体こういう場合はSmartHR側に問題があると思いますけども場合によってはスクリーンリーダーのこういうコマンドを使ったら出来ますよっていう場合はSmartHR側の問題ではない可能性があるので判断が難しい所なんですが、そういうこともこれから覚えていってもらいたいなと思います。

柳瀬:はい、わかりました。

辻:実際に例をあげるとradikoのサイトって知ってますか?

柳瀬;前はよく使ってました。

辻:NVDAでradikoのサイトを開いてみてください。

radikoのサイトを開く

柳瀬:ずっと読んでますね。

辻:そう、Ctrlで止めても読み続けています。これはサイト内で次々に放送局名を読み上げているんですよ。カルーセルと言って私はその画面がどういう画面かは把握しきれてないんですが。

柳瀬:なるほど、サイト内で読み上げたら右から左へとずっとくるくる回っている感じなんですね。

辻:これ、すごく使いづらいでしょう?今度はEdgeでPCトーカーを起動してradikoのサイトを開いてもらえますか?

PCトーカーを起動してEdgeでradikoのサイトを開く

辻:どうですか?PCトーカーは普通に使える感じがしませんか。他にもジェットスターっていう格安の飛行機会社でも同様な問題が起きてしまいます。だからスクリーンリーダープロフェッショナルの人にやってほしいことはPCトーカーでテストをしてうまく読めない部品が出た時や手続きがうまく出来ない時に、じゃあNVDAで出来るかどうかチェックしてほしいんですよ。それでもできなかったら、このプロダクト側に問題があるのではないかという所を疑い始めてほしい。

辻:だから複数の環境でテストが出来ることが凄く大事っていうことですね。本当は一つ使いこなせるようになることが出来れば十分なんですけども、問題を切り分けていく時にどこに問題があるのか複数のスクリーンリーダーを使用できることは重要な意味を持つことだと思っています。ぜひ両方のスクリーンリーダーをある程度使いこなせるようになっていただきたいです。

柳瀬:はい、わかりました。

さいごに

辻:来週はyanaさんとちょっとゲームをしていこうと思います。

柳瀬:ゲームですか?楽しみですね。

辻:はい、ゲームをやってみたいのでよろしくお願いします。

柳瀬:よろしくお願いします。本日もありがとうございました。

まとめ

1、Google Meetを使用する際に覚えておくと便利なショートカットキー
・Ctrl+Alt+C(チャットメッセージへの移動)
・Ctrl+E(カメラのON/OFF)
・Ctrl+D(マイクのON/OFF)

2,フォームで使える項目への移動コマンド
・見出し(H)
・ラジオボタン(R)
・エディットボックス(E)
・コンボボックス(C)
・チェックボックス(X)
・テーブル移動(T)、テーブル内移動(Ctrl+Alt+上下左右キー)

以上になります。
今回は主にフォームについて学んでいきました。
私自身、いつもページ内移動をするときは普通に下移動かTab移動が多く、今回のフォームで得られたことはとても多かったです。すぐに覚えられなくても使っていくことで身についていくものなので、日頃から意識して使っていこうと思いました。

これからもスクリーン・リーダープロフェッショナル養成講座は続いていきます。
次はスクリーン・リーダーを使用したゲームを紹介しますのでよかったらぜひ見に来てください。
辻さんもnoteで有益な情報を発信されているので、URLを貼っておきます!
Katsutoshi Tsuji

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