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日日と魂に(子育てや疾患についての走り書き)_1

2022/11/26
13時26分。
コロナ禍にて出産の立会いは不可。
産婦人科病棟駐車場にて車内待機中、着信が入る。
「二十山さん」
術前に約束を交わした男性医師の声と異なる、おそらく助産師の女性の快活な声。
「元気な女の子です。保温器の中に居てもらいますからね」
精一杯大人らしく返事。焦っておりませんと。電話を切り、嬉しい嬉しいと一人で何遍も呟いたが、妻の状態も早く教えてほしかった、聞けばよかった。冷静さの欠片もなし。

10年以上も前、旅行先のホテル滞在中に火災報知器が鳴った際、「落ち着いて、焦らず〜と、〜と、〜を持って外に出よう」と恋人(現妻)へ指示しながら彼女のタイトなデニムに足をねじ込もうとしていたときのこと、これを書きながら思い出した。

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