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米軍山田部隊事件

昭和37年7月20日最高裁判所第二小法廷


概要

使用者の責に帰すべき事由によって解雇された労働者が解雇期間内に他の職について利益を得た場合、使用者が、労働者に解雇期間中の賃金を支払うにあたり、右利得金額を賃金額から控除することはできるが、その限度は、平均賃金の4割の範囲内にとどめるべきである。

  • 国に雇用されていた労働者Xが解雇された。

  • しかしその後、裁判により、解雇は無効となった。

  • 解雇後から解雇無効の判決までの間、労働者Xは他で働いていた。

  • 国は解雇期間中の賃金から中間利益(他で働いていた分の収入)を賃金から控除できるか。

要旨

労働基準法が休業期間中における労働者の最低生活を保障するため、使用者に対し平均賃金の6割以上の休業手当の支払を命じているのは、休業が使用者の責に帰すべき事由によるものであることに帰因しているのであって、もとより使用者に対し無過失賠償責任を課したものではないから、当該休業が使用者の責に帰すべき事由によるものである限り、使用者は、所定の休業手当を支払うべき義務を負担し、所論のごとく、その期間内に労働者が他の職について平均賃金の6割以上の収入を得たことによって当然にその支払を免かるべきいわれはない。

原判決が労働者Xの解雇期間内に他の職について得た利益は国に償還すべきであると認めながら、その償還の限度を平均賃金の4割にとどめ、国に対し労働者Xの解雇期間中の賃金として、平均賃金の6割相当の賃金の支払を命じたことは正当。

参考

この判例を詳しく知りたいという方は、以下のページをチェックしてみてください。

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